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対話する社会へ

暉峻淑子さんの『対話する社会へ』を読んでいます。
何度も何か所も目頭付近が熱くなるポイントがあります。
冒頭部分に

日本人の多くは、戦争に巻き込まれたり、暴力行為によって支配されることがない平穏な生活を、平和だとかんがえているようです、平和とは受け身で何もしないことではない、平和も民主主義も努力して作っていくものだと、頭ではわかっていても、おまかせ主義の毎日が過ぎていきます。

と書かれてあります。私が社会全体へ目を向け始めたのは、子育てがひと段落した頃でした。自分の家族の生活を維持していくのに精一杯で、他のいろんな課題も見えていたけれど受け流していたのだと思います。立ち止まって考えることをするようになると、どんどんいろんな課題が見えてきてもうどうしたらいいのかわからない状態になっています。

社会の中に「対話が足りていない」ことだけは明らかのようです。

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2012年6月30日に東京大学の伊藤謝恩ホールにて、瀧本哲史さんが300人の10代・20代を集めて行った「伝説の東大講義」第四檄は―交渉は情報戦であるーというタイトルでした。その中に、

昔は会社も学校も、先輩や上司、先生の言うことは基本的に正しいから、部下や生徒はそれに従って当然、反論の権利はない! みたいなのが社会常識でしたが、今はだいぶ変わって、たとえすごく強い立場にいる人でも、弱い立場の人を完全に屈服させることはできないようになってきています。
 それはどの業界でも同じで、これまでの常識や正解が通用しづらくなり、さらにブラックボックスだった内部情報がネットで筒抜けみたいな時代に、「王様と家来」型のガチガチの秩序は、あらゆる組織で強制力を持たなくなってきているんですよ。
 むしろオープンで対等な人間同士が違う立場で集まって、共通の目的のため、プロジェクトを実行したり、フラットな組織や共同体なんかを立ち上げたりする動きが盛んになってきていて、要は、トップダウン的な「支配関係の時代」から「相互依存の時代」に、完全に変化してきているんです。

8年前の講義の時に、「支配関係の時代」から「相互依存の時代」になってきていると言ってました。でもまだまだ先の見通しは暗いのかしら?と思えることが色々あります。そのひとつが2020年6月23日の茨城県議会本会議で「東海第二原発の再稼働の賛否を問う県民投票条例」の制定を求める議案が否決されたことです。再稼働には、周辺6市村と茨城県の同意が必要とされています。県の判断には広く県民の意思を確認することが必要であり、そのための最適な手法は、県民同士が話し合い、その上で個々が選択を表すことができる〈県民投票〉の実現である」と県民の有志が活動していたことはあっさりと白紙になったように感じました。再稼働を反対しているのではなく、「県民同士が話し合いたい」という願いさせ否決されるんだなぁ・・って思いました。

明日、7月5日にその件についての緊急シンポジウムが行われます。

第四檄で手に入れた「武器」
★ 弱者こそ、「交渉」という名の武器を持とう。
★ 常に「相手の利害」を分析せよ!

瀧本哲史さんからいただいた武器を手に、明日の緊急シンポジウムにオンラインから参加してみようと思っています。

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