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好きではない仕事

僕は好きではない仕事をしている。しかし、満足だ。何をしてるの、に答えれば、僕はWEBプログラマをやっていて、毎日PC(結構ボロい)の前でキーボードを叩いている。

少し僕のことについて話そう。僕は大学で物理を勉強していた。当時は、僕は物理学者になる、と決めていたし、確信もしていた。しかし、僕は当然通るべき大学生活が苦手で、最終的に精神を病み、中途退学をすることになり、なりたかった物理学者への道を断念せざるを得なくなった。

ここまで読んでいただければわかる通り、僕の好きは研究だ。プログラミングではない。当然プログラマという仕事も好きとは言えない。でも満足はしている。なぜか?

僕は大学を中退した後、失意の中、職を転々とした。精神状態(この頃に双極障害の診断を受けた)も悪くなっていき、最終的に生活保護を受けながらB型作業所(ゆるく仕事をするところ)に通所するようになった。
B型作業所の工賃は時給300円ほどだった。最低賃金が適用されないためだ。また、生活保護を受けているため、稼いでも手元には僅かしか残らなかった。そして、生活に困窮することになる。
困窮すればまず真っ先に趣味は諦めなければならない。当然、本が買えなくなる。専門書は高価なためより買えない。こうして好きだった物理の勉強もできなくなった。病状も困窮度合いに比例して悪くなっていく。
また、作業所での仕事も続けられるものではなかった。内容は全て肉体労働で、メイン作業のクリーニングは乾燥機の回る熱い部屋で重い汚れ物を上げ下げするかなり辛いものだった。
僕は金とそれを得る続けられる仕事がどうしても欲しかった。
どんな仕事なら続けられるか。とにかく続けられて稼げる仕事。それを考えた時、プログラマというのが頭に浮かんだ。
物理が好きなこともあり、仕組みを考えることが得意だったので、プログラマというのは僕にぴったりあっているように思えた。また、友人にプログラマやSEが多くいたのも後押しになった。
そして、僕はプログラマを目指し、とある就労移行事業所で勉強して、A型作業所であるもののプログラマとして働くようになった。

確かにプログラマは好きな仕事ではない。好きな仕事は物理の研究だ。しかし、僕にとってプログラマは平穏に続けられる仕事であり、稼げる仕事だ。稼いだお金で本も買えるし、最近では気に入ったクローゼットも買った。また、疲れて余暇の時間が取れないということもないのも嬉しい。もし、せっかく本が買えるのに読む時間がないとなったら、僕は平穏に仕事を続けられないだろう。

よって、僕は好きではないプログラマという仕事にとても満足している。

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