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休職中、というグレーゾーン

「9時5時」と呼ばれる会社員生活から離れて、もう1ヶ月程になる。体調は良くも悪くもなく、波風も立たず、平穏な一時停止の生活。

思い返してみれば、春先になると、毎年会社に行けない時期があった。それは2月だったり、3月だったり、まちまちだったけど大抵は2週間くらい。体調が悪いことも悪くないこともあったが、突然行けなくなり、そこからずるずると休みが続き、しばらく休んだあと何とか踏ん張って復活して、あとは何事もなかったかのよう。
毎年「年度末の棚卸し」といじりつつも、休むことを許してくれていた職場はやはり優しかったし、いまも優しいと思う。

心療内科にかかるひとの、なんと多いことか。混んだ待合室でも、病院という場所に馴染んでいないようなひとがたくさんいる。ごく狭い私の交友範囲ですら、過去に通院していたか、いまも通院しているか、数値化出来ないなにかしらと向き合って、折り合いをつけている方々が少なからずいる。

心の不調に名前がつくことで、生きやすくなる面と、生きにくくなる面があることを知った。甘えだと言われることもある。その程度で、と思う人もいる。
病んでる、と口にするくらいなら、笑って元気に愚痴れるうちに病院へ行けばいい。すぐにその「自称・病み」に名前をつけてもらえるだろう。その先と向き合う勇気と覚悟があるかは別だ。

いままで生きてきて、こんな風に自分のなかを見つめながら休んだことは一度もなかった。もらえた一時停止の時間と、ありがたく向き合おうと思っている。

何者でもないグレーゾーンの自分は、ほんとうにちっぽけであやふやな存在だけれど、確かに生きていて、愛おしいと思える。

#日記 #エッセイ #休職

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