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じんのひろあき一人芝居 我々もまた世界の中心

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#一人芝居戯曲

連作一人芝居『我々もまた世界の中心』『カッコーの巣』

  大成ゼミナールの職員室。
  夜10時前。
  1日の全ての授業が終わって、各クラスから先生が引き上げて来ている。
  やがて中野優もこの部屋に入って来る。が、体半分はまだ廊下に出たまま。
「気をつけて帰れよ…はい、さよなら、はい、はい、さよなら…
 こら、タコ村、早く家帰って勉強しろよ!」
  と、そのタコ村に向かって。
「タコ村!
 お前、寺井とつき合うな…
 おまえら一緒にいても、成長は

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連作一人芝居『我々もまた世界の中心』『灰は灰に』

  それほど高所にはないマンションの一室。
  庄野久(14)の勉強部屋。
  今、梨本慎吾(22)が家庭教師に来ている。
  昼下がり。
  後ろには何らかの遮蔽物が置いてあり、後でわかるがその後ろに天体望遠鏡が置いてある。
  梨本は久の横で漫画の本を読んでいる。
  時々、隣で勉強している久の方を見る。やがて。
「できた?」
  しかし、返事はない。梨本、久の顔をのぞき込む。
「できた? 

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連作一人芝居『我々もまた世界の中心』『シオマネキ』

  ここはとあるシティホテルの一室。
  今、エッチが終わって、服を着ている所の甲田晶子。
  客は重田利克、シオマネキに似た男。
  重田が『いくらだっけ?』と聞いて来た。
「ええっと…聞いてないんですけど…
 梶原さん?
 聞いてませんけど…
 梶原さんって…
 ああ、あの電話の人ですか…
 あの人に言われて、ここに来たんですけど…紅いバックとか急に言われたんで焦っちゃいましたよ…
交渉して決

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じんのひろあき作 短編一人芝居『我々もまた世界の中心』とは?

 この『我々もまた世界の中心』というのは、連係一人芝居です。
 短い一人芝居が延々繋がっているいるものです。
 基本、舞台に装置はいりません。
 役者がいて話によって何かしらの小道具が必要にはなりますが、使うのはその程度の物です。
 Aという人の一人芝居があって、当然舞台にはAという人しか出てないわけですけど、その人がBという人と話している芝居をします。
 すると、次の一人芝居は、そのBという人が

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