2022年のインターンを振り返って/ひととき
みなさん、はじめまして、こんばんは。
福島県の西会津町で「暮らしの体験宿ひととき」という小さな宿を運営している、佐々木祐子です。
気づけばもう2022年も1か月となりました。
振り返ることがたくさんあった一年のなかで、学生さんやキャリアブレイク中の社会人の方と出会うきっかけとなった「ひとときインターン」にでの私の気づきを今日は書いてみたいと思います。
ひとときインターンって?
さて、今年も20人以上の方がひとときインターンに参加してくれました。(3泊以上滞在の方の人数、それ以外にも一日だけの受け入れを含めると40人ぐらいきているかな)
今年は、一度インターンに参加してくれた学生さんがお友だちを紹介してくれたり、noteの記事をみつけてきてくれた人が多かった印象です。
2022年、全国各地からひとときを目指してわざわざきてくれた皆さん、本当にありがとうございました!
一番遠くは徳島県から夜行バスを乗り継ぎ来てくれた子も。
現在も何人から春休みのインターンのご相談を頂戴しておりますが、この先のインターン募集については現在検討中。年内には来年の方針も含めてお知らせできればいいなと思っています。
さて、そんな遠くからわざわざ来てくれる学生さんもいるこのひとときインターン。
とっても特殊です。
というのもインターンというと就職活動の一環で、就職したい企業の仕事を体験するイメージをお持ちではありませんか?
でも、ひとときインターンは、就職に直接役に立つわけでもなく、決められたことを毎日ただこなすインターンでもありません。
日々変わるゲストさんやその時々に開催するプログラムによって仕事の内容はめまぐるしく変わります。
特に今年はコロナが落ち着いたこともあり、夏休みのひとときはもう想像以上の忙しさでした(ありがたいことに!)
ですので、田舎のゲストハウスだし、のんびりする時間がたくさんあるだろうと思ってきた人の期待を裏切るときもあったかもしれません。
だからこそ、参加する人にとってはぴったりはまる人もいれば、もういやだ!ここじゃない!という気持ちになった人もいるでしょう。
受け入れる私たちも一人一人の学生さんのおかれている環境、求めるニーズ、そのときの感情が一人一人異なることを改めて感じ(そりゃそうだなんですけどね)、受け入れの正解は考えないようにと思いつつも、時に何が最適解なのかと悩むときもありました。(正解なんてないよと伝えつつ)
そんな風に感じるのも、ひとときの暮らしと仕事が切っても切り離せない環境にあるからかもしれません。
暮らしを共にすることで
暮らしをともにすることで浮き出てくる「人柄」は、zoom上の面談では決して知ることができません。「仕事」と「暮らし」を共にするってきっとこれまでの学校や社会の中では体験できないことなのかなと思います。
だから、そういう意味でもひとときのインターンは特殊な環境です。
人と暮らすことで対話の時間もきっと普段の暮らしよりもぐっと増える中で「自分」という解像度があがっていく感覚を覚える人もいるかもしれません。
ただ、これは一人一人の状況によって「自分」の解像度を上げることが今この瞬間がベストなタイミングかどうかは別の話なのかなとも感じる一年でした。他者と暮らすことで、自分に向き合うことが多めになるひとときの環境で
それよりも「ただ楽しい」、「役に立てた」「おいしい」「しあわせ」みたいな純粋な感覚の方が大切な人もいるし、一方でもっと「はたらく」ことを体験したい人だっている。
募集の方法変えてみよう
なので、来年からは募集の方法も工夫したいなと感じています。
「ただここにいること」を感じてみたい人、「やりたいこと」をこの場所で小さくても形にしたいと思っている人。
受け入れのコースみたいなものを分けるのも一つなのかもと。
「ただここにいること」の人は滞在場所のお掃除などはしてもらうけど、こちらからは何も求めない。ただ、この上野尻にいることを楽しんでもらってもいいと。
もしかしたら何かをしたくなったら、してもいいし、景色を眺めて、誰かを暮らしを共にし、時には町の人と話したりもその人のペース。
自由がある分、滞在費用はいただく形になると思います。農作業などはあったほうがいいかもしれないけれど。
「やりたいこと」の人は、ひとときのヴィジョンや今後の取り組みに共感してもらえるのが前提。私たちからの具体的なやってほしいこともお願いするので、取り組んでもらう分、滞在費や交通費を補助していく。
自分で選んでいい
まだやりたいことも決まっていない。むしろ「やりたいこと」という言葉の枠に収められることに強烈な違和感を感じる人もいるかもしれない。
でも一方で考えはあるけれど一歩を踏み出せなくてモヤモヤしている子もいるかもしれない。
どちらがいいではなく。自分は今どちらなのかを認識する場所としてひとときを利用してもらえたらうれしい。
たぶん、ここでの時間を過ごした子たちは、もっともっと自分に合う場所を求めて動き出す気がしている。
いつでも戻ってきていいよと言葉にはするけれど、多くの人がここでの気づきをもって次なる場所を探しにいくから、戻ってくることは稀有なことだなとも感じつつ。
何かの折に思い出してもらえたらすごくありがたいなと思う。
現段階の考えなので、必ずしもこうなるわけではなですし、みんなも私たちも少しずつ変わっていく中でお互いが学びあえる環境ってなんだろうかを考えていきたいと思います。
インターンを終えたら
そうそう、ひとときインターンを一度体験した子は次はサポーターになってほしい。ずっとインターンもよいけれど、きっと何か変わっていった方がいいかなとも感じる今日この頃です。
一緒に試行錯誤したり、このゆらぎもおもしろそうと思ってくれる「あなた」と来年ここで会えますように。
こうやってたくさんの気づきをくれたこれまでのインターン生にも心から感謝します。みんなのこの先の人生も喜びで満ち溢れますように!
2022.12.2
ひととき オーナー
佐々木祐子
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