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この先を書くための、わたしの人生の棚卸し

きのう、マイヒストリーの発表会をひらきました。

マイヒストリーの会とは。

一人の人間の人生を棚卸し、90分の時間の中で語り、聴く場です。
棚卸しをするプロセスと当日の参加者との応答の中で、発表者自身は学び、祝福されます。そして、聴くこと応援することで参加者も学び、祝福されます。
参加者は語り手の話をそのままに、大切に聴ける人。
アドバイスなし、参加者が自分のエピソードを話すのもなし。


マイヒストリーとの出会い

わたしはこのマイヒストリーの会を、2016年にライチさん(出版プロジェクトの執筆メンバー)から聞き、「わたしもやってみたい!」とずっと思っていました。


さらに、マイヒストリーにプラスして、「そのようなわたしとして、これからこのようなことを目指し、行動します!」という宣言と応援の場であるマイプロジェクトの会にも参加させてもらいました。

そして年月は流れ、仲間内で再びマイヒストリーやマイプロジェクトの場をひらく人が出てきました。2つほど参加させてもらったところで、「わたしも自分のヒストリーやプロジェクトを語ってみよう!」とようやく覚悟が決まりました。


わたしの動機

書籍「きみがつくる、きみがみつける社会のトリセツ」出版プロジェクトは、10代の人に今のわたしたちが手渡したい智慧、わたしたちが10代の頃知っておきたかった智慧を届けることをコンセプトにしています。

これまで習作のような小さな記事を書き連ねてきて、書くこと自体にはだいぶ慣れてきたのですが、いざ執筆テーマで書こうとすると、どうしても自分自身の人生の深いところにアクセスする必要がでてくる。そこで掘っていくのだけれども、途中でシャベルにガキンと当たる岩のようなものがあって、書き進めることが難しくなっていました。

もちろん、自分の人生に関係ありすぎるから、智慧を手渡したとと思い、書くわけです。しかし、「どのように関係があるのか」を、自分の魂から汲み上げられる言葉で、質量を伴って書けないことが、ここしばらくの悩みでした。

出版プロジェクトのスケジュールとしては、本稿をどんどん書いていく時期にきています。自分の人生にさらっとふれながら書けるかもしれないけれど、でもそれでは本にする意味がない...。この先へ進むには、抱えている荷物を一回下ろす、自分の人生の棚卸しをする必要があるのではないか。

そのように考えて、編集会議で「マイヒストリーの会をやってみようと思う」と言ってみたところ、メンバーから「それはすごくいい!」と賛成し、「参加するよ」と言ってもらえたので、日程を決めて会をひらくことにしました。


自分の生い立ちにふれる難しさ

noteで音声配信をしたり、ワークショップで人前で話すことのあるわたしも、自分のヒストリー、特に生い立ちについて語るのはなかなか「覚悟」の要ることでした。30代で様々なカウンセリングやセラピーを受けて、自分の人生の棚卸しはしてきたので、トラウマを直視できなくて辛いということはあまりなかったのですが、それをより多くの人の目にふれさせることに怖れがあるという感じでした。

幸いなことに、マイヒストリーは、プレゼンテーションの雛形(年表など)があって、枠に入力していけば、完成するようになっています。(先達に感謝!)
それでも、作業には気合いが必要だったので、執筆メンバーのまゆみさんとオンラインでつなぎながら、作業をしました。(いい時代!)

