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外弁慶は崩れるか 〜J2リーグ第40節 FC町田ゼルビア vs レノファ山口FC プレビュー〜

J2リーグ第40節 FC町田ゼルビア vs レノファ山口FCのプレビューです。

前節の振り返りはこちらです。


対戦成績

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2015年にJ3でも顔を合わせている両者はここまで10試合の対戦があります。対戦成績は5勝5敗の五分となっています。2008年の地決での対戦を含めれば町田の6勝5敗となりますが,ほぼ互角の対戦成績といって良いでしょう。

ただ,上の画像を見てもらうとかなりはっきりした傾向が読み取れると思います(小さくてごめんなさい)。それはアウェイチームの圧倒的な強さです。ここまでリーグ戦で10試合してアウェイチームが8勝しているのです。町田がホームで山口に勝ったのは初対戦時の1勝のみでホームでは現在4連敗中です。山口もホームでは1勝しかしておらず,その1勝は今年の試合で挙げたものです。それまでは4連敗中でした。

アウェイチームが強いという傾向が出ているこのカード,今回は山口のアウェイ戦となります。データ通りに山口が勝利を挙げることになるのか,それとも前回の対戦でホームの山口が勝ったことでその流れが崩れ,町田が勝利を挙げることになるのでしょうか。


町田ゼルビアの現状とあれこれ

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町田は現在7勝16分16敗勝ち点3719位に位置しています。前節栃木が勝利したことで降格圏の21位とは勝ち点差が4となっています。そんな町田の直近5試合の成績は3分2敗です。後述もしますがチームとしてはなかなか勝利を挙げられない厳しい状況です。しかし,直近5試合での3つの引き分けで得た勝ち点3というのは非常に大きな意味を持っていると思います。引き続き勝ち点を1ずつでも積み上げることが重要な現在の状況であると言えるでしょう。

夏の移籍では3名の加入と1名の放出がありました。
放出の方では期限付き加入だった山田将之がFC東京に復帰しました(その後福岡に再レンタル)。加入の方では神戸から小林友希が期限付きで加入しました。CBとして12試合に出場する町田に欠かせない戦力です。そして昨シーズンのJ2アシスト王の平戸太貴が鹿島から完全移籍で再加入しました。平戸に祈り続けた皆が報われた瞬間だったのでしょう。また,林陵平も東京Vから期限付きで加入しています。

そんな町田の数字を3つ紹介します。

1.ホームを守れ!〜後半戦及びホーム戦の成績〜
2.先制点を奪え!〜先制時の成績〜
3.深津の出場停止で期待のかかる藤井航大

まずは後半戦並びにホームでの成績です。
町田は今シーズン7勝16分16敗という成績ですが,後半戦だけ言えば1勝9分8敗勝ち点12にとどまっています。後半戦だけの成績で言えばリーグ最下位となっており後半戦で勝ち点を積み上げられていないことが残留争いを続けていることにつながっていると思います。またホームでの成績も2勝11分6敗勝ち点17で福岡と並びリーグ最下位となっています。ホームで最後に勝ったのは3月30日に行われた愛媛戦が最後です

町田の残り3試合はホームで2試合,アウェイで1試合です。ホームで2試合あるというのは今年の成績だけでいえばプラスに働くとは言えません。しかし,ホームは守らなければなりません。ホームの後押しを力に変えて残留を成し遂げたいところです。

2つ目の数字は先制時の成績です。チームがこの順位だとどうしても厳しい数字が多くなるのですが,先制した試合の成績は残留に向けてプラスになると思います。町田が今シーズン先制点を奪った試合は12試合あります。この数字自体は良い数字ではないのですが,先制時の成績は7勝5分と負けがありません。先制した試合数が違うので一概には言えませんが,逆転負けを喫していないのはリーグで横浜と京都と町田の3チームだけです。残留へは勝ち点1が大きな意味を持ちますから先制すれば確実に勝ち点を獲得できているという数字は大きなプラスです。残り3試合,先制点の行方はより大きな意味を持つはずですからそこには注目です。

最後に数字から見たこの試合の注目選手の紹介です。町田は今節累積警告での出場停止でCBの深津を欠くこととなります。ですから当然代わりに入る選手が注目になるのですが,その筆頭に挙げたい選手が藤井航大です。藤井は今シーズンのリーグ戦19試合に出場しています(うち17試合で先発出場)。藤井が出場時のチームの平均失点が1.15でチーム最少,また彼がスタメン出場時の成績は5勝6分6敗と平均獲得勝ち点が1.15でチームトップとなっています。

藤井が出場時はチームとして良い結果が残せているという数字になっています。酒井が出場する可能性もあると思いますが,数字的に見るとここは藤井に託したいところかもしれません。誰がスタメン起用されるのかに注目が集まります。


