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22年前半のレノファとハイラインと諸々 【フォア日記13】

相当お久しぶりになってしまいましたが、少しのやる気と時間が出てきたので、今シーズンのレノファのここまでを振り返りたいと思います。

早いもので岡山戦で前半戦の日程を消化。6勝6分9敗勝点24で17位でした。今シーズンのJ2は序盤横浜FCが首位に立ちリーグを引っ張っていました。ただそこに新潟と仙台が追随する形となり、この3チームで上位集団を形成しています。前半戦の首位は新潟でした。

後続の集団は団子状態となっており、1試合ごとの順位変動が大変激しくなっています。山口もプレーオフ圏内の6位である長崎とは勝点差が7となっています。逆に降格圏の21位岩手とは勝点差が5というポジションです。


ここまでのチームの印象と強み

ここまでの山口の戦いぶりについては、よく戦っているなという印象を持っています。シーズン開幕直前の記事で書いた通り、今シーズンの山口の立ち位置がこの辺りと考えていたこと、そして開幕直前とシーズン中に何度もコロナの影響を受けたことを踏まえると妥当なところではないかと思います。

もちろん、上を目指すことを考えれば簡単に受け入れて良い成績ではありませんし、自分自身も勝ち試合が見たいですが、冷静に考えると悪くない前半戦だったと思います。

今シーズンの山口をパッと見た強みはやはり左サイドになるのかなと思います。WG沼田、IH田中渉、SB橋本のトライアングルに左利きCBのヘナンが後方に控える形は試合を作る上で重要になっています。沼田はここまでチームトップの5ゴールを挙げています。

それから経験豊富な選手たちもチームを支えてくれています。佐藤謙介、渡部、関に加えてここ最近は山瀬もスタメンの機会が増えていますし、ベンチに控える佐藤健太郎の存在も非常に大きいです。途中怪我で離脱してしまったものの大槻もFW事情が厳しいチームの中で大事な選手です。


特徴的なハイライン

戦い方の特徴としてはハイラインが真っ先に挙げられるでしょう。前へというワードがキーワードになるチームですからそれを表現するための手段としてのハイラインだと思います。背後に走る選手については基本的にはオフサイドにかけることで無力化を狙い、掻い潜られた際には関の機動力を生かして何とかするというシーンが多いです。

このハイラインはかなり特徴的であると感じているのですが、意図的にそこを狙って攻略してやろうというチームはそこまで多くない印象です。甲府戦の1失点目(町田戦の1失点目とかもそうですかね…)のようにやられる場面もありますが、試合を通してどうにもならない感を受けた試合はあまりありません。自分が覚えていないだけかもしれませんが

それよりも相手が山口のハイラインを意識してるなという場面の方が多い気がします。

特に現地観戦で目の前でその攻防を観ることができた横浜FC戦はそれを強く感じました。横浜の小川航基やイサカ、サウロミネイロなどが何度も背後を走る動きを見せますが、出し手がオフサイドを気にして出せないシーンがかなりあったように思います。左SBの武田も幾度となくランニングを見せていましたがうまく攻略したのは1度だけだったような気がします。

このように山口がハイラインであることはJ2の中でかなり浸透していて対戦相手に意識をさせられているのではないでしょうか。


ハイラインに対する攻略のヒント?

一方、直近の試合で気になることは対戦相手がディフェンスラインの手前のスペースを攻略しにきているように見える点です。背後一発がなかなか難しいので、まず手前を自由に使えるようにしてから背後を取りにいこうとする意図なのでしょうか。

これは山口のプレスのかけ方がシーズン序盤から変化している部分も関わっていると思っています。シーズン序盤は3トップが高い位置を取りWGが外切りのプレスをかける形がありました。前3枚、中盤3枚、最終ライン4枚で守る形です。

ですが、最近はWGには相手のSBをある程度意識させ下がることも許容し、代わりにIHが1枚前に出ていく4-4-2をベースとした守り方になっています。自分の記憶では5月半ばが過ぎた辺りからはもう後者の守り方になっていました。

直近の試合では右IHの山瀬が前に出ていくことが多く、その後ろのスペースを田中渉と佐藤謙介がカバーする形が多いです。その中で攻守の切り替えも含めて佐藤謙介の右側のスペースを使われて前を向かれたり、佐藤謙介を右側に引っ張り出されて左サイドを使われたりする形があります。

群馬戦では加藤、岡山戦ではムークがそこのスペースをかなり意識していましたし、実際左CBからの作りの中で何度かボールをつけられるシーンがありました。

背後のスペースがあるように見えて一発で裏を取るのが簡単ではない山口に対して、上記のような現象を踏まえて対戦相手がどのような策を講じてくるのか、それに対して山口がどのように対応するのかが、私的後半戦の注目ポイントです。


後半戦の注目選手

最後に後半戦の注目選手を一人挙げておきましょう。それは吉岡です。といってもシーズン開幕当初からずっと変わらず期待をしているのですが。

推しポイントとしては、プレーが止まらないことです。攻守に渡って次の展開を常に予測し足を止めずにプレーをし続ける姿は地味かもしれませんが、かなり印象に残っています。トランジションの局面において相手のスピードアップを阻止したり、こぼれ球を拾ったりチームにとって大きなプレーをしてくれる選手です。

ただ試合を決めるような活躍はまだできておらずプレー機会が少しずつ少なくなっています。ですが、彼がチームを救う時がやってくると信じています。

後半戦こそ現地でレノファの勝利が見られることを願って応援を続けたいと思います。


*文中敬称略

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