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NZで家を買うーいきなり始まる物件探し

家を買うと言っても、自営業の場合、住宅ローンの審査の為に2年間の会計報告書が必要となります。もちろん黒字じゃないとダメです。
そんなわけで、家を買うと言う話が出てからも、しばらくは家で物件情報を見るだけの日々。
ところが、昨年私が子連れで日本に帰省していた頃、夫から「住宅ローンの審査が通ってしまった」という連絡がありました。
通ってしまった、というのは、本人としてはまだ借りる気はなかったのですが、普段利用している銀行に「住宅ローン借りれる?」と聞いたら、とんとん拍子で仮審査が進んでしまったようです。

そんなわけで、NZに戻ったらいきなり本格的な物件探しが始まりました。
とりあえずはNZのオークションサイトTrademeで物件を見る日々。気になる物件があったら、Open homeと言われる見学日に予約を入れ、見学に行きます。

First home buyerが買える家は限られている

Trademeで家を見ていると、販売方法としてオークションの他に、Deadline sale、Price by negotiate、Enquiry over---、Asking price---などの書かれ方があります。不動産屋さんに説明されたのですが、First home buyer(初めて家を買う人)はオークションには参加できないそうです。何年か前までは大丈夫だったらしいのですが、今はダメだそうです。
そんなわけで、家を探す時も最初からオークション以外の記載があるものを見るようにしていました。
家を探し始めた頃はけっこうどんどん家が売れているような感じだったのですが、徐々に販売スピードが落ちていき、オークションでスタートした家が売れ残ってDeadline saleやPrice by negotiateになるパターンが増えてきました。なので、ダメそうな家もとりあえずWatchlistに入れていました。

First home buyerは新築の方が有利かも

NZにはKiwi saverという貯蓄システムがあります。公的年金とは違うのですが、政府や企業から補助を受けられる積み立て年金システムです。
会社側は給料から天引きで自動的に積み立ててくれるし、政府からの補助金も入ります。
基本的にお金を引き出すのは65歳以上になってからしかできないようになっているのですが、初めて住宅を購入する場合や、進学に必要な場合には引き出せる事になっています。(3年以上の加入が条件)
私たちの頭金の一部も、私と夫、それぞれのKiwi saverを利用しました。

更に初めての住宅購入の場合、政府から支援金を受ける事もできるのですが、これが新築の場合は最大2万NZドル(大体190万円ぐらい)受けられるそうです。中古物件の場合も1万NZドルぐらい出るらしいんですが、これは購入する物件の価格に上限があります。確か弁護士さんが62万ドル以下と言っていたような。(もっと下だったかも)その上限で買える家はありますが、私たちの希望エリアからは大きく外れます。なので今回は残念ながら、助成金を受ける事はできませんでした。
新築でめっちゃ助成金もらえるというのはものすごく魅力だったのですが、新築の住宅というのは、めちゃめちゃ郊外になってしまうのです。学区が変わるのはもちろんの事、夫の職場は中心地に近いところにあるので、相当遠くなります。
更に現在販売中の新築物件は大概が開発中のエリアになるので、おそらく数年は近所にスーパーなどが全くない状態で住む事となり、普段の買い物にも遠出が必要となります。

一瞬新築いいなと思ったんですが、これらの理由に加えて、NZでは新築物件は品質が悪いという印象が強い為に、夫も乗り気ではありませんでした。
新築なのに床が傾いているとか、そういう話が一時期よくあったからだと思います。そういう意味でも中古物件は基礎の作りが丈夫というイメージがあって人気なのかも。状態にもよるんですけど。
人気が一番ないのは、90年代後半~2010年代ぐらいに建てられた家かなって印象です。

ちょうど家を探している時期に新築を購入した友人がいたのですが、新興住宅街は景観をかなり制限されるらしく、庭に必ず花を植える、こういう事はしてはいけないなどかなり外観に対する要求が高いようです。
私には無理だなー。
あと中古物件は土地付きが主ですが、新築だと土地がついていない場合もあります。

NZは多分2023年までの5年間ぐらいが不動産上昇のピークだったんじゃないかと思います。価格もどんどん上がるし、それでもどんどん売れるというような感じ。あくまで体感ですが、2024年に入る頃から販売スピードが失速しているように感じます。家の値段ってRVとかCVと呼ばれる市場価格のようなものがベースになっています。RVやCVの算出方法は、同エリアで売れた物件の販売価格が基準になります。特に2011年の震災以降、人気が出たエリア(地震の被害が少なかったエリアの中で、評判が良い学校が近い所)は、投資家や一部のお金持ちがオークションなどでそれまでのCVを大きく上回る金額で購入した為に、CVの上昇率は急激と言って良い上がり方をしています。そりゃ売る方は高く買ってもらって困る事ないもんね・・・。
今は法改正などで投資家による独占状態にならないようになど配慮されているようですが、それでも普通の収入の人が家を買うのがとても厳しい状況であるというのは変わりない気がします。

売る側はCVを基準に考えるから、CVと同等かそれより高く売りたいけど、買う側はそこまで出せない。今は投資家やお金持ちが様々な理由で家を手放す流れになっているようなので、今後CVは下がるという予測がされているけど、実際のとこどうなんでしょうね。
去年もそんな事言われてたけど、期待したほどは下がらなかったんだよなー・・。

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