レノファ山口の現状とあれこれ

レノファまち

山口は前節琉球に敗れ13勝8分18敗勝ち点4714位となっています。前節の敗戦でリーグ戦の負けなしが5試合で,そしてホーム戦の連勝が4でストップしました。今回の町田戦は仕切り直しの1戦となります。

山口の数字を2つ紹介します。

1.飛び切り相性の良い11月のアウェイ戦
2.今年最後の関東アウェイ戦にあたって

まずは前節の琉球戦のプレビューで書いたものの続きになります。琉球戦のプレビューでは「山口はJリーグに参入して以降11月のホーム戦で勝ったことがない」という数字を紹介しました。しかし,11月をトータルで見るとその成績は6勝5分4敗と勝ち越しているのです。これはどういうことなのか・・。それは11月のアウェイ戦は相性が良いということです。

11月のアウェイ戦はJリーグ参入以降6勝2分1敗と大きく勝ち越しています。J2だけでも5勝1分1敗の好成績です。さらに現在11月のアウェイ戦は5連勝中となぜか分かりませんが飛び切り相性が良いです。昨シーズンは岡山と新潟にアウェイで勝ってシーズンを終えました。今年も11月は2試合アウェイ戦があります。11月のアウェイ戦の相性の良さは今年も継続されるのでしょうか。

そして2つ目の数字の紹介です。9月のヴェルディ戦以来の関東アウェイということで関東アウェイ戦の成績を復習しておきましょう。今年の関東アウェイの成績(すみませんが甲府は入れていません)は2勝5敗で現在5連敗中となっています。昨シーズンは3勝2分2敗とほぼ五分の成績だったのですが今年は大きく負け越してしまっています。

今年のアウェイ柏戦の際に「柏でよりみちアディショナルタイムズ」というフリーペーパーに私が関東アウェイでの成績について書いたのですが,そこを境に潮目が完全に変わってしまいました(アディショナルタイムズの記事は栃木戦の前後で書いたのでそこまではめちゃ相性良かったんですよ・・)。アディショナルタイムズが手元にある人は是非確認してみてください笑。

今年最後の関東アウェイ,私のためにもなんとか勝って締めくくって欲しいところですね!!


展開予想

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こちらが私の予想スタメンとなります。
山口は出場停止明けの佐藤健太郎が復帰しとのダブルボランチが復活すると予想します。その他は前節と変わらないと思います。古巣対戦の吉濱はベンチから出場を伺うことになるでしょう。
町田は出場停止の深津に代わり,注目選手にも挙げた藤井の出場を予想します。そして前節前半で交代となった山内のところに富樫敬真のスタメンを予想してみました。それから右SBの佐野のところには大谷が入ることもあるかもしれません。

町田の前節は愛媛とのアウェイ戦でした。結果は0-2で敗戦でしたが評価の難しい試合だったと思います。守備では前線からのプレスでボールを敵陣で奪うシーンが特に試合の立ち上がりは何度もありました。しかし,プレスが弱まった後のブロックを作る守備では4-4-2の間を取られることも多く,私の中の町田のイメージからはらしくないという印象でした。特に愛媛の先制点のシーンは2トップの間,SHとCHの間にパスを通され,最終的に大外からのクロスで失点というものでありました。

そして,攻撃も敵陣でボールを奪うことが多かった割には決定機の数が少なく,また決定機もセットプレーでのものがほとんどであり町田の苦しい状況が読み取れました。全体的に言えば苦しい状況が伝わってくるのですが敵陣でボールを奪えている点があり,そこが難しい評価だと述べた部分になります。

山口としては今まで通りサイドを広く使うことを意識することになると思います。システムは異なりますが愛媛も両WBでサイドを広く使って攻撃していました。

ですから,試合のポイントは山口がサイドを広く使えているのか,それとも町田がピッチを狭くしてサッカーができているのかという点になるのでしょう。ピッチの使い方に注目してみるとどちらが試合を優勢に試合を進めているかがわかるかもしれません。

ただ,愛媛戦を見る限り町田はSBが大外で高い位置を取りCBもペナルティエリアぐらいの幅を取ってビルドアップをしていました。サイドを変えることもありこれまでのような圧縮からの同サイドアタックが薄まっているような印象を受けました。それでも面影は残っていて,それは攻撃の最終局面で見られることが多かったです。相手のペナルティエリアの近くでは味方の選手が集まり同サイドからの攻略を目指していたように見えました。

ですから,この試合では「町田のイメージ」を持ちすぎることなく目の前の相手に対して普通に対応することが重要になるかもしれません。そんなことを頭に入れつつ試合を観てみたいと思います。


*文中敬称略

*データは以下のサイトのものを参考にしています。
 Football-LAB (http://www.football-lab.jp/kyot/preview/)
 Soccer D.B.(https://soccer-db.net)
 J.League Data Site (https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
 transfermarket(https://www.transfermarkt.com)


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