小林悠とレアンドロ・ダミアンは両立するか?(8月8日フロンターレ対トリニータ戦)
今さらだけれど、大分と当たった8月8日の試合、フロンターレは小林悠とレアンドロ・ダミアンの併用にチャレンジした。ダミアンをトップにして、小林悠を右ウイングにする形だ。
スタメンとマッチアップ
スタメンはこんな感じ。大分は3-4-3。
マッチアップで見るとこうなる。普通に考えると、フロンターレの両ウイングをマークするためにトリニータは5バックになるだろう。
この試合はゴール裏1階席(南)しか撮れなかったのでゴール背後からの観戦になった。写真としては結構いい写真(ダミアンの取った2点目)も撮れたけれど。
ダミアンと小林悠の併用?
ダミアンと小林悠を併用したとき、ちょっと気になるのは、「一列目の幅が狭くなるのでは?」ということ。
やっぱりそうなった。
下の写真はキーパーからのビルドアップだが、左の三笘がサイドいっぱいに開いているのに対し、小林はハーフスペースの内寄りに立っている。
このとき、アンカーの田中碧に対してもマークが二人付いており、トリニータとしてもアンカーをちゃんと潰す意図があることがはっきりとわかる。
小林悠はちゃんと開くこともある。
これもキーパーからのビルドアップだが、このときにはアンカーの田中碧にはマークが付いていない。
小林悠の場合、家長と比べて縦へのドリブル突破力は見劣りがするから、基本的にはサイドではパスを受けるというのが仕事になる。なので、トリニータとしては縦よりも中を守る、という形になる。家長が相手だったらディフェンダーはもっと縦を抑えるだろう。
また、ポジショニングがハーフスペースに寄りがちということは、トリニータから言えば、ボールを奪取したときにサイドに展開しやすい、ということでもある。トリニータの基本戦術はそこにあるから、上手くはまるといえる。
という形で、この試合のトリニータは非常にはっきりした守り方をしていたし、やや小林悠のポジショニングが中に寄りがちだったことと、相手が5バックになったことで、4-1-2-3のポジション上の優位点が発揮できない試合ではあった。
やっぱり併用は難しいなあ・・・・
小林悠の怖さはやっぱりペナルティエリア内でのポジショニングにある。そう考えると、なかなかダミアンとの併用は難しい、、、、と改めて感じた試合だった。
どちらも素晴らしいフォワードなのだけれど。使うのだったら4-4-2の方がいいのでしょうね。
この試合のトリニータのシュートはわずか一本。完全はハーフコートゲームだったけれども、フロンターレの2点は、崩しきった得点というわけでもなかった。印象論だけれど、4バックのチームに比べて、3バック(5バック)のチームの方がなんとなく崩しきれないという感じがする。
トリニータの攻撃力が去年より著しく低下していることも考えると、「負ける気はしなかった」けれども、「圧勝したという感じではない」という試合だった。
差は、戦術やフォーメーションというより、個人のスキルの差だったような気がする。フォーメーションでサッカーを考えてはいけない、というのは風間監督が強調していたことだから、今のフロンターレの基本哲学的にはこれでいいのかもしれない。(終わり)