2022/12/25 合同練習

この日は大学生2名と卒業生1名が稽古に参加してくれました。人数は少なかったですが、充実した練習になりました。

この日の練習のメインは「引き立て稽古」です。この呼び方は一般的なのかはわかりません。私も京都に来てからこの呼び方になりました。似たような言葉で「あんま」や「約束稽古」などもありますがニュアンス的にこの呼び方がしっくりきています。

「引き立て稽古」は相撲を取るのは変わりませんが、強者が一方的に押し出したり、寄り切るのではなく、弱者に対して胸を出し、攻めさせます。相撲なのでまわしを当然回しをとっても良いです。強者は土俵際で残ったり、いなしたり、隙があれば押し込んだりして相手に力を出させます。ですので本来攻める側の選手はとてもしんどい練習です。この日も選手達は先輩方にしっかり追い込んでもらいました。

しかし、この稽古を生徒同士でやるとなかなか上手くいきません。胸を出す側の選手が自分の力をコントロールし、どのくらいが1番相手の力を引き出せるのか場面に応じて強弱をつけなければならないためです。
うちの選手は力の入れ具合が100か0かになることが多く相手に合わせてというのがとても苦手です。これは前々から感じていた課題でした。また、どうしても攻める側の選手の練習だという意識が強く胸を出す側の本気度が足りません。

そんな中、この日は卒業生が参加してくれていたので、引き立て稽古を頼むと素晴らしい受け手の見本を見せてくれました。
そこで感じたのは「こいつを強くしてやろう」という熱量です。これが普段の選手が出す胸とは格段に違います。スピード感があり、休む間を与えません。
こういう気持ちでやれば選手同士でももっと充実した引き立て稽古になると思います。

相撲の微妙な駆け引きを、学ぶのとても優れた練習方法ですので生徒同士でも上手くできるようになってもらいたいものです。
こうしたことがひとつずつ意識出来るようになってくると練習の質が格段に上がります。
限られた部活の時間を有効活用するためにも頑張ってもらいたいです。

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