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メンズコスメ

2〜3ヶ月に一度、息子の散髪について行って、理容室で1時間ほど過ごすのを楽しみにしている。わたしの髪のケアは美容室でしてもらうので、理容室に行くこと自体が珍しくておもしろい。

待っている1時間ちょっとのあいだ、コーヒーを淹れてもらって、男性向けのヘアスタイル提案雑誌やファッション雑誌などを読んでいる。

先月行った時に、メンズメイクの特集をしている雑誌があって、パラパラとめくっていたら、おっ?!と思うことが書いてあったので、それについて書きたい。

理美容師さん向けの雑誌

今や男性もヘア、スキンと美意識は高まるばかり。そんなニーズに応えようと頑張る理美容師に向けて成功事例をたっぷり紹介。カッコいい男性をプロデュースするノウハウがぎっしり詰まったマガジンです。

2020年4月号
■特集 メンズコスメ最前線。

メンズコスメ商材の相次ぐリリースで賑わった2019年。その流れを受けて2020年は、さらなるメンズコスメ市場の盛り上がりが予測されます。メンズ客を扱う理美容師も髪や頭皮にとどまらず、スキンケアや「男のみだしなみ」としてのメンズメイクの正しい知識と情報が求められる時代に。そこで4月号では理美容師のためのメンズコスメ、メンズメイクを特集。高まるメンズ客の美意識、そのニーズに合わせた「ナチュラルなメンズメイク」を中心に紹介。好印象になるためのメンズメイクの基礎メソッド(動画連動)から、お悩み&目的別メイク提案方法、そして最新プロダクトまで。メンズビューティのプロなら知っておきたい、メンズコスメ&メイクの最新情報をお届けします。(エイ出版社のウェブサイトから引用)

“メンズコスメ商材の相次ぐリリースで賑わった2019年”というところでまず、「へええ、昨年そんなことが起こっていたんですか!」と驚く。

知らない世界だ。

わたしはメンズコスメにはぜんぜん詳しくないけど。

「メンズコスメ」と聞いたときのイメージとしてあるのは、
・オイリースキンをさっぱり洗い上げてニキビを予防する洗顔フォーム
・肌もケアしながら剃り心地を良くするシェービングフォーム
・髭剃り後に荒れた肌をケアするローションやミルク
・顔のアブラ拭き取りシート
......ぐらい。主にスキンケア商品の印象が強い。

「メンズメイク」と聞くと、一部の男性が行うもの、例えばビジュアル系バンドか女性装をしている人というぐらいのイメージしかない。
身近な男性とコスメの話しないからなぁ。

この号によれば、近年は、
・SNSの写真映りをよくする手段として
・ジェンダーレスな自己表現として
・ビジネスシーンで好印象を与えるため
などの理由で、世代問わずメンズメイクのニーズが高まっているらしい。

それでいて、メンズメイクの第一歩アイテムとして紙面で提案されているのが、ベースメイク。しかも、

1. アイブロウペンシル
2. BBクリーム
3. リップクリーム

と、採り入れやすいものばかり。
さすが専門誌。ステップの見せ方がうまい。

メンズメイクをするということは、“印象をよくする”=“ネガティブ要素(ヒゲの青み、目の下のクマ、吹き出物、シミ等)を消し、キリッとさせるということ”
特に“人前に立つ” “人と接する機会が多い” 仕事をされている方には、ぜひ好印象になるメイクで、自身をブラッシュアップしていただくご提案をプロからしたいもの。

これを読んで、

\いい!メンズメイクいい!みんなやったらいいですよ!/

と、大声で言いたくなった。

そうそう、「女性」はこういうことを(も?)やっていたんですよ!
いや、人によって理由は様々だろうけれど、少なくともわたしはそうです。

わたしはかつてはばっちりフルメイクをして会社で仕事をしていたこともあったし、洗顔の仕方から立体的な顔をつくるメイクまで教わりに行ったこともある。
だんだんと歳を重ね、ライフスタイルが変化していって、今は日焼け止め、コンシーラー、フェイスパウダー、アイブロウペンシル、色付きリップクリームに落ち着いている。場や会う人によって服やアクセサリーでおしゃれをするときは、顔にも色をのせて、アイシャドウや口紅やチークを入れる。

わたしがなんらかメイクするのは、それによって気持ちが明るくなったり、気分が切り替わったり、自信が持てたり、自分を開放できるからだ。
このメイクの効用・効能を、性別をとっぱらってみんなが実感できたらいいだろうなぁと常々思っていた。だから、メンズメイク、やったらいいですよ!と思った。

それは、「今まで顔に何も手をかけていなかった男性がいきなり口紅を塗る」というような飛躍ではない。

たとえば、紙面で提案されていたアイテム。
・「BBクリーム」でシミやくすみや凹凸がカバーされて顔色がパッと良くなると気分も上がる。
・「アイブロウペンシル」で眉の形を少し整えると、顔立ちがはっきりとして気持ちが明るく前向きになる。
・「リップクリーム」を塗って唇のカサカサがなくなってうるおうと快適に過ごせる。(カサカサしていると痛いしグラスの縁に引っかかるし、小さくイライラしたり気分が下がる)

その先には、「装う」というメイクの世界もある。


自分に関心を持ち、自分を大切にするという行為としてのメイク。

「見た目より中身が大事」「ありのままの自分を見てもらいたい」という気持ちも、もちろん否定されるものではない。また、メイクは、「身だしなみをきちんとしておかないと嫌われるよ」という脅しや怖れからするものでもない。
目的があったほうがやる気が出る人が多いのか、マーケティングの常套手段なのかわからないけれど、「他者からの視線」を意識させるフレーズはよく見るけれども。

どんな自分として生きたいのか、誰とどうつながって関わって生きていきたいのか。願いを中心にしながら、自分の見た目を大切にしたり、身体の快適さを追求してもよい。そこがあってはじめて、「清潔感」や「好印象」や、もっと言うと「生きやすさ」が発生していくのではないだろうか。

この記事で語られていることとも近い。


【なんで人は化粧をするのか?】

(↑わたしには気になる表現もちらほらあるけど、対話のテーマとしてはおもしろいと思う)


メイクの話、楽しいな。
以前書いた美容の話が、また少し進んだのかもしれない。


*追記(2020.4.3)*

記事をリリースしたら「このインタビューおもしろかったですよ」とご紹介いただきました。表現すると展開するね!