プレゼンテーション2

“引き出し”でミッションコンプリートを目指す 〜2020年J2予習 「大宮アルディージャ」編〜

あと3チームのところまで来ました。本日は大宮アルディージャを予習します。昨シーズンはプレーオフで敗退し、昇格を逃したわけですが、今年こそ目標達成なるのでしょうか。早速見ていきましょう!


大宮アルディージャの基本情報と移籍まとめ

「大宮アルディージャの基本情報」

昨シーズンの成績 リーグ戦3位(20勝15分7敗勝点75 得点62失点40)
今シーズンの山口との対戦
第20節 6月14日(日) 19:00 in NACK5スタジアム大宮 
第41節 11月15日(日) 未定 in維新みらいふスタジアム
監督・・・高木琢也(2019〜)


「移籍情報まとめ」

今回もFootball-LABさんのサイト(https://www.football-lab.jp/omiy/transfer/)より画像をキャプチャしております。

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こちらが退団選手です。それなりに数は多いと思います。ある程度試合に出場していた選手も多く退団しているような印象です。昨シーズンの主力中の主力は、40試合に出場し13ゴールを挙げたフアンマデルガドと37試合2887分に出場した茨田の2人、夏に加入し18試合でスタメンフル出場を果たした櫛引ぐらいでしょうか。そして、継続して試合に絡んでいたと言えそうな選手は、奥井、菊地、大前、バブンスキー、シモビッチあたりだと思います(26試合以上かつ1000分以上出場の選手)。
付け加えることがあるとすれば、長年大宮で活躍をし続けた金澤の引退も大きなトピックの1つかもしれません。

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こちらが新加入選手です。退団選手に比べると、少ない感じも受けますが、1人1人の頼もしさを感じます。注目点はかなり多いですが、まず黒川の復帰が大きなトピックでしょう。長谷部監督の下、2年間で67試合に出場し10ゴールを挙げました。昨シーズンは39試合に出場し水戸の躍進を支えました。水戸での2年間を経て満を持しての復帰となります。2018年の水戸を少しばかり追っていた私からすれば、先に水戸から復帰した小島とともに、大宮での大爆発を期待したいです。
そして、目玉は3名の新外国籍選手でしょうか。東欧からの3選手の活躍にかかっている部分は大きいと思います。もちろん、大宮は日本人選手のレベルも高くその選手たちだけで十分に戦っていけると思いますが、目標達成のためにはその活躍は欠かせないでしょう。昨シーズンの結果と高木監督のコメントから想像するに、ハスキッチが得点を量産できるかが特に大事になってくるかもしれません。
最後に、注目したいのが翁長聖です。高木監督の申し子とも言える選手で長崎時代にはルーキーイヤーから起用され昇格に貢献し、J1の舞台でも活躍を見せました。昨シーズンは、手倉森監督の下で出場機会が今までよりも少なくなりました。再び高木監督とともに戦う今シーズンは、より一層の活躍に期待です。

全体的に見れば、高木監督色が強くなったような印象を受けます。そして、新外国籍選手の活躍にかかるところも大きそうなオフシーズンの動きになったのではないでしょうか。


今季の大宮アルディージャの注目ポイント

チームとしての引き出しの増やし方
②新たなスタッフの加入による影響


①チームとしての引き出しの増やし方

移籍情報まとめのところで、昨シーズンの出場試合数や出場時間を調べていた時に気づいたことがあります。それは、他のチームに比べて1年を通して試合に出続けていた選手が少ないということです。各チームの正確な数字を調べてから書くべきであることは認識しているのですが、そこまでのリソースを割く余裕が今の自分にはないので、申し訳ありませんが印象で書かせていただきます。

昨シーズンの大宮で言えば、3000分以上出場した選手は河面石川の2人のみであり、40試合以上に出場したのはこの2人とフアンマの3人です。次点で2887分出場の茨田となるでしょう。1年を通して試合に出続けた主力選手は、この4人ぐらいなのではないでしょうか。

30試合以上出場には、途中出場が多かった大前がこの4人に加わるだけですし、夏に加入したイッペイと櫛引を試合に出続けた主力としてカウントしても、私の印象はそれほど見当違いではないと思います。逆に言えば、20試合代の選手が他のチームに比べて多いということだと思います。

