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自分の心を気遣って Tips for PhD students

【コラボ】 ひよけん x 英サイナイト

英語でサイエンスしナイトからアサミさんが、
ひよけんに遊びにきてくれました! 博士時代の経験を踏まえて、アメリカで学んだあれこれを、たくさんシェアしてくれました!

アサミさんの専攻は、物理化学。アメリカで博士号を取得して、ひよっこ研究者の仲間入り。ポスドクとして研究者キャリアを築きながら、中級者の英語学習にぴったりのPodcast番組「英語でサイエンスしナイト」を運営されています。

by はち

コラボ回でお話しした内容の一部を紹介します。
気になったところがあったら、ぜひ本編もお聴きください。

1 ダイバシティの実現は難しくない

思考の多様性を担保すること

色んなタイプの研究者が集まってチームを作る。
だからこそ研究って上手くいくはず。

ダイバーシティ実現のために
外から見て分かる男女比、年齢、国籍など、分かりやすい、誰から見ても分かる多様性をとりあえず用意しておくことが一番手っ取り早いのでは?

異分野とのコラボレーション
たとえ、見た目で分かる多様性がないチームだったとしても、お互いが分かるように話し合って、お互いがいい方向に行くように、ちゃんと方向性を決めてうまくやっていくための努力が必要。
今までもやってきたことでは?

その努力とダイシティーの実現へ努力のベクトルは、一緒。何がそんなに難しいのだろうか?

ロールモデルの必要性

"Reprensentation" 
ざっくり言うとお手本、先輩のような、自分よりも一歩先を行ってる人。自分と共通点があるお手本になる方がいると、私もこういう風になれるかもな〜とか、逆にこうはなりたくないって考えられるようになる。

最初のペンギンさん

女性初の○○にある落とし穴。

もし自分が女性初の○○じゃなかったら、もっとすんなりこのチームに入ってみようとか思える。だけど、例えばもし自分が唯一の女性教員になることが分かってたら、その大学にアプライするのをちょっと躊躇ちゃう。

このちょっとの躊躇が、どんどん積み重なって、今の現状になっているのでは?

ファーストペンギン
天敵がいるかもしれない海へ、ペンギンの群れの中から、餌を求めて最初に飛びこむ1羽目のペンギン

受け入れ体制が整ってない日本の現実

多様性があるといいっていう話は聞く。
でも、実際に多様性があったら良かった
っていう経験値がないことにより、受け入れ体制もない。

結局、ペンギン投入してもペンギンいじめられるだけになる…

ペンギン投入しても、そのエコスステムで絶滅させちゃダメ。

2 差別やハラスメントを許さない仕組みづくり

アジア人差別について

  1. 大学内や分野内のプロフェッショナルな世界で、アジア人差別ってほとんどない。中国人だったり、韓国人だったり、日本人の、今までの研究者たちが、すごい実績を残してきてくれてるから

  2. アメリカっていう社会の中では、もうちょっと根が深い話。

自分を守るツールを蓄えて欲しい

  • (命の危険がないレベルの差別で)
    接点がこれからもない人だったら、
    スルーする。友達に毒吐くぐらいで終わらせる、消滅させる。

  • 接点がこれからもあるような人だったら、
    大学にいる人なら、第三者に通報できるシステムの利用を検討して。

知ってるだけでちょっと強くなれる
大学のシステムはガイダンスで説明があるはず。
初日は情報過多だと思うので、ちょっと落ち着いたら、誰に(どこに)話せるか、何をどこまで話したらどういう対処が行われるか、などの仕組みをちょっと確認しておくと、自分がそういう目に万が一あってしまったときに、対策がすぐ打てる。

経験をシェアすることは、とても大切。
私が経験したのはハラスメントなんだって、自認できるように。いろんな話をいろんなところでする。こんなことあったけど、こういうふうなヘルプを受けて立ち直ったよとか、解決策も含めての話は、誰かを助けることに繋がる。

タイトルナイン(Title Ⅸ)
アメリカ合衆国の公的高等教育機関における男女の機会均等を定めた連邦法。
合衆国のいかなる者も,連邦政府から助成を受けている教育プログラムや教育活動において,性別を理由に参加を拒まれたり,利益の享受を否定されたり,差別の対象となったりすることがあってはならない。

“No person in the United States shall, on the basis of sex, be excluded from participation in, be denied the benefits of, or be subjected to discrimination under any education program or activity receiving Federal financial assistance.”

コトバンク

3 元気なときこそ、心のケアに気遣って。

体や肌のケアは毎日するのに、心のケアはしないの?

あさみさんがアメリカの大学で良いなと思ったこと

超病まなくても、カウンセリングに気軽に行く
博士課程の学生が気軽に行けるシステムがある

カウンセラーの予約が取りやすさ
ウォークインと言って、行ってみて、空いているカウンセラーと話すことができる

カウンセリングを受けることは、博士課程のパッケージ内に含まれており、行きたい放題!

  • 第三者に話すっていう過程で、自分の頭の中が整理されることもある

  • 誰に話していいかわかんないとか、どうしていいかわかんなかったら、ここ行こうって言える場所があるっていうだけでも、意識が変わる

  • 友達がセラピーに行ってたら、自分も行ってみようってなる

元気なときこそ、種まきして

どのセラピストが自分と合うかわからないから、それを探すためだけにも行ったほうがいい、やっぱり相性があるから。

とっても合理的
自分がすごいつらい時に、ただでさえエネルギーが低い時に、マッチング作業するのって、めちゃくちゃ疲れる。
自分の家族構成の話とかを、何度も何度もリピートしなくても、もうすでにある程度、前提条件は揃った上で、カウンセリングが始まる。話が早い!

さまざまなサポート体制を整える

いろんなサポートタイプが必要。
プロを頼るっていうのも大事だし、家族、友達部門も大事だし、キャリアの話は、こういうこの人としたいとか。

ヤバくなった時の選択肢を用意しよう。

研究に携わってると、世界狭くなりがち。そこは、元気なうちに何かしておこう。きっと未来の自分を助けることになる。

システムを変えれる、お金がある方へ。

大学院生のメンタル問題は、重大です。


大学院で離脱率が下がって、仕事効率も良くなって、業績も徐々に上がっていくようになる、アメリカのシステムは、一番いいお金の掛け方でしょう。
ぜひご検討ください。

文責 はち