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東京バーストーリー

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港区の隠れ家バー「変幻自在」。日夜おかしなお客様が訪れ、店主である私を交えた会話から様々なドラマが泉のように湧き出しています。ふつうは歴史に埋没してしまうべきダイヤの原石のような…
運営しているクリエイター

#大門

ラグビーが世界を救う

日本が南アフリカに勝った4年前、「奇跡」の乱発に踊らされて初めてラグビーに興味を持った。…

Fumster
5年前
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音無き世界に届く踊り

千佳ちゃんが“変幻自在”を訪れてくれたのは、その2週間前のことだった。神妙な顔つきでカウ…

Fumster
5年前
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架け橋

この世には佇まいだけで圧倒的な気品を感じさせる人間が存在する。バーカウンターの内側に立っ…

Fumster
6年前
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チャンプの背中

「この方は何の世界チャンピオンだと思いますか?」   なかなかの難題である。5年ほど前から…

Fumster
6年前
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全身麻酔

その夜も多士済々といった風情で、ひとクセもふたクセもお持ちの逸材がカウンターに並んでいた…

Fumster
6年前
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吉野家の掟

こんな路地裏のしがないバーの常連さんに、かつて「ミシュラン一つ星のシェフがいた」というの…

Fumster
6年前
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"なんという運命のイタズラか!"

躊躇いの残る表情を浮かべた若い男性と、対照的に愛嬌のある笑みをたたえた同い年くらいの女性。バーとしても遅めの時間に敷居をまたいでくれたお二人は誰もいないテーブル席の方に一瞥をくれたが、敢えてカウンターにご案内することにした。女性の方は見覚えがあると直感的に思った通り、 「ワールドカップのときにお邪魔しました。例のケイコの友達です」   と打ち明けられた。ケイコとは、今年のサッカーワールドカップの日本戦を店内のプロジェクターで放映した際、現地のスタジアムで観戦しているところを