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ロンドン大学 演劇学部 2年生1学期

2年生の1学期が終わりました。9月始まり6月終わりなんで、あと半年で2年目が終わると思うとビックリします。今学期の授業で取り上げられた日本人は、鈴木忠志さんと、蜷川幸雄さんのお二人でした。鈴木忠志さんは、ヨーロッパ演劇の文脈に組み込まれているので、アジア全土の演劇人の中でも登場する数が一番です。写真は、バスの電光掲示板が壊れてた時のです。

今学期の授業

今学期は、「演劇史」「演技ワークショップ」「モダニズム」の3科目でした。「演技ワークショップ」は、下から二つ選択します。僕は、「セルフ」「演出」を選びました。

①セルフ / Self 
 自分のアイデンティティーを、演技に使う。
②演出/ Direction
 演出について。
③キャラクター / Character
 役作りについて。
④アクティング / Acting
 演技全般について。本番以外の時間の過ごし方とか。
⑤タイム / Time
 「時間とパフォーマンス」について。例えば、昔の事を思い出しながら話すのと、今の事を話すのは、色々違うよねって話とか。
⑥サイト / Site
 劇場以外の場所で演劇をする事について。
⑦コミュニティー / Community
 応用演劇について。
⑧イメージ / Image
 ミザンスとか舞台美術とか、見せ方に特化した授業。

= セルフ / Self =
人種、見た目、生い立ちとかが、作品にどう影響するか。今まで、人種の事を深く考える機会がなかったから刺激的だった。ヨーロッパでの「人種とメディア」の関係は、日本で言うと「芸人とメディア」の関係だと思う。日本では、ドラマや映画やニュース番組に、芸人が必ず出てくるように、ヨーロッパでは、どのメディアにもマイノリティーの人種の人が必ず出てくる。芸人を使った方が観やすくなる日本と、マイノリティーを使った方が観やすくなるヨーロッパ。

= 演出 / Direction =
色んな演出方法を教えてくれた。一番ボリュームが多かったのは、マイケル・チェーホフのメソッドで、日本には浸透してないので新鮮だった。時間に余裕ができたら、面白かった本の要点だけでも和訳したい。


「演劇史」
は、「ギリシャ悲劇」「ブロードウェイ・ミュージカル」「戦後イギリス演劇」の中から一つ。僕は、ギリシャ悲劇を選びました。使ったテキストは、この8個。全部アマゾンで買えます。

アイキュロス『アガメムノン』『供養する女たち』『慈しみの女神たち』
ソポクレス『オイディプス王』『アンティゴネー』
エウリピデス『メデイア』『バッコスの信女』
アリストパネス『女の平和』

講師の話が上手くて人気の授業だったんで、出席率は毎回8割超えてました。他の授業だと半分切る日も珍しく無いんで、凄い事です。面白かったんで、またどっかで纏めたいです。

「モダニズム」は、必修で座学です。主に第一次大戦後の美術・文学史って感じでした。ジャポニズムも出てきました。歴史が好きなので面白かったです。

気になった人たち

-アクラム・カン / Akram Khan
バングラディッシュ系イギリス人のダンサー。この人だけじゃないけど、授業で取り上げられたすぐ後から、その人の公演が始まるっていうカリキュラムになっていて、よく考えられてんなーと思いました。他にも、今年出版された本とか論文が課題図書になってたり。日本でも、そういう風になってるんですか?学生さんとか、詳しい人いたら教えて欲しいです。

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-ロバート・ウィルソン / Robert Wilson
アメリカの演出家・ヴィジュアルアーティスト。元々は、建築の勉強してて、役者の立ち位置決める時にメジャーで測ったりしてるらしいです。舞台写真しか見たことないけど、僕の性癖にブチ刺さってる。

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- エル・テアトロ・カンパシーノ / El Teatro Campesino
1965年に設立されたメキシコ系アメリカ人の劇団で、今も活動してます。当時は疎外されてたメキシコ系アメリカ人の生活を描いて話題になりました。今は、教育関係とか人種差別とか、そういう応用演劇的な分野で活動してます。

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HP : https://elteatrocampesino.com/
(何故かURLの埋め込みができなかったんで諦めました。)

- ヤング・ヴィク劇場 / Young Vic Theatre
若い人が作る作品の支援に力を入れてる劇場です。この劇場で話題になった作品が、ナショナルシアターで再演とかって話もあるので、夢が詰まってます。ロンドンでは、「劇場が劇団を育てる」ってのが根付いているんで羨ましいです。日本語版のウィキペディアがあったんで貼っときます。

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最近の事とか

コロナが収まりません。陽性者数の週平均は6万人強、この木曜日は過去最高の8万7500人でした。予約してた公演が4本、コロナのせいでキャンセルになりました。ロックダウンだけは勘弁して欲しい。
冬休みに海外旅行するのは難しそうなので、ロンドンで行きたかった所に行ってみたり、せめて国内で遠出したりしたいと思ってます。外国まで電車で行ける国に住んでるのに不思議です。こっちにいる間に、海外旅行が簡単に行ける生活が戻ってきて欲しいです。それから、ロンドンの劇場は、台本の持ち込みができるので、冬休み中に短い話を書いて、年明けに持ち込んでみます。どんな話にしようかな。
大学生活は楽しんでます。仲良く話せる友達が何人か出来ました。イギリスでは今、全国的に教育関係の大規模なリストラをやっていて、全国の大学が一斉に授業のボイコットするっていうストライキ中です。そのせいで最後の何週間か、授業はありませんでしたけど、最終課題がパフォーマンスだったりプレゼンだったりしたので、結局週4で学校に行ってました。この国では、ストライキで急に地下鉄が止まったりするので、面白いっちゃ面白いですけども、ストライキの背景は笑えない話ばかりですし、20分で行ける所が1時間かかるんで不便です。自炊してます。カルボナーラを作れるようになりました。そんなこんなです。

ちなみにこれは、去年までの授業内容です。情報量が多くて読みにくいらしいんですけど、それが気に入ってるから書き直さないつもりです。


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