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母親は、お腹に子どもを宿したときから母親になる。父親は、いつから父親になるのだろう。

「父親は、いつから父親になるのだろう」という言い方はおかしいのだが、言わんとしてることは伝わるだろう。

母親は、子どもをお腹に宿すので、母親になるという自覚がすぐに芽生えるものだ。また見た目も変わり、「これから子育て大変だわね」なんて周りの人に言われる。子育ての話を聞いたりと、周りの人もそういう接し方をするのだ。

母親は自然と、周りからも、自分の体の変化からも「母親」へと導かれるのだ。
だが、父親はどうだろうか?

体の変化も特にない。母親は、妊娠中、ホルモンのバランスの影響で心が不安定になったり、つわりがあったりする。そんな妻の様子を見て、同じように不安定になったり、つわりになる人もいるらしいが、体が変化している訳ではない。
そして、見た目も変わらないから周りから言われる訳でもない。もし、男性が一人で歩いているときに、「あなた、もうすぐ赤ちゃん産まれるのね」と知らない人に声をかけられたら、その人は超能力者か何かだ。ただ者ではないだろう。

父親が自ら、子育てのことを調べ、自分自身で「父親」になる準備をする人もいるだろう。情報や知識は持てるが、それは実感ではない。

私の夫は、子どもが1歳になったくらいに、初めてニ人で遊びに出かけたことがあった。そのときに、「あぁ、自分は父親なんだなぁ」と実感したと言っている。
それまでに抱っこしたり、おむつを替えたり、お風呂に入ったりと、子どもと関わっていたけれど、父親だけど父親の実感がわいていなかったらしい。

それは仕方ないことだ。1歳くらいまでは子どもと母親はほとんど離れることがないのだ。父親の入る余地がないという感じだろう。
そうなると、父親って何なんだとなってしまうのも無理はない。

子どもが1歳までは、子どもの世話だけでなく、ぜひ父親として妻に、いや母親に接してみてはどうだろう。
二人の間に生まれた子どもは、二人にしか分からない共通の話題や感情があるはずだ。自分が仕事へ行っている時は、そのときの子どもの様子を聞いて欲しい。仕事から帰ってきたら、食器を洗って欲しい。子どもが寝たら、温かい飲み物を飲みながら、母親の話を聞いて欲しい。休みの日は家族で買い物へ行って欲しい。

父親も、母親がお腹に赤ちゃんを宿したときから、父親なのだ。
子どもに何かをする事だけが、父親ではない。
母親に寄り添うことも、父親だと私は思う。

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