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昔の上司が本を出版したので、凧を作った話
2022年、12月。
それは、かつての同期からの誘いで始まった。
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凧上げなんて、中学生ぶりである。
年末年始は休暇をとる人も多く、久々の友人たちとのメッセージやりとりで賑わうものだが、凧上げに誘われたのは始めてだった。
小さなお子様がいれば凧上げをするかもしれないが、NO kidsな30代は中々やる機会がなく、普通にテンション上がっていた。
早速、Amazon・楽天で凧を探す
正直、そんなに高いものは買いたくない。
だけど、普通の凧やダサい凧を飛ばしたくもない。子ども向けのキャラクター凧もなんか違う。
1000〜2000円以内がギリギリのラインだ。
そういった条件を踏まえ、無事に2メートルの可愛らしい鯨の凧を注文した。
なんと、蛸の凧も1匹ついてくる🐙
こうして、あとは本番を迎えるだけだった2日前。凧上げグループにメッセージが来た。
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それは、かつてお世話になった元上司(以下、Aさん)も凧上げに来るかもしれない、という吉報だった。
Aさんと言えば、最近、本を出版したらしい。
私は11年前に面接でAさんと出会い、内定者バイトとして働く中で直属の上司としてもお世話になり、その後も数年間、同じチームで仕事をした。
ゆくゆくは、別の会社で働く事になったけど、facebookや共通の知り合いを通じて、Aさんの噂を耳にすることはあった。
そんなご活躍のAさんが、ついに書籍を販売した。普通に凧を飛ばしてる場合ではない。
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こうして、Aさんを祝す凧をつくるミニミニプロジェクトが、本番2日前の夜にキックオフした。
いざ、カインズ。材料を買う
プロジェクトというのは、アイディアに賛同してアレコレ意見を言ってくれる人と、やりたい気持ちが強いリーダーがいれば、何とかなるものである。
今回もあっという間に色んなアイディアが出て、なぜか異様に凧作りモチベーションが高まった私は、カインズへ走っていた。
今回、参考にした凧レシピはこちら。
https://www.city.toda.saitama.jp/uploaded/attachment/43291.pdf
他にもいくつかのパターンを調べつつ、飛びやすい紙があればなんとかなるだろうと思っていた。
それよりも何よりも、本当にAさんは来るだろうか?
Aさんとは、数年前にオンラインで話したのが最後だ。10年以上も前に数年絡んだくらいの目下の同僚たちに、久々に凧上げに誘われるってどんな気持ち?
さすがに、来てくれないのではないか?と不安になる私たち。
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大きい凧を作るしかない
来て欲しい…。でも、きっと来ないだろう。だけど、来てくれたらどうしよう?
しょぼい凧なんか作れない。そもそも久しぶりに会うし、大きい凧を上げないと、待ち合わせ場所で見つけてもらえないのでは?
そんなことが頭をよぎり、元々A3サイズで作ろうとしていた凧を障子サイズに変更した。
カインズとSeriaで調達したのは以下。
・障子紙
・筆
・墨汁
・凧糸
・ストロー(竹籤の代用)
完成した凧はこちら。
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結構、でかい。
凧足は三倍の長さをつけると凧が安定すると聞き、障子の三倍の長さでつけた。長い。
本番当日、遂に凧上げ🪁
場所は新丸子。晴天。風速3メートル。
凧上げにしては風が弱すぎるが、とってもいいお天気!(5メートルが最適らしい。)
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若干どうでも良くなっていた鯨の凧も上げた。
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普通に可愛い。しかし、鯨凧は今回の目玉ではなくなっていたので、写真がこれしかない。
続々と凧を上げ始めるプロジェクトメンバー。
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しばし凧上げ鑑賞を楽しみつつ、私も凧上げにトライ。
風がそんなに吹いていないのに何度も飛びそうになる凧の両端を押さえながら、メンテナンスして、空に舞い上げる準備にとりかかる。
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と、思ったのだけど…………
飛ばない。なんどやっても飛ばない。何度走っても、飛ばない。
もはや障子がクシャッとまるまって、飛ばない。このままでは凧がやぶけてしまう😭
なぜだ?何がいけないのだ???
