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オンライン上に「心のバランスをとる場」を提供する2-1

はじめに

長崎市スタートアップ支援事業「コッコデショ!2023」の初回ピッチ(8月17日)が近づいてきました。これまでなんとな~く「対話の場を開きたい!!」という夢を追いかけてきましたが、それを公の場で他者に伝えることは初めての経験になります。インターネットで起業ピッチの方法などを検索し、スライドを作る準備をしなければなりません。今回はそのたたき台として課題感と、なぜオンライン対話なのかについて書いてみようと思います。


どんな課題に対して事業を行うのか

気になっている社会課題はたくさんあり、そのどの問題に取り組むとしても「対話さえあれば・・・」と感じています。どの問題も複雑すぎて、表面上に見えていることをバラバラの視点で解決しようとしてもなかなか難しい状態に思えています。これまでの経験を通して、策を講じる一人ひとりの人間が"真の自分自身になる"ことを探究すること(大切にしたいことを感じ尽くす)があると、未来は変わっていくようだと理解しています。といっても、ピッチには具体例をあげる必要があるのでしょうね。私の関心に合わせて優先順位を無理やりつけてみます。

1.ひきこもり

厚生労働省HPによると、「ひきこもりとは、様々な要因の結果として、就学や就労、交遊などの社会的参加を避けて、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態のこと。(他者と交わらない形での外出をしている場合も含む。)と定義しています。―内閣府「若者の生活に関する調査報告書」(2016)より―ひきこもり状態にある方のすがたは15~39歳で推計数54万1千人(はじめてひきこもりになった年齢は20歳以上が6割、7年以上続いている人は34.7%)、40~64歳は推計数61万3千人(はじめてひきこもりになった年齢は40歳以上が6割、7年以上続いている方は46.7%)です。トータル115万4千人になります
ひきこもり状態になったきっかけは、下記があげられています。

  • 不登校

  • 職場になじめなかった

  • 就職活動がうまくいかなかった

  • ⼈間関係がうまくいかなかった

  • 病気

  • 受験に失敗した

  • ⼤学になじめなかった

2.学生・生徒などの自殺の分析(厚生労働省)

厚生労働省と警察庁は2023年3月14日、2022年中における自殺の状況(確定値)を公表しました。小中高生の自殺者は514人で、1980年に統計を開始してから初めて500人を超え、過去最多となったそうです。大学生や予備校生、専修学校生は549人。トータル1,063人です。

 若年層の死因に占める自殺の割合 厚生労働省「人口動態統計」によると、令 和2年における我が国の年齢階級別にみた死 因は、10~39歳(男女計)の全年齢階級で第 1位が「自殺」であった。「10~14歳」の 「自殺」については、全死亡の約29%を占め、 前年第1位であった「悪性新生物」に代わっ て第1位となった。また、15~29歳では、 「自殺」による死亡が全死亡の50%以上を占 め、「不慮の事故」や「悪性新生物」による 死亡を大きく上回った(第2-3-1図)。

国際的にみた若年層の自殺の状況 世界保健機関の令和元年のデータによる と、我が国の15~24歳の自殺死亡率は、経済 協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development, OECD)加 盟国38か国中、男性は第9位、女性は第7位 となった(第2-3-2図、第2-3-3図)。

学生・生徒等の自殺の原因・動機 平成21年から令和3年を対象期間とし、学 生・生徒等の自殺の原因・動機3の割合4を、 学校の種別、男女別にまとめた(第2-3-8 図)。 「小学生」及び「中学生」では、自殺の原 因・動機において不詳の割合が高く、特に男 子は女子よりもその割合が高くなっている。

「小学生」では、不詳を除くと「家庭問題」 を原因・動機とする割合が高く、男子(64 人 ) の う ち35.9%、 女 子(60人 ) の う ち 38.3%が該当する。続いて「学校問題」の割 合が高く、男子の21.9%、女子の21.7%が該 当する。「家庭問題」では、男女ともに「家 族からのしつけ・叱責」の割合が高く、女子 は「親子関係の不和」がこれに次いで高く なっている。「学校問題」では、男女ともに 「その他学友との不和」の割合が高くなって いる。

「中学生」では、不詳を除くと「学校問題」 を原因・動機とする割合が高く、男子(823 人)のうち31.0%、女子(511人)のうち 38.6%が該当する。続いて「家庭問題」の割 合が高く、男子の19.8%、女子の26.0%が該 当する。「学校問題」では、男子は「学業不 振」、女子は「その他学友との不和」の割合 が高くなっている。「家庭問題」では、男子 は「家族からのしつけ・叱責」、女子は「親 子関係の不和」の割合が高くなっている。 「高校生」では、男子は「学校問題」を原 因・動機とする割合が最も高く、2,076人の うち35.6%が該当する。不詳を除くと、続い て「健康問題」の割合が高く、15.5%が該当 する。「学校問題」では、「学業不振」及び 「その他進路の悩み」の割合が高くなってい る。女子では「健康問題」を原因・動機とす る割合が最も高く、1,160人のうち31.8%が該 当する。次いで「学校問題」の割合が高く、 27.9%が該当する。「健康問題」では、「うつ 病」及び「その他の精神疾患」の割合が高く なっている。 「大学生」及び「専修学校生等」では、「高 校生」と同様に、男性では「学校問題」、「健 康問題」の順に、女性では「健康問題」、「学 校問題」の順に割合が高くなっている。

https://www.mhlw.go.jp/content/r4h-2-3.pdf

3.いまでしょ!急がばまわれだけど・・同時進行が必要では?

