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自分らしい将来を考えるには、まず自分を知るところから -SSIA in 西会津に参加して-

先日開催されたSSIA(Seed program for Social Innovation Accelerator)プログラム in 西会津に参加したゲストハウスひとときインターン生の土路生知樹(とろぶともき)です。

SSIAプログラムは、東北起業家育成プログラムであるSIA(Social Innovation Accelerator)の卒業生が各地の起業家人材を伴走・応援し、それぞれの事業の実現可能性を高め、東北の社会課題が一人一人の力によって解決されることを目指し2021年度秋よりスタートしたプログラムです。SSIAプログラム in 西会津ではSIAプログラム2020を卒業したひとときオーナーでもある佐々木祐子さんをファウンダーとして開催されました。

SSIAに関する詳しい内容はこちらのリンクからご覧ください。



私は「SSIAに参加してみる?」という祐子さんからお誘いを受けて参加をしたのですが、正直に言うと少しだけ戸惑いました。これから活動をしたいという方と関わる機会に好奇心もありましたが、それ以上に、起業意識のない学生の私が参加してもいいものか、エネルギーに溢れている社会人の中で疲れてしまうんじゃないかという気持ちが大きかったです。


祐子さんに「これからどんな働き方をしたいか考えるいい機会になると思うよ」と言っていただいたから参加を決めたものの、最初は「自分から参加してみよう」という気持ちではなく、「成長の場を与えてもらっているから参加しよう」という受け身な気持ちでした。プログラム後の心境に大きな変化があるとは、その時は想像していませんでした。

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プログラムは全三回、前半二回は講師の方が西会津町にいらしてくださり、講義とワークをしてくださいました。講師の方は、本多智訓さん(一般社団法人 IMPACT Foundation Japan 事務局/MARUMORI SAUNA 代表取締役)、佐々木綾子さん(特定非営利活動法人STORIA / 代表)、小川智美さん(株式会社ドリームラボ / 代表)の3名です。

参加者は、地域おこし協力隊として活動をされている方が2名と、これから本格的に食や農業に関わっていきたいと考えている方が2名。ゲストハウスひとときのスタッフでやりたいことの実現に向かって動き出したいという方1名と、私の計6名でした。会場には少人数だからこそ参加者がお互いに会話をしやすい空気が流れていて、各々でやりたいことがある一方、心の中にはモヤモヤもあり、未来に向けての一歩を踏み出すことが難しいという悩みをそれぞれが抱えていました。

【Day1】

Day1では、本多智訓さんにライフラインチャートを使いながらマイストーリーを語っていただき、参加者である私たちのストーリーも深堀りしていただきました。これまでの経験を表面的に説明するのではなく、その経験の時に感じた想い、その経験が自身の心にどういう影響を与えて、どう向き合ったか掘り進め、自分のこれまで気づくことのなかった部分を参加者たちと共有しました。本多さんに過去の自分を探っていただき、これまでのモヤモヤやワクワクはどこから湧いてきたのか知ることで、これまでの感情が積み重なった先に今があるということを実感しました。

私のライフラインチャートを発表した時に本多さんから「環境に左右されやすいのかもね」という言葉をいただきました。チャートを作った時は何も意識していなかったのですが、確かに僕のワクワクやモヤモヤが変化しているときは身の回りの環境が変化した時ばかりだったのです。どうしてこんなにも環境ごとに変化してしまうのだろうと考えるきっかけとなった時間でした。

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【Day2】

Day2では、佐々木綾子さんと小川智美さんを講師として、午前中はお二人のマイストーリーを語っていただき、その後グループごとに参加者自身のストーリーもさらに深めました。人生を考える中で成功というものはなく、あるのは幸せかどうか。失敗というものもなく、それはただの経験で、素直な自分を愛することをご自身の経験から教えていただきました。

