ひよこのコンサート曲目紹介 その①
Wind Quintet Op.124 / Giulio Briccialdi
ジュリオ・ブリッチャルディ(1818年~1881年)は、19世紀イタリアで最も尊敬されたフルート奏者の一人で、「フルートのパガニーニ」と呼ばれるほどの超絶技巧を誇っていたとも言われています。演奏活動を行いながらフルートのための作品を数多く書き上げ、楽器の改良にも貢献しました。
今回演奏する木管五重奏曲は、ブリッチャルディが57歳の時に作曲した曲です。あまり複雑な和音や構成になっておらず、シンプルで明るく楽しげな曲調が印象的です。軽やかかつ伸びやかな旋律、華やかな響きをお楽しみください。(原﨑)
私(鈴木)がこの曲に出会ったのは、私が大学2年生だった一昨年の秋ごろでした。
室内楽の授業で組んでいた木管五重奏のメンバーと演奏会をするのに、授業で取り上げた曲数だけでは足りず、持ち曲に加えるのにちょうど良い雰囲気と、ちょうど良い分数(笑)の曲を探して色々聴きあさっていたのがきっかけです。
この曲は本当にシンプルで、聴き心地も良く、いつ聴いても心躍らせてくれる曲で、私も大好きな1曲です。出会えて良かった...。
聴きどころ...などということは私が言うまでも無く、爽やかさをまとったメロディーと、全体に華を持たせるように書かれた連符に、ブリッチャルディのやりたい事、聴かせたい事がシンプルに詰め込まれています。
私は初めて楽譜を見た時、そして初めて5人で合わせた時に、ブリッチャルディがフルートの名手だった、というあの有名な話は本当の事だったんだろうなと感じました。
個人的には聴いている時の感覚よりも、連符の多さには驚かされましたが、この連符こそが、聴き手にとって、そして吹き手にとっても気持ち良さを与える要素になっていると思います。実際、これだけ連符が書いてあったら練習するのも嫌になりそうなものですが、ブリッチャルディが上手く、そして鮮やかに書き残してくれたので、全く苦にならないどころか、毎回の合わせが楽しみだった記憶すら残っています。
私にとっても思い出深い1曲なので、よりそう感じるのかもしれませんが、この曲の爽やかさは、学生生活の青春の1ページを見せてもらえるような感じがしていて、今回演奏する5人にとっても、今しか出せない音や、語り尽くせない音楽を存分に出してくれることを私も心から楽しみにしています。
皆さまも、ブリッチャルディが作ろうとした世界観と、5人が見せてくれる会話に、何の抵抗をすることもなく、ただただ身を委ねてお楽しみください。
p.s.
今回は時間の都合上1楽章のみの抜粋ですが、やっぱり私が1番気分が高まる推しは3楽章なので、機会があったら是非聴いてみてくださいね。
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