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【エンディング恐怖症】アイアンマンが世界から消えた日、僕は何かを失った。

2019年4月26日。『アベンジャーズ エンドゲーム』のラストは衝撃的でしたね。2週間くらい引きずりました笑

でも今回書くのはアベンジャーズのラストについての話じゃなくて、僕がこじらせてしまっているエンディング恐怖症について。あ!恐怖症と書くとネガティブな雰囲気が出ますが、自分では「何この気持ちwwwおもしろww」って感じで自虐的に捉えています。
なので変な奴もいるんだなぁとか、私もその経験ある!と面白おかしく読んでください。

エンディング恐怖症とは

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みなさんこんな経験はありませんか?

・あるRPGにて、ラスボスの魔王を瞬殺できるまでに成長したのに、ダンジョン最後のセーブポイントでそこから先に進めない。世界を魔王の手から救う準備は万端なのに、あと一歩が踏み出せずにいつまでも救われない世界をさまよっている…

・昔すごい好きだったアニメの続編。一作目はヒロインとの別れで完結する感動的なラストだったが、どうやら次回作はパラレルワールドの設定で改めてヒロインとの新しい物語が繰り広げられるようだ。でも、なぜか見る気が起きない…


別に、ゲームが難しかったわけじゃない。
アニメを見る時間がないわけでもない。


もちろん、時間が経ってなんとなく離れてしまうこともあるでしょう。しかし、こと私においては特に自分が夢中になったものに限ってこの現象が起きるのです。

そしてこの現象が起きるコンテンツに共通して「エンディングが秀逸」であることがわかりました。
そこで検索してみると…あったあった「エンディング恐怖症」なる記事が。

そう。物語やゲームを進めるうちに「結末を見るよりも、エンディングを迎えたく無い」という気持ちが強くなる症状です。


ここからは私が過去に発症した症例2つを紹介したいと思います。


【症例①】世界とヒロイン、どちらかなんて選べないよ! DoD2

→RPGゲームのエンディングが迎えられなかった話

あらすじ
再び、戦いの業火へ。空ではドラゴンを駆り、地上では剣を振るって寄せてくる敵をなぎ倒す。竜騎の戦士の物語。
世界崩壊の危機から18年、その元凶となった少女は“聖女”と呼ばれる存在に成長していた。竜を駆る異端の青年ノウェと聖女マナ、ふたりの出会いが世界の運命を大きく変えていく・・・。

一作目が鬱ゲーとして名高い、RPGシリーズの2作目。

当時小学生だった僕はこのゲームの世界に夢中になりました。(対象年齢を下回っていたけど許してね)相棒であるドラゴンのレグナと、ヒロインのマナを連れて、僕が世界を救うんだーーー

前作をプレイしていなかった僕は、途中出てくる過去作からの設定や、敵キャラの背景、世界観などを深く理解しながら進めたいと思い、インターネットで世の先人達が残してくれた知識をググる術を覚えます。

そしてある日、禁忌を犯しました。


エンディングのネタバレを見てしまったのです。


本作は途中の選択で結末が分岐するマルチエンディングを採用しています。しかし、どのルートにも漏れなくバッドエンドの要素が含まれていました。

ア○パンマンや某戦隊モノの勧善懲悪&ハッピーエンドのぬるま湯で育ってきた純粋な少年にとっては初めての衝撃です。


破滅することを知りながらその破滅に向けて歩を進める。
世界か仲間か。
来たる選択の日に向けて、苦痛を伴いながらゲームをプレイします。

そして、ラスボス前の最終セーブポイント。
立ち止まり、一度クリアしたステージをやり直す、サブクエストでアイテムを集めるなど、無我夢中で自身を高め続ける日々が始まりました。

エンディングから逃げたかったのと、自分が強くなれば結末を変えられるのではと考えていたのかもしれません。今思うとスターウォーズのアナキンがダークサイドに墜ちた時と同じ発想…、

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Supplied by LMK Media/zetaimage


そしてレベルはMAX。作中最強の武器と、最強の仲間を手に入れ、そこらの敵ならば剣の一振りでなぎ倒せるようになった時、悟りました。

「変えられない未来もある」

カッコつけていうと『力の代償に、希望を失った瞬間』です。
※ゲーム内の話

そこから私はこのゲームをプレイしなくなりました。自分の手で自分の愛した世界に終止符を打つ勇気が持てなかったのです。悲しい結末が待っているのなら、いっそのこと、この世界の時間を止めることを選んだわけですね。