午後は小川智美さんがワークの講師となり「MIRAI MAP」という手法を使って、自分の好きなこと、得意なこと、興味のあること、強みを徹底的に探っていきます。
興味のあることという気持ちの中だけでも10種類に分け、自分の心を時間をかけて整理しました。一人でそれらのことに向き合うと言葉が出てこない感覚だったのですが、個人ワーク後、参加者同士で自分のvalue(強み、性格、特性)を伝え合うと自然に言葉が溢れてきて、将来こうなっていたいと心から思える未来を想像できるようになりました。

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【Day3 最終発表会】

最終回の発表では自分が1年後、または3年後どうなっていたいかを具体的にイメージするためのMIRAI MAPをそれぞれで作成をし、今の自分のvalue(強み、性格、特性)から、どういう自分でありたいかというvision(将来)、そのために取り組むmission(プロジェクト)を発表しました。起業意識のある方は、より明確になった事業のvisionの発表でしたが、大学生である私は事業をしているわけでもなく、起業意識があるわけでもないので、自分が将来どんな働き方をしていたいかを発表しました。

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私のvisionは

「子供たちの心と会話することができ、その気持ちに応える大人になる」
missionは

「自分の心を開き、その言葉を口にする」「相手の心に耳を傾ける」です。


SSIAに参加をする前から「教育に携わりたい」という気持ちはありましたが、それは社会がそうであったらいいなという気持ちから出ていた言葉でした。今回のプログラムを終えた今、「教育に携わりたい」という言葉だけでは自分を表現仕切れていない感覚があります。今の自分がどういう人間性で何にワクワクするのかを過去から探り丁寧に掘り進めたからこそ、自分らしい未来を宣言できたのだと思います。

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プログラムを終えた感想は人それぞれで、「自分の進むべき道を定めることができた」という人がいれば「自分を掘り進めることによって更なる深みが見えてきた」という方もいらっしゃいました。それぞれのvisionに向けて身近にできることから参加者たちは歩みを進め始めています。

【プログラムを終えて】

私は参加をする前の自分はvisionを設定することに漠然とした恐怖心がありました。その理由は「周りと見劣りするような目標だったらどうしよう」「自分自身が空っぽだったらどうしよう」「やりたいことと言われても思いつかない」などです。(当時はなんで恐怖心があるのか探ろうとも思っていませんでしたが。)周りを気にして、自分の心に向き合っていないから出てくる感情でした。「立派にならないといけない」という考えが自分の心に蓋をしていました。


今回のSSIAプログラムでの参加を通して、今まで漠然とモヤモヤとしていた気持ちの理由に気づくことができ、過去の自分を受け止めることができたと思っています。そして、自己肯定ができてワクワクした感情が湧いてくる実感がありました。「将来この職業に就きたい」ではなくて「将来、こんな働き方をしていたい」「成長するために何事も経験しておかなければならない」という意識から、「自分のやりたいことを実現するためにできることをしよう」という考え方に代わり、自分のありたい姿に向かっている感覚をこれからも持ち続けていきたい思える自分に気づくことができました。


最後に、自分の思い描く将来に向かって歩みを進めたい方に一つ問いかけをしたいと思います。

将来に向かって進みたいというその感情の源泉はどこにありますか?

“社会のため”、“地域のため”、“誰かのため”という方もいらっしゃると思います。私も子供と関わる教育がしたいと思い始めたのは「将来の地域を担う子供たちがその土地に愛着を持って欲しい」という地域を思う感情からで、その言葉の中で自分に嘘をついている感覚はなく、本当にそれをやりたいと思っていました。だけど、ワクワクすることかと言われると素直に頷けていなかった気がします。

「将来の自分がどうありたいか」という“自分のため”の将来を一度考えてみませんか。ワクワクの源泉は自分の心の奥に眠っています。今までの自分は何にワクワクとしたのか、何にモヤモヤしたのか、何が好きで、何をしている時に輝いているのか。今の自分の心を知ることでありたい自分の姿が見えてくるはずです。

自分らしい将来を考えるには、まず自分を知るところからだと僕は感じました。自分のための将来を描いてみませんか?心から湧き出るワクワクで自分らしい将来へと一緒に歩みを進めていきましょう。


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2021年11月30日

土路生知樹

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