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バンジー備忘録2016①

一生のうちで一回やってみたいこと、のひとつがバンジージャンプだった。
GoogleのCMに出て来た竜神大吊橋に惹かれて、昨年茨城へ行った。


橋だけでも見応えあり。紅葉シーズンも重なっていたせいか、行楽客が多く見られた。

橋の手前にある事務所で諸手続きを済ませ、計量し、重量に見合った装備を身に着ける。近い時間帯に予約していた別グループと一緒に、バンジー控え所まで歩いて向かう。橋の中腹まで歩いたところで、隠し通路のように欄干が一部開く。その先に階段があり、もう一段下のブルーの部分へ降りられるようになっていた。


床はメッシュ状。頑丈ではあるけれど、歩くたび絶妙に恐怖をそそる揺れと軋み。さえぎるものがないため、横からも下からも風を感じる。足元の竜神ダムが透けて見え、まるで湖のように広がっているのがわかる。異常な場所に立っている実感に鳥肌がとまらない。
ここから100m落下する。飛んだあとはまたここまで引き揚げてもらう流れ。

バンジー客を高揚させるためだろうか、アップテンポな曲が延々と流れている。確かに無音でメッシュに待機は怖い。つくりつけの待機ベンチでグループ横一列に並び、メッシュの上を軽快に行き来して準備をするスタッフの方々を呆けたように眺める。命綱があるとはいえ、スケルトンの床上に立つより臨場感がある高所、ここで働きたいと思ったひとに、今思えば話を聞いてみたかった。

最終の装備をつけてもらいながら、説明を受ける。

飛びきってバウンドしたら、ふくらはぎあたりについているコードを引くこと。コードを引いて、両足の固定が外れて自由になったところで、引き揚げる目印として赤い救命具がロープ伝いに降ろされる。手元に届いたらお腹の金具にカラビナで留める事。留めたら上に向かってOKのサインを出すこと。ここまで出来たら引き揚げられる。終わらないと回収してもらえない。ただでさえ緊張している中、情報が処理しきれずプチパニック炸裂。

ジャンプよりも、その後の宙づり時間の方が長いことは明らか。今さらながら高所は苦手だ。なぜお金を払ってまでジャンプしたいと思ったのか、ここまで来ておいてなんだが我ながら謎であった。けれど今回の遠征に友人たちを巻き込んだ旗振り役であり、寝坊して大迷惑をかけたばかりである。引き下がる選択肢はなかった。


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