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歌舞伎座でど肝を抜かれました。

歌舞伎俳優で有名な方々を、テレビでは見たことがあります。古典歌舞伎の衣装やお化粧も何となくわかります。何やら独特の語り口調や、「よっ、成田屋!」とか屋号が客先から放たれるのもテレビで見て、興味を持ったことはあります。

歌舞伎のことはほとんど知らないけど、「どんなものか、行ってみよう。」で娘と出かけ、銀座歌舞伎座の前に降り立ち、そのたたずまいに驚きました。大きくて立派な建物。

開演まで、地下のお土産物などを見て周り、予約していた「イヤホンガイド」を手にして会場の中へ。

いやぁ、そこはもう別世界でした。一気にワクワク感が高まります。

そして「カン、カン」と柝(き)が高鳴って幕が上がります。

するとどうでしょう。金ピカのインドの神々がズラリと並んで高いところに、座っていらっしゃいます。何もかも金ピカで、豪華絢爛(ごうかけんらん)。眩しすぎて、「うおーっ」と会場がどよめきます。

この時点で私のハートは鷲掴みされて、その後4時間、目を見開いて食い入るように見ていました。

今回の歌舞伎の演目は「顔見せ大歌舞伎 の“マハーバーラタ戦記”」というもので、「顔見せ」とは向こう1年間この顔ぶれでやります。と毎年11月に行われる秋の風物詩だそうです。
「マハーバーラタ」とは”偉大なバラタ族の物語“という意味で王位継承者争いが元で、やがてこの世が終わると、神々が嘆(なげ)いている。荘厳な神々の世界から始まります。

那羅延天、シヴァ神、太陽神など神々の話し合いで、「戦争はどうすれば止められるのか。慈愛と力のどちらかが争いを止められるのか?」というのが大きなテーマで、単純な善悪、愛憎だけではない、普遍的な人間の姿を描き出した壮大な物語でした。

役者さんの一語、視線、僅かな動きににも魂が込められ、見るものを惹きつけます。

そして凡人ではない、神の子が非凡な力を持っていてもなお、迷いながら進む様子は、「神の後押しがあってもなお、迷ったり、苦しんだりするんだ。時には神との約束よりも自分が自分であることを選ぶんだ。」 と胸を打たれ、感動しました。

11時開演で35分と小休憩を挟んで、15時半頃までの公演でしたが、夢中で楽しめました。いえ、退場して一日以上経ちましたが、まだ楽しいです。娘と「本当に良かった。楽しかったね、すごかったよね。」と100回くらい言いましたが、この感動と余韻はまだまだ私を興奮させてしまうほど熱いです。

昔ながらの歌舞伎のセリフの掛け合いや、長い髪を持って振り回すあれ、勇ましい見栄をきるところや、現代のインド映画を取り入れたりと、見どころ万歳で、娘は女役の役者さんを“女性”と思って見ていました。声も所作もお顔も女性にしか見えないんです!

イヤホンガイドがあって、内容もよりわかりやすかったです。が現代風の言葉で私たち初心者でもすっごく楽しめました。

観覧席は奮発して一階の前から三列目。花道から三席目をチョイスして、一万八千円と高額ですが、目の前で役者さんがばっちり見られて、声もよく聞こえるし、迫力をより感じられたので、大満足です。

脚本が素晴らしく、歌舞伎の技法、演技、舞台、全てが最高でした。

そして歌舞伎の余韻に浸りながら、上野の美術館を観覧して、上野駅のタイメイケンでハヤシオムライスとハンバーグのセットをかき込みました。すっごく美味しかったです。卵はふわトロでハンバーグもまちがいない。「メニューで見るよりも大きい!すごくない?」と娘も喜んでいました。


歌舞伎って素晴らしいですね。演目によっても様々な感動や気づきがあるのでしょうね。

歌舞伎座は
ドレスコードも無く、普段着の方からお着物の方などそれぞれ。
イヤホンガイドを利用すると、内容がより分かり易い。
お席は3000円代から数万円まで、場所による。おすすめは一階の3列。
右と左の花道を役者さんが通るので花道近くもおすすめ。
開演までに、地下のお土産やさんを見たり、パンフレットを購入してあらすじや出演者をチェックする時間が欲しい。
昼休憩は35分ほど。地下や近くで食べることもできるし、お弁当を客席で食べることもできる。
とっても素敵なところです。

歌舞伎が気になっている方の参考になればと思い、書きました。

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