コロナ後、ゲストハウスの中長期滞在はどうなる? 予測と計画。
先日、ゲストハウスの運営者として、申請していた「事業再構築補助金」が採択され、事業計画書を全公開しました。
そちらは地域のゲストハウスや飲食店のオーナーさん向けの公開でしたので、今回は僕が運営する「ゲストハウスますきち」にご興味持ってくださる方に向け、これからどうなるのかをお伝えしたいと思います!
今後は中長期滞在プランを充実させたいと考えています。どうして、その判断をしたのかについても、まとめたので、宿関係者の方などにもご覧いただけたら嬉しいです。
個室4部屋とワークスペースをつくります
これまでは、民泊運営による許可の問題で1階のみを使用。部屋数は個室3部屋に加え、ドミトリー(相部屋)1室で、定員は15名でした。
今回は、これまで手付かずだった2階を改装。個室4部屋を増やし、それにともない、定員も8名増えます。
それに加えて、リモートワークがしやすいカウンターやテーブル席を新たにつくる予定です。Wifiの速度を上げ、プリンターも設置する予定です。
瀬戸で採れる粘土を混ぜた漆喰(しっくい)、天井は古材。解体して出てきた床の間の板などでテーブルをつくる予定です。
現状は畳に座布団やフローリングにソファなど、みんなで話しやすく設計されていたため、新たにつくる2階はパソコン作業など、もくもくと作業がしやすい環境を整えたいと思っています。
中長期の滞在プランを充実させます
「ますきち」がある愛知県瀬戸市は、名古屋の中心部から電車で30分ほどの距離にあります。都会でも、大自然を楽しめるまちでもありませんが、やきものの産地という特徴のあるまちです。
まちの空気感を味わうなら、1週間から2週間ほど滞在していただけると、ちょうどいいのかなと考えています。その中で、充実した時間を過ごしていただけそうな滞在プランを考えています。
1)フリーランス向けのワーケーション
2)お試し移住
3)アーティストインレジデンス
4)職人弟子入りプラン
こちらの4点です。意識したことは、プランと自分たちがやってきたことが噛み合っているか。理由はこちらです。
1)フリーランス向けのワーケーション
瀬戸には、陶芸家、アーティスト、作家などが多く住んでいます。DMやポスター制作などのために、カメラマンやデザイナーなどのクリエイターが常に行き来し、街を気に入ってもらえているようです。
とくに名古屋を拠点にされている人にとって、気分転換の需要があるのではないか。また、ますきち周辺はスーツ姿の会社員は少なく、平日は働かないと! という雰囲気がなく、のんびりできる。
2)お試し移住
ますきちの理念が「愉快に暮らす仲間づくり」のため、以前からお試し移住はやりたかった。
1週間以上の滞在の場合は、初日は一緒にご近所めぐりをできたらと思っています。瀬戸の情報は、お会いした時に直接お伝えしたり、瀬戸の町歩きWebエッセイ『ほやほや』などでも発信しています。
いつか市役所とコラボできたらいいな〜、、、ともくろんでいます(笑)
3)アーティストインレジデンス
ますきち近くには、陶芸家やガラス作家の制作活動を支援する市の研究施設、アーティストのスタジオなどがあり、作家が集まっている。
これまでも関係者の方から宿泊の相談をいただいていました。1週間滞在して、作品をつくってもらい、ますきちに展示してもらうことも検討中で、安く宿泊してもらうことも。また、市内のほかの宿泊施設と比較して、長期滞在はもっとも安く提供できる。1週間で17,600円から検討中です。
4)職人弟子入りプラン
陶芸体験を求める方が一定数いる。通常の一度きりの体験では、自分が手を加えられるのは、全行程のうち1、2割。けれど、2週間の滞在であれば、成形し、釉薬を塗って、焼くところまでできる。提携できる工房があるので、これまでにない体験が提供できる。
中長期の滞在の需要は、つづくのか?
工事の完成は、2022年2月頃を予定しています。現在、コロナ禍のなかで、宿泊施設での中長期滞在が増え、独自プランも次々に打ち出されています。
「Airbnb」では2021年第1四半期決算を公表していて、宿泊数の24%が28日以上の長期滞在でした。(動画はCEO Brian Cheskyが今後の旅のトレンドを語っていて、とてもおもしろいです! )
京都にあるゲストハウス(簡易宿所)では、2019年から現在で約800軒が閉業している一方、ここ1年で1週間や1ヶ月単位の宿泊プランが続々と登場しています。
2021年6月14日からは、観光庁によりワーケーションなどの「新たな旅のスタイル」のモデル事業の公募も始まっています。
コロナの収束とともに、中長期滞在ブームは終わるかも?
ただ、僕はコロナの終息とともに、中長期滞在プランはやめてしまうところが多いんじゃないかと予想しています。もともと観光地の稼働率が高いところは、やっぱり短期での宿泊のほうが儲かるからです。
ですから、僕がプランを仕掛ける予定の2022年の3月、4月にはブームは去っていることも予想されます。それでも、やりたいと考えています。
観光地ではないゲストハウスは、中長期滞在の継続を予想
ブームが去ったとしても、リモートワークなどで中長期滞在をしたい人は一定数残ると思っています。ブームが終わるのは、求める人が減るからではなく、宿側が儲からなくなる時です。
観光地ではないゲストハウスは、週末は遊びにくる人向け。平日はビジネス層の需要があって、開けている宿が多いです。
ますきちの場合は、ビジネス層は狙っておらず、もともと平日はやっていません(笑)。今後、中長期滞在プランをはじめたとしても、受付を週末限定で開始する予定です。
あとは、宿泊されている方に自由に使っていただく。そうすることで、スタッフが常駐する必要もなく、無理なく、続けられるのではと考えています。
この、中長期滞在利用を通して、瀬戸に通いたい、住んでみたい! という方が増えれば、ますきちの理念である「愉快な仲間を増やす」へとつながっていくので、がんばります!!!
いただいたお金は、瀬戸市の飲食店で美味しいご飯を食べるために、使わせていただきます😏