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一抹の夢日記

私はこれを起きがけに書いている20年1月26日3:56のことだった


みんなが集まってくる。
「ありがとう」そう声をかけると同時に、私は、足を変える方向に向けていた。
この草原から逃げなければ。
たくさんの人物が私を探していたかのように近寄ってくるが、そんなのは私の気のせいで、それに気づいてしまえば、深く傷つく。
高校の同級生達に別れを惜しむまもなく背を向けた時だった。その中の2人に呼び止められた。有岡と静川だ。

「また行っちゃうんだね」

「きみはいつもそうだよね、私はあの時泣いたのに…」

彼女の短髪が良く似合う美しい顔にはうっすらと涙が。
ずるい。こんなはずではなかったのに。
昔から彼女には、弱かった。

「まって、思い出す。思い出せる。」
記憶の糸を手繰り寄せる。切れないように、ゆっくりと優しくでも、確かに指をあてがう。


あの時たしか私は―

「冷たい石のまえにいる。白くて薄いそれらの石たちの前からは、生気が感じられない。ただ静かにひっそりと眠っている。」

これは、墓地…?

私を囲む群衆の中でしっかりと、泣きそうな彼女だけを視界に捕える。
何かあるはずなんだ。何か。

いつもはふざけたからかい口調で、口の大きな人の側に立つような彼女。悪く言えば、中身がない。見た目に騙されて、何度心の中で泣いたか。
そんな彼女が、こんなみんなの前で涙を見せるはずがない。
今の状況がおかしいのか?また騙されて、1本取られるのか。いや、それは信じたくはないな。二人でいる時の彼女は、優しくて心強い。(この評価も後で書き換えることにしよう。)
それとも、本当に大事な何かを忘れかけているのか?

これは夢だから、思い出す必要は無いのだが、「思い出す」と約束してしまった以上どうしても気になるのだった。

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