正直、凧上げをなめていた。
何本か走って疲れたし、私はここら辺でもう凧上げとかいいかな…いい大人だし…などと空を見上げ黄昏れながら諦めようとしていた矢先、
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Aさん、現わる
なんか、見覚えある影が目の前に来た…。あれ、凧と同じ顔してる?
オオオオオオオオオオオオオオタニサン!
Aさん現わる!
出会って数秒で雑談もなく、凧への感想もなく、私の凧を上げようとするAさん!
キターーー本物ーーーー!
似顔絵を描いた者としては、本物が来ると感慨深かった。正直、今まで描いた顔の中で一番難しかった。
飛ばない凧
物が悪いと誰がやってもダメなものはダメで、凧は飛ばなかった。
後ろに貼り付けたストローが機能せず、風を上手く拾ってくれないので、飛ばないのだ。
一瞬、飛んだように思ったシーンもあったが、何度も叩きつけられる凧…。焦る私。
「なんだかな〜。これで飛ばないと、俺が悪いみたいじゃない?」
いや、決してそんな事ないのだが。
無駄口も叩かず、黙々と凧の修繕にとりかかるAさん。
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飛ばすことを諦めていたが、飛ぶまでやらなきゃダメだろという空気感になり、黙々とトライ&エラーを繰り返す。(Aさんが)
全然飛ばない
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途中で知らない人に
「自分で凧つくったの?偉いねぇ?」
と褒められ、ちょっと嬉しかった。
だけど、全然飛ばない凧。凹む。
全ては私の設計ミスです。
もう、凧上げとかやめてお茶しません?なんて、言える空気でもない。
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途中、修繕用に持ってきたテープが無くなってしまったので、これで凧上げも終わりか〜と思ったが、諦めないAさん。
「ちょっとテープ買ってくる」
えええ!どこに!えええ!
気づいたらもう10メートル先を歩いているAさん。慌てて鞄の中をひっくりかえし、辛うじて両面テープを見つけ、走って追いかけAさんに渡す。
どんな状況でも、最後まで諦めない気持ちって大事なんだなぁという事を、安西先生ばりに見せつけられる。
その後も黙々と修繕作業は続き、
ついに、飛んだ!
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ついにこの瞬間がきた!
飛んだ!確実に舞い上がっている!
この時点で私の凧上げ意欲はゼロになっていたものの、なんとか写真や動画だけでも撮影しなければ、という気持ちに駆られていた。
ちゃんと飛んでいる数を10秒以上カウントし、私や他の人が飛ばしても飛ばせることを確認し、凧上げプロジェクトは無事に幕を閉じた。
この後、みんなでご飯でもどうですか?
という流れになったが、Aさんは、
「じゃ、帰るね。ちゃんとレビューしてね。」
と言って、颯爽と去っていった。
もはや、凧職人の後ろ姿であった。
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振り返り(反省レビュー)
●なぜ飛ばなかったか
①障子サイズに対し、支柱代わりのストローが足りず、軽すぎた。
②柔軟性を高めるためにストローにしたものの、短いストローを繋ぎ合わせながら作ったので、風をうまく流せなかった(長く一本で通す棒の方が良さそう)
③障子サイズの凧を飛ばすには、風が足りなかった
●改善したこと
①ストローをひたすら追加で貼り合わせ補強。支柱も追加。
②ストローを、紐やテープで連結させる。
③とにかく走る
●Good & More
・結構、上手く描けた
・低コスト(1000円以下、3時間以内)で完成
・喜んでもらえた(やや不安)
・修繕が必要だった
・次回は紙のサイズに応じて骨組みを強化したい
参考:
完
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こんなプロジェクトにもお付き合いしてくれる優しいAさんの書籍が、Amazonにて好評発売中です。
ご興味ある方、是非、購入してみてください!
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来年も凧上げが見たい、という稀有な方がいましたら、noteに投げ銭してくださると嬉しいです。
そしたらきっと、来年はもっと大きな凧を作ります。
by めでたい🪁上げプロジェクト2023🐰
to be continued...
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