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痛みのない世界に住みたい

 痛い…

現在私の脳内を占めている思考、感覚の8割以上が「痛み」の事なので、あまりにも辛いから、ちょっと外に置きたくて、これを書こうと思った。

 物理的な痛みがもうひと月以上続いている。初めは腕と肩だった。
 いつもと違う、神経がビリッとなるような痛みが走って、これはまずい…と仕事を抜けて病院に行った。頚椎の歪みからくる神経痛ですねと言われて、薬を処方されたが、その薬が副作用が強くて、飲むと急激に(それこそ意識がなくなるように)眠気に襲われる。処方された期間飲んだが、毎日倒れるように寝てしまうし、昼間も自分の意思に関係なく、突然うとうとしてしまうので仕事に支障をきたしかねない。おまけに肩の痛みもよくならず、医者に相談すると、あっさり投薬が終わってしまった。
 神経に作用する薬は、抜く時にちょっと厄介だと聞いていたが、薬をやめてしばらく、夜も眠れないような気持ち悪さと、ビリビリと電気を流されているような痛みに襲われて、熟睡できない。

 困ったなあと思っていたら、突然今度は膝が痛みだした。
 何も特に心当たりがないのに、痛くて痛くて歩けないレベルで、右膝だけ腫れているし、足全体も浮腫んでいる。もしかして歩けなくなったらどうしようと思って、整骨院に行って治療を始めたが、骨をいじると副反応で痛みが増すことがあり、今はまともに歩くこともむずかしくて、びっこをひいて歩いている。

 痛みが脳内を支配していると、それだけでへとへとになる。
痛みを止めたくて、息が浅くなるから酸欠みたいになって何度もあくびが出るし、めまいもする。仕事中も気がつくと「痛い…」と脳内で呟いてるし、たまに声にも出てしまう。痛くない姿勢を探してうろうろする。気を紛らわるために、間食が止まらない。

これは辛い。

 痛みは人を暴力的にすることがあるので、過度にイライラしたり、人にあたったりしないように、気をつけて、怒りスイッチを遮断して過ごしていると、動作や受け答えまでものすごく緩慢になってしまって、本当に人としてこのままではいけない気がしてきた。

 痛みの感覚というのを人に伝えるのって、とても難しい。痛みは目に見えないし、自分でもどう痛いか説明する言葉が不足している。美容院で、イメージしている髪型をうまく説明出来ないのに似てるなあと思う。
 私の痛みは私のものだから、完全に理解してもらうのは無理なんだよね、でも分かろうとしてくれるとそれだけで気持ちが楽になるんだな…なんて、朝ドラ(おかえりモネ)を見ながら思ったり…。そうやって痛みについて思考を転がして気を紛らわせていたが、やっぱり気がつくと頭の中は「痛い…..」でいっぱいになってる。

 ここ1週間はとうとう歩行すら困難になってきて、痛みに耐えながらいつもの三分の一の速度で通勤しているので、いつもよりとても体力を使う。不安に思わないように努力はしていたが、いよいよメンタルも苦しくなってきた。

 病院、時間がかかるし、また伝わらないんじゃないかと思うと行く気になれない。ひと月以上休日を返上して通った病院も今はやめてしまっている。でも、これ以上歩けなくなると本当に困る。病院、もう一度探そう。痛みと向き合うために時間を作る努力をしよう。

ちゃんと生きるって、めんどくさいな。

痛みがない世界にいきたいよ


あとがき
たかだか痛みを取りたいだけなのに、人に助けてもらうためには色んなエネルギーが必要なんだなぁと今更ながら気がついた。
伝えようとするだけで、大変な場合もある。逆の立場で誰かの痛い、苦しい、助けてっていうサインを受け取った時、ちゃんと気付けるようになりたいな。難しいけど。



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