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「助詞はなくなってしまうのか?」無くなりそうな助詞ランキング!

「10年後、20年後にはねぇ、私は助詞がなくなってると思うんですよ」

大学2年生の時に、イタリア語を教えていただいた先生がそう言っていた。

大胆なことを言うなぁと思うと同時に、「待てよ、本当にそうなるかもしれない」と感じた。
それはSNSのちょっとしたつぶやきを見れば明らかである。助詞を飛ばさずきっちりと書いている方が珍しいかもしれない。それに、日々のちょっとした会話に目をやると「私やるから」「それ取って」など、助詞がないものばかりではなかろうか。

助詞は将来無くなる。少なくとも、話し言葉やSNSのつぶやきなど、カジュアルな場面では。
今やそれは私の持論になっている。

そこでだ。
今回は、淘汰されゆく助詞をランキング化することにする。
最初に消える助詞、それは君だ。ふはははは!

○ランキングの前に
今回ランキングする助詞一覧を書こうとしたが、早速私のバカ加減が露呈してしまった。助詞なんて「〜が」とか「〜を」だと思っていたが、「〜ばかり」も助詞だと!? お前は本当に助詞なのか!?

全ての助詞をランキング化することは無理だと判定したので、以下の5つに絞らせてほしい。
「〜が」「〜を」「〜も」「〜の」「〜へ」
随分貧弱なランキングになる予感だが、本当の衰退する助詞ランキングは、言語学の権威にお任せすることにしよう。

〜淘汰されゆく助詞ランキング〜

◉第1位「〜が」


例文)私が変なおじさんです。

これはもう淘汰されるでしょう。もう淘汰されている。
冒頭でも書いたが「私やる」とか、「赤ちゃん笑った!」とか。
なくても通じてしまうのである。

「〜が」は、主体の動作などに接続する助詞なのだが、主体(赤ちゃん)の後に、動作(笑った)がくれば、それはもう赤ちゃん以外誰が笑うというのだ。「〜が」なくても、動作主が明確なのである。

それと、「〜が」があると、言いにくい。言うのが面倒くさくなる。そして、何より、ちゃんと日本語を言っている感があって、カジュアルな会話の中では堅い印象を受ける気がする。

うむ。これは淘汰されるであろう。


◉第2位「〜へ」


例)学校へ行く。地獄へ向かう。

学校へ行くなんかは、それこそ今の学生の皆様は、「学校行ってくる」と言う場面も多いのではなかろうか。私も「仕事行くわ」などと言う。

「〜へ」は、前の目標・到達点の後にそれに対する動作を示す助詞ということであるが、目標地点があれば、そこ「へ」何かをするということは明確であるので、省略もしやすいのだと考えられる。


◉第3位「〜を」


例)水を飲む。お前を撃つ。

うん、これも無くなるでしょう!
夏の暑い時、友達に「水を飲んだら?」とはあまり言わないのではないか。私なら「水飲んだら?」と言ってしまう。

「〜を」は、目的語に接続して動作を示す助詞とのことだが、「飲む」という他動詞さえあれば、「〜を飲む」であることは明らかである。

ただ、紛らわしいところもあって、
たとえば、「ネズミ食べたの」。
ネズミ「を」食べたのとも読めれば、ネズミ「が」食べたのとも読める。
うーん、この場合、助詞を無くしてしまうと全く意味も変わるし、どちらを選ぶかでヤバい人間に転落してしまう。
迂闊に抜かしてはいけない場面もありそうなので、3位とさせていただいた。


◉第4位「〜も」


例)私もラーメン食べたい。

「〜も」は、類似した事物の提示や並列を表す云々ということであるが、これはなかなか省略しづらいのではないか。
例えば、「私もラーメン食べたい」と言う場面。連れが先に、「今日、ラーメン食べよっかな」と言ったが故に出てきた言葉であろうが、それゆえ、私も同じものを食べるんだという、「私も」を強調して言わねばならない。

この場合、助詞は逆になくてはならないものとなる。
自分もそうなんだよ、と言う「主張」になくてはならないから。


◉第5位「〜の」


例)私のプリンだから、取らないでね!

これは必要だ。絶対に必要だ。
「私プリンだから、取らないでね!」と言えば、お前はプリンなのかとなってしまう。
「〜の」は主体に接続して主体の所有している動作・状態を示す助詞とのことだが、この助詞も第4位と同じ共通点がある。

それは自分のものなんだよという「主張」に必要だからである。


○結論
ひどく雑なランキングであったが、分かったこと
・「場所」や「他動詞」など、助詞がなくても通じるものは淘汰されやすい
・「〜も」や「〜の」など、自分の主張に必要なものは残りやすい

ところで、最近、「このキャラ、助詞がない!」と感動したキャラがいる。
SPY×FAMILLYのアーニャである。
「ちち うそつき」なんて、「〜は」と言う助詞がないではないか!
きっと、彼女こそが、これからの助詞を左右していく存在、「助詞なし女子」である。

これからも、助詞の行方には十分注視していきたい。


参考サイト
https://japanese.awaisora.com/josi-itirannhyou/





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