なんとなく知ってはいたけれど、上記の数字を調べてみて気持ちがどんより落ち込んで目に涙が浮かんできます。15歳~64歳でひきこもりになってる方が115万4千人!!(それ以外の年齢の方もいらっしゃいますよね)。2022年度の小中校大学生の自殺者が1,063人!!しかも、10~14歳の自殺については、全死亡の約29%を占め、 15~29歳では、 自殺による死亡が全死亡の50%以上!!ですって。

ひきこもりになった原因は、病気や受験に失敗した以外は不登校、職場になじめなかった、就職活動がうまくいかなかった、⼈間関係がうまくいかなかった、⼤学になじめなかったなど人間関係が上手くいかなかったことにあるように思えます。病気や受験に失敗したことも、周囲の人間関係次第でなんとか立ち上がれる可能性もありそうに思えます。

私は、いろんなオンラインの対話の場で、参加者ひとりひとりの「大切にしたいと願っていること」を聴く機会が多くあるのですが、みなさんホントに一人ひとり感じていることは違っても悩みながら傷つきながら懸命に生きているのだと知っています。悩みが1つもなくて傷ついた体験をしていない人などいないんだろうなぁという実感があります。

でも社会を動かしている方々は、悩みも傷つきも見ないようにして(蓋をして)頑張っているのかもしれませんね。これまではそれでよかったのかもしれないし、私が育った時代は「理不尽」だと怒っていた子どもは少数だったかもしれません。いまも・・怒っているのではなくて力が入らない方々だからひきこもりや自殺を選択しているのかもしれませんね。

どんな事業なのか。なぜその解決策なのか。

1.由佐美加子さんの『ザ・メンタルモデル』

メンタルモデルは、15年以上にわたって個人が人生で抱える現実の問題や悩みに対して、ひとりの人間の内的世界が外側の現実を創り出している、という原理を元に、その現実に起きている事象がどこからどのように創り出されているのか、という仕組みを、一人ひとりの内的世界の状態をある構造で可視化することによって見だしてきたものです。この現実の事象を生み出す内的世界の構造を「生存適合OS(オペレーションシステム)と呼んでいます。外側で起きていること、体験していることのすべては、その人の内側にある内的世界から創り出されているという仮説を元に、1,000名を超える方々の人生に起きている現実から、どんな内的な信念や痛みを抱えているのかということを個別にひたすら紐解く体験を通して、その臨床から見えてきた構造がこの、生存適合OSです。

由佐美加子『ザ・メンタルモデル』

私は、由佐美加子さんの「外側で起きていること、体験していることのすべては、その人の内側にある内的世界から創り出されている」という仮説がホントにそうだろうなぁ・・という体験をしました。私自身は由佐さんの講座をいくつか受講して、2023年2月に「ライフタペストリー(私の人生で起こったことの紐解き)」をオンラインで受講し、自分自身の内面をしっかり感じることができたことによって生きるのが楽になりました。起業してみよう!!という力はこの体験から起こっています。

2.村岡康裕さんと西岡望さんの「対話のきくはなすを学ぶ場」

この方々が創ってくださっているオンラインの場で、1年位前から学んでいます。参加者が3~4人のブレイク(小部屋)に分かれて、全員が「話し手」と「聴き手」になる体験ができます。村岡さんも西岡さんも参加者に混じって体験しています。そこでは、「自分自身」がどのように聴いているか、他者はどのように感じているかがわかります。1人の「話し手」が話し、他の2~3人はその話を聴いてフィードバックしていくだけなのですが、聴き手の関心に応じてフィードバックが違ってきます。それを実際に体験することがとっても面白いです。私が開きたい対話の場の方法に取り入れたい仕組みです。主催者も一緒に学び合うところがとっても好きです。

3.オープンダイアローグとの出逢い「一般社団法人FLAT」

対話の聞く話すを学ぶ場を共同主催している西岡望さんは、20年以上前からファシリテーターとして学ばれていたようです。その方が精神疾患の当事者になり、その経験から強い想いを持って「オープンダイアローグ」や「ナラティブアプローチ」などの対話の場を開き、対話が大切だと思っている方々を繫ぎ続ける活動をされています。この方に出逢ったことも私の想いの後押しになっています。この団体でいろんな体験を積ませていただいていますし、いろんな方々と「大切にしたいこと」を共有しあっています。

4.社外人材によるオンライン1on1「YeLL株式会社」

「聴かれた体験が組織を強くする」という理念のもと、2,700人を超える社外の副業人材がオンラインで1on1を提供しています。私も2023年2月からこちらのサポーターとして登録し、企業にお勤めの方々とセッションさせていただいてます。この活動で気に入っているところは、1回のセッションごとにきちんとフィードバックする仕組みが取り入れられていることです。その日の体調や環境によって、「自分の聴く」を点検することができます。8回あるうちの5回目のセッション終了後、「いままで話をすることはあまりなかった。会社では話せないし。パートナーには話すけれど、愚痴ばっかり言うのも気が引けて・・・。職場や家族など利害関係のない人に聴いてもらう体験って、人間にとって必要なのかもしれない」っていうお言葉をいただきました。このお言葉も、起業の後押しになる言葉です。

5.2018年から参加している複数のコミュニティ体験

社会課題を解決しようと取り組んでいる方々、世の中に変化を起こしたい方々の読書会、おとなの学び場を作っている方々、組織の仕組みをアップデートしようとしているコミュニティ・・・。これまで関わってきたコミュニティや学びの活動を通して、私には仲間と呼べる方々が全国各地にできました。海外在住の日本人の方々もいらっしゃいます。長崎に住んでいながら多様な方々と多様なコミュニティ体験ができています。この世の中に希望を感じているし、日常に喜びがあります。このような体験を多くのみなさまにも届けたいということを強く感じています。




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