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【英会話講師】ちょっと待った!その就活、大丈夫?

はじめまして、はじめです。
僕はいま外資系の専門商社で働いていてますが、1年前まで大手英会話教室で講師として勤務していました。

そんな僕から、英会話教室への就職はオススメ出来るのかどうなのか、業界の本音を交えながら書いていきます。長い前置きも鬱陶しいと思うので、結論から言ってしまいます。
僕は「あまりオススメしない」という意見です。
ただし人によっては英会話講師が強力なキャリアになる場合もあります。
以下のことを順を追って解説していくので、自分の場合はどちらに当てはまるか、読みながらじっくり考えてみてください。

【良い面】
その1.やりがいがある
その2.英語を確実に使うことが出来る
その3.次の転職の時に有利になり得る

【悪い面】
その1.周りも全員英語のプロ
その2.自分の成長にはなりづらい
その3.教育とビジネスの板挟みにあう


まずは【良い面】から解説していきます。

その1.やりがいがある

英語講師は、生徒から見ると英語のプロで、何でも知っていて、自分のために一生懸命サポートしてくれる、そんな輝いた存在です。生徒にもよるとは思いますが、多くは「いつかあんな風に堂々と英語を使えるようになれたら良いな」という憧れの目であなたを見ています。そんな誇らしい存在に自分がなれるという事は、とても大きな自信に繋がるはずです。

また、子供好きの方にもやはりオススメです。保育士や小学校教諭と違って特別な免許が無くても英語を通して子供たちと触れ合う事が出来るのは、この仕事の大きな強みであり、人気の理由でもあると思います。

近年、「やりがい」という言葉は余り良い印象が無いようにも思えます。それでも、「やりがいの無い仕事」と「やりがいの有る仕事」では絶対にやりがいがあった方が良いですよね。英会話講師という仕事は、明確なやりがいを感じさせてくれる、そんな仕事です。

その2.英語を確実に使うことが出来る

例えば求人サイトで「一般事務!英語が活かせる!」と書いてある求人に応募して、蓋を開けてみたら毎日ほとんど日本語のメール、電話の対応。せっかく英語が強みで入社したのに、全然それを活かすことが出来ない……
英会話講師である限り、そういった「英語求人詐欺(?)」とは無縁だと思います。

その3.次の転職の時に有利に成り得る

これは僕自身の個人的な経験なので絶対にそうなるとは言い切れませんが、英会話講師から商社に転職したら「前職が英語の先生なんだって?」と入社する前から社内で一目置かれました。(これについては、選んだ会社がラッキーでした。)
「TOEIC950点です!」と伝えるよりも「英語の先生やってました」という方が、TOEICの点数がピンと来ない人達には分かりやすいという事のようです。

もちろんこれは転職した会社の社風にもよると思います。僕の場合は、大手英会話教室のネームバリューも相まって信用度は高くなったのだと思います。やはり会社の名前が大きければ大きいほどそれが信用にも変わっていきます。就職する場合は大手を選んで、一定期間、在籍してみても良いのではないでしょうか。


続いて【悪い面】についてです。

その1.周りも全員英語のプロ

これは非常に重要なポイントなので良く考えて欲しいです。
今英会話講師を目指しているあなたは、「英語が強みだから」という理由でこの仕事を選んでいると思います。しかし、英会話講師になった瞬間にあなたの強みは、強みではなくなる可能性が高いです。右を見ても、左を見てもTOEIC900点越え。最大手だと最低点が850点となります。つまり「英語が出来るのは当たり前」という世界で勝負していく事になります。また、日本人がネイティブの英語講師に英語力で太刀打ちするのは相当難しいです。もちろん指導力という意味では、日本人学習者の気持ちを理解している日本人講師の方が勝る面もあります。それでもこれまで自分の誇りだった英語力が思うように活かせない息苦しさを感じるかもしれません。

逆に、これが一般企業だとどうなるでしょう?英会話講師になれるレベルの英語力があれば、社内ではトップクラスの英語話者として通訳、翻訳など、自分にしか出来ない仕事を与えられて重宝される可能性があります。自分の市場価値を高められる場所を探してみるのも戦略のひとつです。

その2.自分の成長にはなりづらい

これは僕が英会話講師になってすぐに感じた事です。毎日のように英語を使って仕事をするのだから、自分の英語力もぐんぐん伸びるに違いない!と最初は思っていたのですが、実際に働き始めてみて感じたことは「自分より英語力が低い人達から学ぶことはどうしても少ない」という事実です。もちろん学ぶことがゼロではないのですが、それによって自分の英語力が大きく伸びるかというとそうではありません。

また、僕がいた英会話教室には「ビジネス英語」のようなコースがあり、実際に教えていました。ある生徒に「ビジネスの場面では thank you より thank you very much とかを使った方が良いんですか?」というような質問をされ、「場合によります」と答えたのですが……よくよく考えてみたら、実際のビジネスシーンで英語を使ったことのない僕が、「ビジネスの場面では…」という質問に答えていること自体、なんだかインチキですし、おかしいですよね。だったらビジネス英語を使う現場に本当に行ってやろう、という気持ちがあったことも、僕が転職した大きな理由です。

その3.教育と商売の板挟みにあう

小中高などの公立の学校などと違い、英会話教室は毎月の契約やコース契約を生徒と交わして運営しています。つまり生徒からのコース契約料がなければ、学校の運営が成り立ちません。毎月のように新しい生徒が入学してくれれば良いのですが、なかなか甘くないです。そうするとどのような作戦に出るかというと、以下のような形です。

・新しいコースの追加をオススメする(今のコースにプラスアルファのコースを案内する)
・より高額なコースへの切替をオススメする(今のコースとの差額から収益を出す)
・教材を販売する

もちろん上記が生徒の学習のためになっていて、講師としても納得のいくものであれば良いのですが……会社としては英会話教室も収益のノルマがあり、それをなんとか達成するために奮闘しなくてはなりません。そのために講師として不本意な形で生徒にコースや教材をオススメしなくてはいけないことも多々ありました。

最後に【英語講師になるべき?ならないべき?】についてお話します。
判断の方法についてですが、まずこの記事を読んでも尚、「英語講師になりたい」という気持ちが少しでもあるなら、あなたは英語講師のやりがいに強い魅力を感じている人なのだと思います。であれば一度英語講師になってみても良いのではないでしょうか?

ただし、英語講師以外のキャリアもしっかり考えましょう。何故なら英語はトランプのポーカーや大富豪で言う「ジョーカー」と同じくらい汎用性が高いカードだからです。例えばですが、以下のような求人の例があります。

英語×プログラミング能力 = ブリッジエンジニアで海外駐屯
英語×貿易実務検定 = 商社で貿易事務や海外買い付け担当
英語×バリスタ免許 = ワーホリ、海外のカフェでそのまま就職
英語×サッカー経験 = 海外で子供向けサッカー指導者
英語のみ = 英会話講師

もしあなたが若くて学習意欲もあるのなら、英語だけに限定して考えないでください。英語はあなたの世界を広げてくれます。ですがその力を最大限活用するためにはあなた自身の視野を広く持つ必要があります。

「英語で世界を広げる」という外側へ向いた意思がある人は特に、英語を軸に新しいスキルをどんどん身に着けて活躍する方向で考えることをオススメしたいです。

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