もう一度読みたい本ーその1

図書館が休館で本が読めない…
本屋に行くのもままならないし、
大量に本を購入する資金もない。
自分の読んでいた本は実家でとりにも行けない。
不憫だ。
ネットでポチッとして読むといっても
なぜか本を読んでいると
息子が邪魔する。
という具合に本との縁が持てない昨今。

本のことを忘れぬように
勝手に自分のお薦めの本を考えてみました。

まずは古文です。
ベタですが『源氏物語』です。

小学4年生ぐらいの時におたふく風邪で二週間ほど学校を休まなければいけない時期がありました。
おたふく風邪なので顎のリンパ辺りが腫れて、痛い…口も開けられない。
桃缶とお粥と飲み物ぐらいしか飲み食いができない。そしてとにかく暇。
そんなとき『漫画で読む古典』という番組がやっていました。たまたま見たら源氏物語の回で光源氏役の声優さんの声に心を奪われる。
そこから光君が気になり、おたふく風邪回復後、光君の話を知りたい一心で図書室にあった源氏物語を読んでみる。その当時、読んだのは原文に解説があるものでした。古文なんてまだ、習ってもいないので、今思うとなぜ、読めたのか謎ですが、読んでいました。おそらく大半はわたしの妄想だったのでしょう。
それから時を経て25歳ぐらいの時です。
体調を崩し、実家に戻っていた時期にこれまた暇だったので図書館に行ったら
瀬戸内寂聴さん訳の源氏物語があったのです。
懐かしくなり手に取ると、今度は原文ではなく現代語訳なので面白い。

火曜サスペンスとか土曜ワイド劇場とかが好きだったわたし。
54回の連続テレビドラマかって感じで面白くて、一日中、読みふけっていました。
光君のイメージは誰がいいかと好きな俳優さんで想像してみたりと妄想が妄想を呼び、時間があっという間に過ぎてしまいます。

歴史に詳しい訳ではないのですがこれを読むと平安時代の貴族というものの生活や文化などが自然と学べるのではないでしょうか。

古文って学校の授業だとつまらないとか難解とかっていうイメージがあると思うのですが
読んでみると面白いですよ。
解説とか現代語訳とかもたくさんありますし、分からなくたってテストじゃないので、気が楽です。
『伊勢物語』も小学生の時に読みましたが、わたし、おませちゃんだったかもです。
平安時代も現代も男女の悩みはさして変わりません。
ある人物の生き様を物語として書き残す。
小説の基本だと思います。
だから時を経てもなお読まれていく作品なのだと思います。

勝手に素敵な光君を想像したり、
自由に俳優さんをキャスティングをして映画化したらとか妄想したり、
等々、楽しめます。

わたしはよく、物語のなかに自分が登場したら…と想像して、自分で勝手に新しい物語を作ってみたりします。
光君に夜這いされたら…とか薫君の想い人が実はわたしだったらとか…この物語はいかようにも想像を膨らませることができます。
なんだかまた、読みたくなってきたと言うより逢いにいきたい。

最後に読んでからもう十数年の年月が過ぎているので
きっと違う発見があるかもしれない。

そういえば25歳ぐらいの時にギリシャ神話も読んでみました。
こちらはこちらで人間よりも人間くさい神様たちのドロドロしたお話にはまってしまった記憶があります。

わたしは瀬戸内寂聴さんの訳しか読んでませんが、他の方の訳を読んでみるのも面白いかもしれません。

学校の勉強とは違うところで古典に触れていたわたし。
『竹取物語』『徒然草』『枕草子』と小学生の頃に感覚で読んでいたと思うとよっぽど空想癖の強い子だったのでしょう。
原文はわけわからないけど、なんか響きがいいとか思っていたかもしれません。
解説とか訳を読むとなんとなく書いていることはわかった気になるのでなるほどそうなのかぁと知ったふりをしていた小学生でした。
でも、何でわたしの小学校の図書室には対象年齢が少し上の人が読むような本がたくさん、あったんだろう。田舎だったから、寄贈本が多かったのかしら?誰も読んでないだろうというような本ばかり読むような変わった子でした。

ちなみに
読書、特に物語系は字を読むのではなく、映画の画面のように頭のなかに映像が浮かんでくるのでそれを見ている感じが強いです。
だから1つ勘違いをすると話が全く違うときがあり、読み直して驚くこともあります。
自分の想像が勝ってしまうのか展開が全く違うことも…
とにもかくにも話にのめり込みやすい質です。

これを書いているそばから
わたしの頭のなかでは光君や薫君が
悩ましく動いております。

もう一度読みたい本ではなく
もう一度逢いたい人になってしまいましたが

『源氏物語』

この機会に御一読あれ。

あなたと本に素敵な出会いがありますように。
羊でした。

ありがとうございます。 サポートで頂いたお金は apple pencilを購入してイラストの勉強に励みたいです。