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ルールが変わって柔道が面白くなった:東京五輪日記 7.30

 平日の五輪も今日で一息。明日と明後日は観戦に集中できる。

 今日は柔道について書いてみたいと思う。言うまでもなく日本発祥の柔道。メダルの常連種目だ。今日で個人戦が終了。明日は団体戦。個人戦では金メダルが連日の9、銀メダル1、銅メダル1と、地元開催を飾る素晴らしい戦績だった。

  昨日、「五輪で見る競技には三種類ある」と書いたが、自分にとっては柔道は典型的な「普段は見ないけれど4年に一度見る競技」だ。

ルールが変わって面白くなった柔道

 高校時代の体育で少しはかじったが、細かいことはよくわからない。4年に一度しか見ないからルールが変わっていることに五輪の時にようやく気づく感じだ。

 今回もそうだった。「効果」と「有効」がなくなり、旗判定もない。延長戦はサドンデス。このルールで行われる柔道、見ていて面白いしスリリングだ。旗判定がなくなって勝敗にも納得感がある。

 サドンデスの延長戦も見ていてスリリングだ。時間の経過とともに、スタミナを消耗していくのがわかる。その中でも多くの試合において、日本選手の方が体力を維持しているように見えた。普段から延長戦をも想定して相当きつい練習をしているのだろう。

 審判も威厳がある。一時期、道着が乱れた状態で競技を続ける選手が増えたことがあったが、今では乱れるときちんと直させる。珍しいと思うのは、男子の審判を女性がやったり、女子の審判を男性がやったりすること。普通は男子の競技は男性審判、女子の競技は女性審判だから。

 考えてみれば、柔道もいろいろなルール改正を経てきた。一時期、レスリングのようなタックルを仕掛ける選手が増えてきたが、それを禁止。足をつかんで持ち上げるのも禁止された。その結果、「いかにも柔道らしい試合」が続いたと思う。今のルールはバランスが良く、面白くていい。

 初日から今日まで、連日の金メダル。選手の皆さん、素晴らしかったです。五輪選手を支えた日本の柔道コミュニティ全体の勝利ですね。

テコンドーでは韓国選手が金メダルを取れなかったとのこと

 今日、ふとニュースを見ていたらテコンドーについての記事が目に入った。テコンドーは今大会で人気がなく、ホスピタリティパッケージでも格安の6万円程度でチケットが出ていたくらいで、テレビ中継もない(通常の競技では最低でも10-20万円)。インターネットでの録画配信はあるがわざわざ見るつもりもないので全く気づかなかったのだが、なんと韓国選手が金メダルを1つも取れなかったそうだ。


 これを、「テコンドーのグローバル化」に成功した結果だと捉える見方が韓国にはあるようだ。それはそれで事実だろう。

 テコンドーで金メダルを獲得したのはロシア、クロアチア、セルビア、アメリカ、イタリア、ウズベキスタン、タイの7カ国。何らかのメダルを獲得したのは21カ国になる。

 ちなみに柔道で金メダルを獲得したのは日本の他がコソボ、フランス、ジョージア、チェコで合計5カ国。何らかのメダルを獲得したのは25カ国になる。そう考えると、「メダルを獲得した国の数」だけを見れば、日本と韓国で大きな違いがあるわけではない。

 日本の柔道も、さすがに金メダルを完全に取り逃したことはないが、バルセロナ五輪では金メダル2つ、アトランタ五輪では金メダル3つだった。そこから強化体制の見直しなどが行われて日本の柔道は復活した。そんなに興味があるわけではないけれど、オリンピック競技としてのテコンドーは、今ちょうど岐路に立っている時期なのだろう。


フェンシングエペ団体、おめでとうございます!

 今日のクライマックスはフェンシングエペ団体だろうか。フェンシングは正直、自分にとっては「4年に一度見る競技」ですらない。北京五輪で太田雄貴が銀メダルを取ったときはハイライトは見たが、試合を通しで見たことはない。今日の団体戦も、なでしこの試合と重なってしまったので、テレビでなでしこ、スマホでフェンシングという掛け持ち観戦だった。

 けれどフェンシングの団体。見ていて面白い。通常、この種の競技の団体戦は、何試合か行って勝利数が多い方勝ちだ。

 けれどフェンシングの団体戦はポイントが累積していく。それぞれ3名(+交代選手1名)で、総当たり戦になる。つまり合計で9試合。1試合当たりの試合時間は3分で、試合ごとの勝敗ではなく、合計ポイント数で勝敗を決める。先に45点に到達すればそちらの勝ち。

 時間が来ても45点まで届いていなかったら得点の多い方の勝ちだ。また、エペの場合には0.04秒というごく短い間に両者が攻撃を成功させた場合、「相打ち」の形で両者にポイントが加算される。ポイントが累積していく団体戦では、この「相打ち」もまた勝負のアヤになりそうだ。フェンシング協会のウェブサイトをみればルールが解説されている。


五輪明けに全日本フェンシング選手権が開催される

 東京五輪でのフェンシングの会場は幕張メッセだが、競技中は会場が暗く、ライトアップされる形で競技が行われるので見た目が美しい。昨日のホッケーに続き、フェンシングもちょっと見たい、と思い、調べてみた。

 するとなんと五輪明けに全日本フェンシング選手権が開かれるとのこと。9月16日-18日が予選、10月3日が決勝。場所は予選が駒沢公園の体育館。決勝はなんとLine Cube Shibuya(渋谷公会堂)。特に決勝はロケーションがいい。行ってみたいな。ただ、実施要項を見ても、参加の方法は書いてあるが観客を入れるかどうか、どこで買えるのかがわからない。ぴあを見てもイープラスを見てもローソンチケットを見ても書いてない。このタイミングだったらけっこう集客できると思うのだけれど。

ちなみに実施要項にある「武器検査」ってけっこうなパワーワードだ(笑)。


なでしこは残念だったが・・・

 今日はあとは残念なニュースとして、なでしこの敗退があった。対戦相手のスウェーデンはグループリーグでアメリカを破ったチームなので、敗退自体には驚きはない。

 いくつか戦術的な課題はあると思うが、それは既に書いた。女子サッカーは、フィジカルの差が出やすいスポーツだと言うことを今回改めて確認した。それを埋めるには、男子の最新の戦術を取り入れるしかないだろう。

 明日は男子サッカーのニュージーランド戦。今回は、メキシコ戦に勝てれば金メダルのチャンスがあると思っていた。アメリカに苦杯をなめたシドニー五輪の轍を踏むことなく、明日は勝ちきって欲しい。






0.04秒という極短い間であれば「相打ち」というべき両者ポイント体戦は1チーム3名(+1名の交代選手)による総当たり戦で、3分×9セットのうち、45点先取したチームか、または試合終了時により得点を多く取ったチームが勝利となる。

奥原と桃田、応援したかった。。。。


今日は柔道、フェンシング、なでしこ、