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※そのあとは結構あっけなくて、数年間の放置の末、高校生になった頃にクリアします。(というか久しぶりにゲーム立ち上げたらお兄ちゃんに勝手にクリアされていた…)


今思うと、小さい頃って何にでもなれるし、何でもできるような無限の自信にあふれていたような気がします。もしかすると、この時に初めて、社会の不条理さ、自分の無力さの断片に触れたのかもしれません。

あの時の私は世界を救うことを諦めて”停滞”を選んだわけですが、これがきっかけで痛みを伴う選択の難しさを理解できたのだと思います。

大人になった今、その理解は結構役立っていて、「何かを変えたいのなら、何かを犠牲にしてまでも突き進む覚悟が必要だ」ということを日々考えています。(なんかイイ風に書くな)


【症例②】俺が愛した森島先輩はどこへ・・・ アマガミ

→恋愛アニメ『アマガミ』で5話以降が見られなくなった話

アマガミSS10周年おめでとうございます!
※画像は公式Twitterさんから借用

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恥ずかしくなんかありません
だって先輩のことが大好きなんですから。 by 七咲逢

2010年公開。言わずと知れた恋愛シミュレーションが原作のTVアニメ。
高校男子の主人公が学園を舞台に女の子たちとキャッキャウフフするストーリーです。
私は原作未プレイなのですが、友達の勧めでアニメを見ました。

ちょうど思春期真っ盛り&スケベ全盛期のこともあり、現実では味わえない学園恋愛に自身を重ね合わせてムホホしたものです(  ^ω^ )

原作が恋愛シミュレーションなので、複数の女性とラブラブできる色んなルートがあります。メインヒロインを選んだら他のキャラとは恋愛できないわけです。

では、この複数ルートある話をどうアニメ化するのでしょうか?

1〜4話は憧れの学校1のマドンナである森島先輩パート。
天真爛漫でとにかく可愛い。ルックス、性格、お嬢様、適度な小悪魔感。
恐らく世の男性で嫌いな人はいないであろう。


しょっぱなから主人公が「タイプじゃないんだ〜」と振られますが、その後なんやかんや(犬プレイとかねゲフンゲフン)あって交際に至り、第4話ラストでは家庭を持った未来のシーンも映されます。


もれなく私も惚れました。

そして幸せな未来の余韻に浸りながら迎えた第5話。


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主人公「僕の名前は橘純一。男子高校生だ」

森島先輩「橘くんて言うの?初めまして!」

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( ゚д゚) ・・・ (つд⊂)ゴシゴシ (;゚д゚) ・・.


そう。複数ルートをこなすために取られた手法が、
4話毎に話が最初に戻る記憶リセット方式でした。

いや、確かにキャラの記憶が消されれば、新しく別の子とイチャイチャしても浮気にならないけど…

でもこれが僕にとってはまずかった。前の話で察していると思いますが、僕は世界に没入する。


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最初は素直じゃなかった先輩が心を許し始めたきっかけになったあの瞬間も、廃屋で二人きりで過ごしたあの記憶も消えてしまった。

綺麗さっぱり消えてしまったのです。


と゛お゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛!!!!

恐らく原作ゲームに慣れている人であればリセットに違和感はなかったでしょう。
ですが当時のピュアな高校生の私にとっては、予期せぬことでした。

この調子で二人目、三人目と悲しい思いをするのなら、いっそのこと…

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この後時間をかけ、各キャラに対する失恋ばりの痛みが癒える頃合いを待って全話をなんとか完走することになります笑


終わりに。

同じような気持ちになった人、意外といるんじゃないでしょうか。
死や喪失ともまた違う、「世界自体の終わり」を感じる瞬間。
「あぁ、この旅は終わり。先は無いんだ」と認識させられる瞬間。
うまく言語化できません。。。

でもそういう作品に限って良作が多いと思います。余韻が残るコンテンツが大好きです。

ここまで、色々と書きましたが、ドラッグオンドラグーン2もアマガミもめちゃめちゃ好きです。琴線に触れる作品を作って世に出してくれてありがとうクリエイターさんたち。これからも魂震える作品をよろしくお願いします!


ちなみに、アイアンマンは元彼女と見に行ったのですが

僕「終わっちゃったねぇ…アイアンマンはもうこの世界にいないんだねぇ( ´;ω;`)」って号泣してたら


彼女「作り物の話でいつまでメソメソしてんの。女々しいよ。」

って言われました。


くぅ〜〜たまんねぇ〜〜

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