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レノファ山口ユース 真夏の躍進 〜2022クラブユース選手権 グループステージ編〜


7月の終わりに開催されたクラブユース選手権。レノファ山口U-18も中国予選を勝ち上がり見事出場を果たした。YouTubeで試合映像を見ただけであるが、せっかく観戦したので感想を書き残しておこうと思う。

vs大宮U-18

初戦の相手は大宮アルディージャU-18。今季はプレミアリーグEastで戦っている強豪チームである。カテゴリーを比べるとプレミアリーグvs県リーグという構図であり、苦戦が予想された。

試合は選手個々人の体格で上回る大宮が押し込む展開となっていたように思う。互いに大会の初戦であることやピッチコンディションの影響によって思うようにプレーができていなかったが、長いボールのこぼれ球に対する競り合いなど1つ1つのプレーで少しずつ大宮が上回っていた。

その中でセットプレーから高さを生かして大宮が決定機を何度か作り出した。山口からすればポストに救われるシーンもあった。

山口はカウンターからゴールを目指す形に。前線の上村くんと末永くんを経由することで前進する形を作ることができていた。

前半27分、右CBの隅野くんがボールを受けると背後に走った上村くんへ見事なロングパスが通る。抜け出した上村くんは冷静にキーパーとの駆け引きに勝ちゴールを奪った。やや押し込まれていた山口がワンチャンスをものにし先制した。

その後もセットプレーからヒヤリとするシーンは作られたものの、1-0で前半は終了となった。

後半も試合全体の流れは変わらず大宮がセットプレーを中心に山口ゴールに迫る展開。それでも山口の選手たちが粘り強く球際で戦い、大宮の選手たちに簡単にプレーをさせていなかった。

特に前線の末永くんが巧みな身のこなしとキープ力で時間を作り、ファウルをもらいチームを助けるプレーをしていたのが印象的だった。

うまく時間を消化していく山口。飲水タイム明けは自分たちの思うようにプレーできるようになっていった。

すると67分、クリアボールに反応した石﨑くんが、大宮DFの処理がうまくいかなかった隙を見逃さずゴールを奪った。

終了間際の大きな追加点。残り時間で大宮の反撃を受けるも、キーパーの吉本くんを中心に何とかピンチを防いでいく。この時間の吉本くんのシュートストップ、そしてハイボールの処理は本当に素晴らしかった。

そして、試合終了。山口が2-0で勝利。苦しい試合だったとは思うが、一人一人が臆せずによく戦い素晴らしい試合だった。


vs京都U-18

2戦目の相手は京都サンガU-18。プリンスリーグ関西所属のこちらもカテゴリーが上のチームだ。互いに初戦を勝利で迎えた一戦。勝った方は予選突破に大きく近づく試合だ。

試合は序盤から互角の展開。京都は左サイドからの突破から、山口は中盤の競り合いや長いボールを起点に背後への飛び出しでチャンスを作っていた。

京都の左サイドの突破は隅野くんのカバーによって防ぐことができていた。山口の攻撃で印象的だったのは原田くんと新澤くんだった。原田くんはボールを奪った後、素早いターンから前線の動きを逃さずパスを供給し、新澤くんは出し手がボールを止めたタイミングでの飛び出しが見事で、この二人の関係から2度ほど際どいチャンスシーンを作り出した。

互いにハイプレスに苦しみ、なかなか意図通りの展開にならない中、飲水タイム明け以降は山口が敵陣でのボール奪取から相手を押し込み、試合を優位に進めていった。

右からのクロスに新澤くんがヘディングで合わせるシーンや上村くんのドリブル突破など、右を崩して左で仕留める形が多かった。

前半はそのままスコアレスで終了。試合展開としては互角の勝負だったように見えた。

そして、後半開始早々、山口が先制点を奪う。スコアラーは前半から多くのチャンスに絡んでいた新澤くんだった。

時間にして36分、山口が長いボールの競り合いを制し、新澤くんの元にボールが渡ると、そのままドリブルを開始。ドリブルの流れの中からシュートを放つと見事にゴールに吸い込まれていった。

後半立ち上がり早々の得点となり、試合に大きなインパクトを与えるプレーだった。

ただ、京都も反撃を見せ自分たちのスローインや山口陣内でのボール奪取からチャンスを作った。ここでも立ちはだかったのは隅野くん。ギリギリでのタックルでコーナーに逃れるなど、際どいシーンでの対応が素晴らしかった。

危ないシーンを防いだ山口は46分、中盤で末永くんがボールを奪うと上村くんとのパス交換で時間を作り、右SBの角くんの駆け上がりを促す。フリーで駆け上がった角くんのクロスから新澤くんがヘディングで合わせ追加点を挙げる。

この得点は守→攻の切り替えで相手を上回り、完璧な崩しから奪ったものだった。

前日に続いて2-0のリードを奪ったが、この日はこのまま逃げ切ることができなかった。京都は2分後に右サイドのスローインからペナルティエリア内に進入すると、熊谷くんが強烈なシュートを放ち1点を返す。その後も攻勢を強める京都だったが、山口もゴール前で体を張りゴールは許さなかった。

しかし、終了間際の70分、左サイドからのフリーキックに喜多くんがフリーで合わせ京都が同点に追いついた。

長いアディショナルタイムでは山口もチャンスを作ったものの、2-2のドローという結果になった。

山口としては2-0から追いつかれてドローという悔しい結果となったものの、内容では京都と十分に渡り合い、強さを見せた試合だったのではないだろうか。


vs新潟U-18

1日空いて3戦目の相手はアルビレックス新潟U-18。このチームもプリンスリーグ北信越に所属するカテゴリーが上のチームである。新潟は京都大宮にそれぞれ敗戦となり、グループリーグ突破の可能性は消滅している状況だった。一方の山口は引き分け以上で自力での突破が決まる状況での試合となった。

試合は立ち上がりから山口が新潟を圧倒する展開となった。この日は末永くんが右サイドに張り、上村くんが中央でプレーする形を取っていたが、自陣右サイドから中盤の原田くんや岡田くんを経由し、末永くんにボールを渡すことで、多くのチャンスを生み出すことに成功していた。

また右からのクロス以外にも原田くんのスルーパスや藤井くんのドリブル突破からも決定機を生み出しており、右から左から真ん中からゴールに迫ることができていた。

ただ、前半は新潟ディフェンス陣もゴール前で何とか踏ん張ることができており、スコアレスで折り返すこととなった。

後半立ち上がりは新潟が山口をやや押し込む展開に。前半終了間際からの流れが継続される形で、新潟ペースの時間だったと言える。

その中で右サイドで末永くんがファウルを受けたところのセットプレーから、こぼれ球を佐々木くんが右足でネットに突き刺し山口が先制。若干ながら新潟の流れだった中で大きな先制点となった。

先制点を奪った後は山口が敵陣でのボール奪取から何度かチャンスを作る流れに。

57分、新潟のスローインから自陣でボールを奪取すると、山口がショートカウンターを発動。左サイドの新澤くんからフリーで走る大宮くんにパスが通ると、大宮くんがシュートを決め、山口が追加点を挙げた。

その後も山口が優勢に試合を進めていった。67分、大宮くんが相手DFの処理がうまくいかなかった隙をつき、この日の2点目を挙げて勝負あり。

新潟が最後にこの日最大の決定機を作るも、シュートはクロスバーに阻まれてしまい、3-0で山口の勝利となった。

新潟戦は多くの時間で山口が優勢に試合を進め、内容スコアともに改心のゲームだったと言える。

これでグループステージは2勝1分で堂々の首位通過となった。


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