ここから高木監督の戦略を伺うことができるかもしれません。それは、メンバーを固定しすぎずに、選手の調子や相手のサッカーとの相性を考えながら臨機応変にメンバーを起用することで変化をもたらしていくというものです。長いシーズンを、数多くの選手を起用しながら調子の波をできるだけ少なくして戦っていきたいという思いかもしれません。これは、大宮のチーム規模の大きさがなせる業だと思いますし、その選手層の厚さがJ2の中ではストロングポイントだと思います。

「相手に応じた」という単語が頻繁に登場する今年のJ2においても、選手を入れ替えることによって変化を生み出せる点は強みだと言えます。

ただ、選手を多く起用するということは絶対的な軸がいないということを意味し、弱みであると捉えられるかもしれません。つまり、魔境J2で2位以内に入るためには選手の入れ替えによる変化だけではなく絶対的な軸も必要だったり、他の方法で変化を生み出す必要もあったりするのではないでしょうか。

そして、今年のシーズンを戦うにあたって高木監督のコメントを見ると、戦術面での変化の練度を高めようとする思いが感じられました。それは、3バックと4バックの併用です。

Football-LABによれば、昨シーズンは4バックで臨んだ試合は一度のみで後は3バックで臨んでいるようです。footballistaのインタビュー記事(https://www.footballista.jp/interview/78812)では4バックとの併用にチャレンジしていく旨が語られています。

今季の大宮のサッカーでは、このシステムの併用がうまくいくのかという点に注目するのが良いのではないかと思いました。


②新たなスタッフの加入による影響

新体制発表会で高木監督が言及していましたが、スタッフが変わった点も個人的には注目したいと思います。特に2人の新しいコーチ、北嶋秀朗コーチと松本拓也コーチの影響です。北嶋コーチはストライカーとして活躍した実績を持ち、熊本で長い間コーチを行っていた経験も持っています。高木監督は、得点が取り切れずに引き分けが多くなってしまった点を昨シーズンの課題と感じているようです。その課題を解決するために呼ばれた部分もあるでしょうから、どのような影響をもたらすのかに注目です。

そして、GKコーチの松本拓也コーチです。この方の影響が大宮のトップチームでどのように表れるのかを非常に楽しみにしています。長年柏でアカデミーからトップチームまで指導経験を持ち、選手を発掘するところから選手の指導に至るまで具体的な理論を持っている方だという印象を持っています。ドイツでのプレーや留学の経験から日本においての理論と実践の方法を知っている人だと思います。

彼の指導がどのような影響を大宮のキーパーにもたらすのかが非常に楽しみです。もちろん、新外国籍選手もやってきていますから誰が正GKになるか分かりませんが、ポジショニングがどうなるのかなどに注目して大宮の試合は観たいと思っています。


今季の大宮の注目選手

先ほどの話の流れから察しがつくかもしれませんが、今季の大宮ではゴールキーパーに注目したいと思っています。ですから、笠原昴史とさせてください。昨シーズンの大宮で最も出場機会の多かったゴールキーパーです。シーズンの最初と最後でゴールマウスを守り、27試合に出場しました。今季は新外国籍選手のクリャイッチも加わり、正ゴールキーパー争いはより一層厳しくなるかもしれません。

そんな中で試合に出場する機会を勝ち取った時に、彼がどのようなプレーを披露するのかという点に注目したいです。新しいGKコーチの指導がどのように表れるのかが本当に楽しみです。


まとめ

J2降格から3年目、高木体制2年目の2020シーズンは、勝負の年となります。他のチームも本気で昇格を目指していることをひしひしと感じますが、大宮からもその思いを感じます。昇格争いに絡んでこないことは想像しにくいですが、目標達成のためのチャレンジがどのようにピッチで表現されるのかという点に注目してみていく必要があると思います。それが上手くかどうかで、最高の結末に辿り着けるか否かが決まってくるのではないでしょうか。


*文中敬称略
*画像はFootball-LAB(https://www.football-lab.jp/omiy/transfer/)のサイト内の物を使用しています。

*このnoteを書く上で参考にした記事はこちらです。


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