経験の質を上げる2つの方法:経験と体験の違いとは?
まず言葉の定義として、「経験」と「体験」の違いはなんでしょうか。
「経験」は、行動をした上で、知識や技能を身に付けることです。
「体験」は、行動することそれ自体を指します。
つまり、「体験」を通じて結果的に学びを得た場合、「経験」になるということです。
学びを得るということは、「体験」したことを言語化して言葉に起こし、
その言語化した内容から知識や技能になったことをさらに言語化して、
やっと学びと認識されます。
下図のようなイメージです。
言語化されていない生の体験(球)から、
言葉にすることである断面を切り出し言語化された「体験」となります。
「体験」から得られたことから何を得たかを言語化することで、
「体験」に意味づけされ学びが得られ「経験」となります。
この記事では、経験の質をあげるためにどのようなことをすれば良いか紹介していきます。
■生の体験を100%言葉にすることは不可能
何かを行動した際に人間の感覚で得る情報は非常に多いのです。
五感で感じたことや時系列で起きたこと、
他人がどのような反応をしたか、
その瞬間の環境はどうだったか、
など一瞬であるものの生の体験に含まれる情報量は想像するだけでも凄まじいです。
そのため、100%一言一句言葉で説明することはまず不可能です。
ライブに行ったAさんとBさんの例です。
Aさんの場合、感想を述べているものの生の体験については言語化されていません。
Bさんの場合、感想とホログラムなどどんな体験をしたのか言語化されています。
さらにBさんが体験した具体的な演出の中身を言語化するには五感で体感したことをすべて言葉にする必要がありますが、目や耳、肌で感じたことをすべて言葉で説明することは実質難しいです。
しかし、体験に言葉でラベルを付けたことによって記憶に残りやすくなり、
思い出しやすくなります。
体験を100%言語化することは不可能に近いですが、
言語化することで記憶に残り、具体的に思い出すことができるようになります。
■生の体験を言葉にしないともったいない
Aさんは「やばい!」としか体験に対して言語化できなかったため、
何かを得る事は難しいかもしれません。
一方Bさんは、ホログラムやライティング、モニタで歌詞のメッセージを伝えてもらった体験を言語化しました。
Bさんはこの体験から、メッセージの伝え方はいろいろあることを学ぶかもしれませんし、ホログラムの技術に興味を持つかもしれません。
モニタに移った動画やライブ映像に効果をつける演出に何かを感じるかもしれません。
ホログラムを作る会社に入って、メッセージを伝える仕事をやってみたいと思えたならば、
ライブという体験がBさんにとって人生を変える経験になったということになります。
体験に対して何か言葉で意味を与えることが「経験」となります。
体験を言語化することは、体験に意味づけする際にとても役立ちます。
思い出に残りますし、体験した事実から自分が何を得て
今後どのようにその体験を活かすか考えるきっかけになります。
そういった意味で生の体験はなるべく体感した事実を言葉にしないともったいないです。
「マジやばい!」という感想で終わらせることは非常にもったいなく感じます。
■経験の質を上げる方法
ここからは私なりの”経験の質”を上げる方法を紹介していきます。
経験の質 = 体験の数・質 × 言語化のレベル
と考えています。
体験の数・質と言語化のレベルを上げることで経験の質は上がっていきます。
①体験の数・質を上げる
まず経験の元となる体験の数または質を増やします。
同じ体験を繰り返すのでもいいですし、異なる体験をいろいろやってみるでも良いです。
特に体験の質を上げるには、お金を払う体験が良いと思っています。
理由は下記です。
・普段体験できない内容である可能性が高い
・お金を払っているので、自分に何かを還元したい意識が生まれる
・体験に対して特別な意識が向くので言語化しやすい
お金を払わずともできる体験はたくさんあるので、
一概にお金を払う体験をすべきとは言えませんが、
体験を脳に残すといった意味でお金を払うという手段は有効になるかと思います。
②言語化のレベルを上げる
言語化のレベルを上げるイメージは下図のようなイメージです。
①生の体験の言語化
②体験に意味付けをする言語化
言語化は2回登場します。
①生の体験の言語化は、生の体験という球から円を切り出す作業です。
言葉で多彩に表現できれば円は大きくなり、
「やばい」などの言葉で感想だけ述べてしまうと円は小さくなります。
体験を言語化する際は、なるべき五感で感じた事実を言葉にすることが重要です。
事実とは、誰がその場にいても変わらない不変の事象のことです。
一方、感想などの主観は、ある事実に対して人によって異なる意見や感情のことを言います。
事実と主観は意識して分けるようにしましょう。
体験を言語化する際は、事実に注目して言語化します。
一方で、②体験に意味づけをする言語化は、感想や意見、感情、思ったこと、感じたことのような主観をモリモリ言葉にしていきます。
興味が芽生えたり、価値観が変化するような主観が得られれば、
その経験はより質の高いものになります。
体験という事実から何が得られたか?
という問いを自分に投げかけてみると考えやすいです。
何か衝撃的な体験があったときには、主観を書き出してみると面白い気づきが出てくるかもしれません。
普段から体験に言語化するということはなかなか難しいと思います。
手帳の端っこに書いてみたり、日記に残すといったことをしてみると
経験が積みあがったり、過去と今の自分の価値観の変化を感じることができるので書き残すことはおすすめです。
体験に意味づけをする際は、下記の問いを自分に投げかけるように意識しています。
言語化のコツは下記の記事でも書いてみたので是非参考に覗いてみてください。
■まとめ
・体験は事実を意識して言語化する
・体験の数と質を上げることで、経験の質が上がる
・経験は自分の主観に基づいて言語化する
・体験への意味づけの言語化レベルを上げることで、経験の質が上がる
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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