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2020年の川崎フロンターレ<2>:三笘薫の力(1)

 今日は実は連続投稿200日目です。区切りにちょっとプロフィールじみたことをまた書こうと思っていたのですが、気づくとJリーグのシーズン開幕まであと二日。ということで今日は「2020年の川崎フロンターレ」第二回を。今日と明日の予定ですが、テーマは三笘薫選手に絞ります。

 昨シーズン、マッチレビューを書きながら三笘のプレーのデータを取ってきたわけですが、今日はそれをまとめてみます。

 とはいえ、細かくデータを取り始めたのがルヴァンカップ準決勝でのFC東京戦の敗北の後からなので、対象となるのは原則以下の7試合です。

 10/31 FC東京戦
 11/3 コンサドーレ戦
 11/14 アントラーズ戦
 11/18 Fマリノス戦
 11/25 ガンバ戦
 12/12 サガン戦
 12/16 レッズ戦

ドリブル・パス・シュートの選択

 まずは三笘のプレー選択。これは、敵陣でボールを受け取ったときのプレー選択を表しています。コーナーキックからの直接のシュートは含めていません。なお、10月18日のグランパス戦の時は数えてないので、それを除く8試合からになります。
 合計を見てみましょう。出場時間から計算した90分あたりの換算値も書いてあります。

  ドリブル:111(37%)(90分あたり19.9)
  パス:168(56%)(90分あたり30.1)
  シュート:21(7%)(90分あたり3.8)

 これは個別のデータとしてはあまり意味があるものとは思いませんが、8試合の平均値として、2021年のプレーを見る場合に参照するデータとして使えると思っています。

ドリブルが最も多かったのは11/18のFマリノス戦

 個別の試合を見てみましょう。

 この8試合の中で、最も90分あたりのドリブルが多いのが、例のスーパーロングドリブルがあったFマリノス戦が36、次いでレッズ戦が24。それに19.61のアントラーズ戦、19.56のコンサドーレ戦が続きます。

 Fマリノス戦とレッズ戦は勝ちましたが、アントラーズ戦は引き分け、コンサドーレ戦は負けですから、これだけ見ると、三笘のドリブルへの依存度と勝敗とはそんなに関係はないようです。

パスの数が多かったのは12/16のレッズ戦

 パスで見ると、90分あたりのパス数が一番多いのはレッズ戦で53。それにガンバ戦の25が続きます。この3試合はいずれも勝ってますね。

 これを見ると、途中から見られた、ショートパスでディフェンスのマークをずらしてからドリブルで仕掛ける、という攻め方が有効だったことが言えるのかもしれません(サンプル数が多くないので言い切るのにはためらいを感じますが)。

シュートは10/31のFC東京戦

 シュートはそれほど数自体が多くないのですが、一番多いのがFC東京戦の5、それにガンバ戦の4.2、サガン戦の4が続きます。

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ドリブル成功率87%!

 次にドリブルの成功率。
 シュートないしクロスで終わったドリブルが大成功、味方にパスを通せたドリブルが成功、ボールを失ったのが失敗、という評価でカウントしてます。 

 大成功:36(32%)(90分あたり6.5)
 成功:62(55%)(90分あたり11.1)
 失敗:14(13%)(90分あたり2.5)

 大成功と成功を合わせると87%。非常に有効だったことがわかります。

やはり10/18日Fマリノス戦の成功率が高い

 90分あたりに直して大成功が一番多かったのがやはりFマリノス戦で14。それにコンサドーレ戦9.8、レッズ戦7、アントラーズ戦6.9が続きます。

 成功はマリノス戦が22、FC東京戦が18、レッズ戦が13、アントラーズ戦が11.5です。

 この10/18のFマリノス戦の三笘、すさまじい切れでしたからね。


 失敗は一番多かったのがコンサドーレ戦が5.9、次いでレッズ戦が4、ガンバ戦が3.1と続きます。ちなみに上の2つで3位に入っていたアントラーズ戦は1.2で、8試合中7位になります。10/18のFマリノス戦はなんと失敗ゼロです。

 こうしてみると、負けたコンサドーレ戦や引き分けだったアントラーズ戦でのドリブルの成功数が多いですし、ドリブル自体の成否は勝敗にはそれほど関係ないようです。

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 ただ、パスの数にはなんとなく関係があるように思えます。ということで、明日はパスについて細かく見てみようと思います。

(続く)