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プラネタリウムでのライブ撮影

3月25日、かわさき宙と緑の科学館で行われた村上ユカさんのプラネタリウムライブ“wellcome to the uni-birth”を撮影させていただきました。その時の写真と共に、撮影エピソードなども紹介してみようと思います。

いつもと違う環境下での撮影はイマジネーションを広げてくれる

ふだんはライブハウスでの撮影が多いですが、なかには変わった場所でもライブ撮影を行うことがあります。これまでも、芝居小屋、路上、神社の神楽殿、屋外ステージなどで撮らせてもらいました。やはり場所が変わると、どんなアングルが印象的なのか、どんな機材を使うのが効果的なのか、撮影で気をつけるポイントはどこなのか、事前に撮影プランを考えるのが楽しいのです。同じアーティストの演目でも新たな発見があったり、じつは現場での急な対応を迫られたりするのも楽しんでいます。とにかく変わった環境下での撮影は、とてもイマジネーションを広げてくれるのです。

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以前からプラネタリウムでライブのことは聞いたことがあって、一度、撮影してみたいと思っていたところ、今回、ミュージシャンの村上ユカさんからプラネタリウムライブへのお誘いがありました。村上ユカさんは、ななをちゃんの企画ライブでお会いした方で、彼女のエレクトリックなサウンドと伸びやかな高音ヴォイスが素敵だなと思っていましたし、彼女もその時に私が撮影したライブ写真を気に入っていただいていたので、この機会にぜひ撮影をさせて欲しいとお願いしたところ快諾していただきました。

どうやってプラネタリウムという環境で撮るのか

今回のライブは村上ユカさんの活動24周年を記念した単独ライブにあたり、彼女にとっても映像を担当するHello1103さんにとっても初めてのプラネタリウムでの公演になります。もちろん、私にとっても初体験なわけですから、どうやって撮るのが良いのか考えました。

事前に私が考えたのは以下の点でした。

①上演中に動くこと、またシャッター音はお客さんの邪魔になる
②円周ドームという形状を生かす
③プラネタリウムの投影光だけでは充分な光量は得られない

そうなると①を解決するためには本番中に撮影するのではなく、リハーサル時に撮影することが良いと結論づけました。しかし、当日は会場の都合でリハーサルに充分な時間が取れないため、前日に行われるゲネプロ(通し稽古)にお邪魔することでお願いしました。②に関しては、個人的に得意としている魚眼、広角を中心としたレンズを準備すればいいので、ふだんのライブ撮影のノウハウをそのまま活かせます。

問題が③です。実際に投影された状態を見ないと詳しくは判断できませんが、これまでプロジェクター投影でVJと組み合わせたライブを撮影してきた経験上、人物への光が足りないと思ったケースが多いのです。そこで今回はお客さんがいないリハなので補助光を持ち込むことにしました。

ゲネプロが始まり、円周ドームスクリーンに映像が投影されると、その迫力に圧倒されました。何本もプロジェクターライブは観てきましたが、ここまでの迫力はありません。頭上360度を美しい色彩と滑らかに動く映像が飛び回っていくのは圧巻。TDLで上映されていたマイケル・ジャクソンの『キャプテンEO』以来の衝撃かもしれません。

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人物へのライティングをプラスしてプラネタリウムらしさをアップ

撮影の方に話を戻すと、本来の天体投影と映像による光量の差が気になりました。天体投影では、まさしく夜空のごとく真っ暗になるため、人物は真っ黒です。ここは割り切って、光量の明るい映像やコントラストの強い映像のシーンを中心に撮ることにしました。そして、この円周ドームスクリーンの迫力と村上ユカさんを絡めて撮るには、やはり魚眼レンズで狙うしかなさそうです。そのためには人物を撮るための「光」が必要となります。

人物に対しては、正面にノートPCのモニターの明かり、上手側には演出用のライトもありましたが、それでも弱いと思いました。ストロボも用意はしていましたが、ストロボでは光量が強過ぎるし、撮影時間も限られているため、常に光を照らすことのできるLEDライト&レフ板を使って、人物の下手側を持ち上げました。多少、スクリーンへの干渉も出ましたが、光量の明るい映像のタイミングを狙っていたので問題はありません。

あとはゲネプロの流れに乗り、ふだんのライブのように映像のタイミングと人物の表情を見ながらシャッターを切っていきました。

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今回のプラネタリウムでの撮影は、大型の円周ドームスクリーンに映し出される映像の迫力には敵わないのはわかっていましたから、なるべく、それを喚起させる絵作りを心がけました。ふだんのライブ写真にはないものになったのではないでしょうか? 再びプラネタリウムで撮影できる機会があれば嬉しいです。今回撮影させていただきました村上ユカさん、映像のHello1103、かわさき宙と緑の科学館の皆さま、ありがとうございました。

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