聴いてくれるのは皆、温かな好奇心を持って、丁寧に聴いてくれる人たちばかりだという安心感もとても大事なことでした。


発表会で体感したこと①

さて当日。前日に仕上げの作業を一気にして、なんとか時系列で語れるようには間に合わせたものの、いったいわたしは何を語るのかと、自分でも完全にはわからないまま語りはじめました。

すると、これまでカウンセリングやセラピーなどで何度も部分的には語っていたことが、語っているうちに、どんどん全体として統合されて、一編の物語になっていきました。しかも、わたしが語っているというよりも「勝手に語られていく」という感覚。生まれることになっていた、という感じで。

そしておもしろいのは、一編ではあるけれども、単一ではないということ。歴史を構成する要素はたくさんあって、それを何で串刺すかによって、見え方が変わってくるということがあるわけですが、今回たまたまわたしがわたしの歴史を「本を書くための人生の棚卸し」という串を持って語っていると、不思議とそれに連なると感じられるものだけが拾われていく、ということが起こったわけです。これはおもしろかった。

つまり、串を変えれば、また違うエピソードや事実を表現することになるんですね。

わたしの人生のターニングポイントはいくつかあります。
・小学校を転校する
・大学入学&実家を出る
・ドイツに滞在する
・産後と場づくり
・別居・離婚

これらのターニングポイントを目指して、わたしがどのような人生を歩んできたのかを、足元を確かめながら、みんなを案内している。
そういうツアーのようでした。


発表会で体感したこと②

フィードバックしてもらった中で、非常に印象的だったのが、この箇所。

わたしは、「きょうの今ここの目の前にあることと、きのうとあしたのこと」だけではなく、もっと遠くにいる人、ここではない時間、ここではない場所、見えているものの奥にあるものとの関連について話すということを、人としたかったのです。ずっと。

印象的だったとフィードバックしてもらったことで、はじめてわたしにもしっかりと届いた言葉でした。これはわたしにとって精神の中核を成すものであり、今回の本を書き進めるにあたっての、極めて重要な姿勢であると思いました。

また、「根性があるなぁ」「勇敢だったね」という感想ももらい、びっくりしました。自分では、逃げて避けて先送りして...という選択を繰り返してきたような気がしていたから。もらった言葉をまた自分に還してあげて、温かく包みました。言葉だけではなく、温かな関心と好奇心をたくさん受け取りました。

発表会のあと、パカっとあいた箱から、いろいろなシーンや感情が出ては消え、出ては消えして、まるで感情のジェットコースターのような状態でいました。出産の後のホルモンバランスの変化に非常に似ていてしんどかった。

少し昼寝をしたあと、息子と映画「おっさんずラブ」を観に行ったら、とても楽しくて、幸福感でいっぱいになりました。幸せな映画で禊祓(みそぎはら)われた感じです。そして次第に、お世話になってきた人たちみんなへの感謝がどんどんわいてきて満たされ、穏やかに眠りにつきました。

一夜明けてみて、今、とても清々しい気持ちでいます。
このような人生を生きてきたわたしとして、テーマ「場をつくること」「人を裁くこと」「友だちについて」を書いていくことができそうです。


マイヒストリーという場

マイヒストリーの会のしつらえ(場のデザイン)については、場づくりコンサルタントとしてお伝えしたいことも出てきたので、また書きたいと思います。

今回のように「本の執筆のためにもっと自分の人生とつながりたい」という目的をもってマイヒストリーだけをやる、という方法もありですが、マイプロジェクトの会とセットにすることで、より行動レベルに落ちると思います。応援もたくさんもらえます。

わたしはマイプロジェクトのほうもまだ自分では実践していないので、次はマイヒストリー&マイプロジェクトの会も挑戦してみたいです。

人生の棚卸しにはいろんな方法や形式があると思いますが、その一つとして、興味ある方はぜひやってみてほしいです。
何歳の方でも、おすすめです!
大人はもちろん、小学生でも、中学生でも、高校生でも!

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叱られて目をつぶる猫春隣 万太郎
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鑑賞対話ファシリテーター、場づくりコンサルタント、感想パフォーマー。関係性、対話、表現。温故知新。鑑賞の力を生きる力に。作り手・届け手と受け手とのあいだに橋を架け、一人ひとりの豊かな鑑賞体験を促進する場をデザインします。https://seikofunanokawa.com/

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