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ふら、とインドを歩く話 8

ふら、と歩く街の日々

コルカタにはヒンドゥー教でない人たちが多く住む大きな地域があるため、ここまで見てこなかった牛肉を使うカレーがある。平たいパイ生地に牛肉を使ったスナックもある。久しぶりに食べる牛肉は美味しかったがかなり味が濃い。軒先に吊るした牛肉を売るお店もある。初めて見る光景だったので、許可を頂いて写真を撮らせてもらった。

調理環境がないので購入はしなかったが。

近所を気の向くまま歩き、いろいろな路地に釣られて迷い込み、知らない街を進んだ。ここではかなり広い道と狭い道が共存しており、自分がどこを歩いているのだか時たま分からなくなってしまう。そんな感覚を楽しんでいたら暗くなってきたので、屋台でブドウとカレーとロティを買ってひとまず宿に戻る。

宿にはまた別の大学生がたくさんいた。彼/彼女らと私はかなり話したが、その中に4人、「日本に帰ったら“カレー会”をしよう」と約束した人たちがいる。結局のところまだ会えておらずこれからもどうなるかは分からないが、またその中の1人とは家もそんなに離れておらず、たまに連絡も取っている。いつか会えるといいな、なんて思いながら。

ここコルカタの街で私は丸3日ほどを過ごす。インド最後の3日間であるため、やりたいことは全部やって、食べたいものも全部食べて、行きたいところも全部行って帰ろう、と今更ながら心に誓いながら就寝。

次の日からは、近くのスーパーでスパイスをたくさん仕入れたり、ダル(豆)を買ったり、遠い寂れたデパートを見に行ったり、その辺の出店を眺めてカレーの食器を買ったり、カレーを食べたり、ラッシーやチャイを飲み比べたり、momoという(ネパールの)餃子を食べたり、その辺のおじいちゃんとお喋りしたり、バザールに面白そうな薬を買いに行ったり、思い出せないくらい色々なところをプラプラ歩いた。“面白そうな薬”はもちろん合法だが、帰国後変な飲み方をし体調を酷く崩してしまい、以来試していない。

そういえば何日目かに、少し離れたところにある大きなデパートへ映画を見に行った。本当は昔ながらのインドの映画館を見てみたかったのだが、スケジュールが合わず断念。どうにかして演劇も観に行けばよかった、と今になって後悔している。今回観たのは“LUKA CHAPPI”。ラブロマンス映画だ。ジャンルのおかげで何となく言わんとすることは分かったのだが、細かいところは全く。なぜその結末に至ったのかも分からず、のちに携帯で調べてしまった。なぜなら、登場人物がヒンドゥー語で話す上に字幕もないものを選んでしまったから。完璧に解決できたミスである、字幕付きを選べばよかったのだ。なぜこれを見てしまったのかは思い出せない。でも面白かった。

上映中、(なんせ初のインド映画だったもので)“いつ歌うのか、いつ踊るのか、”とワクワクしていたら、なんと最後のパーティーシーンとエンディングまで普通のお芝居。拍子抜けしてしまった。あとからインドの人に聞いたのだが、最近のインド映画はあまり踊らないらしい。インド映画への認識を、少し改めた。事あるごとに踊るの、みたかったなあ。

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