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庭シンポジウムに参加して

庭の多様性と拡張する庭師の仕事


先日、季刊誌NIWAが主催するシンポジウムが開催され参加してきた。

私が参加したのは第2部トークセッションで、大阪で活躍する同業者と、この春この道2年目をむかえる見習いの若い子たち数名で庭の仕事の魅力と後継者問題について話し合って来た。

このシンポジウムにはあるきっかけがある。


NIWA the rookies meeting と言うキャッチコピーを元に私達は庭の仕事を広げたり、雇用促進の活動をしているのだが、私達職人は今までこの様な活動は全くもって怠って来た。
私は大阪府の造園業者創都代表の清水さんの行動に賛同して関東圏でこの活動を2020年より始めたのです。

その活動に対して季刊誌NIWAと建築資料社が興味を持ち今回のシンポジウムが開催されたのです。

職人の仕事は見て盗め、語ってはいけないと教育されてきました。体で覚える仕事ですのでそれで良かったのです。しかし時代が流れ発信配信が常になり、語らない業界は影に追いやられはじめてきたのです。
おそらく植木屋の仕事は消えて無くなりはしないでしょう。しかしこのままでは日本らしいと言うか、日本の感性をもった庭は薄れてしまうのです。

技と言うものは身につくのに月日がかかります。10年一単位で進んでいきますので、私達現役が爺さんになってから慌てても手遅れなのです。

と言うわけでトークセッションは「植木屋は後継者に不親切であった」を皮切りにはじまったのです。
内容は会場参加の方々やオンライン参加の学生、同業者、教育関係者に向けて話が繰り広げられていきました。
庭の仕事とはどういった事をするのか、どんな所が魅力なのか。その様なことを話し合ったのですが、実際言葉にするのは難しいものです。

登壇した若い子たちは大変やる気があります。自分の考えを持っていて、それに対して努力をしているように感じました。
そして更に素晴らしい所は彼等の親方たちです。若い子たちが努力をするようにしっかりと厳しく分かりやすく伝えているのです。
そう言う時代になったのです。
私は感激しました。私も努力を休まずその様な親方を目指していこうと心を打たれました。

見て盗もうが、教わって覚えようが結果はきっと一緒でしょう。
努力をしなければ篩い落とされてしまう。
篩い落とされるとは残酷な言い方ですが、原因と結果がそこにあるだけと。
いつの時代もそうなのであろうと感じました。
人間はあらゆる刺激で成長していくのでしょう。成長と言うものだけ取れば年齢も経験も関係ありません。何の違いがあるものかと心が熱くなったのです。


そして更に思った

私は庭を伝えたい
私を見放さなかった諸先輩方のためにも、これからやって来る希望のためにも
私は庭を通してたくさんの事を学んでいきたい




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