粗食の力


明治初期に来日したドイツ人医師のエルヴィン・フォン・ベルツ博士の書記に日本の人力車夫が記載されている。

ベルツ博士が東京から日光に旅行した際の出来事です。一回目の旅は、馬を六回乗り換えて110kmを14時間かけてやっとたどり着きました。二回目は人力車を雇い、一人の車夫が110kmを走り通したうえ、要した時間も馬よりわずかに30分余計にかかっただけだったという事実です。

驚いたベルツ博士は、人力車夫の食事内容を聞いて、さらにビックリします。
「玄米のお握りに梅干し」
「味噌大根の千切り」
「たくあん」だったからです。
日常食も「コメ・大麦・粟・ジャガイモ・百合根」などが中心で、動物性食品はほとんど口にしていないことがわかりました。

肉も食べずにこれだけの力が出るなら、ドイツの最新栄養学を用いればもっと力が出せるだろうと博士は考えある実験をしました。

博士は、20代の車夫を二人雇い、一人には玄米のお握り中心の食事、もう一人には牛肉の肉料理を摂らせて、80キロの荷物を乗せた人力車で毎日40kmを走らせたのです。すると玄米お握りの車夫は21日間走り続けられたのに、肉料理の車夫は疲労が激しく3日でダウンしてしまったと言います。そしてダウンした車夫に元の食事戻すと再び走ることができました。

現代の日本人は「肉を食べると精がつく」と洗脳されていますが、「ベルツ博士の実験」はそうではないことを証明しています。

当時の西欧人にも、そして現代の私たちの目からも粗食にしか見えない食事のほうが健康的で、持久力も高かったのです。

文明開化の頃に日本を訪れた外国人たちは、当時の日本人についてさまざまに書き残しています。『日本人は小柄だが驚くようなスタミナと体力をもっている。』というものです。他にも博士は日本人女性を嫁にもらうと『これまで大量も母乳を出す民族は見たことがない』と更に驚く事になりました。

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