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【70作品以上】2019年新作映画ベスト3(+観た映画全部感想書きました)

どうも。映画と海外テレビシリーズばかり観てるただの会社員キャサリンです。本当は1月の1週目にこの記事更新したかったんですが、熟成しすぎてこのタイミングになっちゃいました(笑)去年もまたたくさん観ましたので、自分の記録用に書いておきます。書き漏れてるのもあるかも…。劇場鑑賞なのか、配信作品なのか、レンタルなのかなども補足しておきますので、気になる作品があればぜひ観てください~。一応ベスト3の作品だけその表記いれてます。では、70作品以上あるのでさっさと本題に入ります!

『天才作家の妻 -40年目の真実-』(映画/劇場鑑賞)

ノーベル賞に輝いた夫とその妻の秘密を丁寧に描いた心理サスペンス。
妻を演じたグレン・クロースの演技がとても素晴らしかったです。夫を支える妻としての女性の表象についても色々と考えるところがありました。私はまだその答えが出せていなくて、似たような事象を目撃するたびにこの映画に思いを馳せます。語られることのなかった女性像を描くことで前進すること、新たに見えてくること・・・色々と考えちゃいますね。

『FYRE:夢に終わった史上最高のパーティー』(映画/Netflix)

仕事に疲れてるときにこれを見るとこの人達よりはマシと思えます(笑)
配信当初、Netflixユーザーの間でかなり話題になったドキュメンタリー。FYREフェスティバルっていう音楽フェスの企画から没落までをまとめた内容は、「なぜ止められなかったのか・・・」と企画側なら死にたくなるくらいのどうかしている展開。災害としか言いようがない前代未聞の音楽フェスの事件は衝撃的でした。ものすごくポジティブに言うと、主催の彼を見るとサイコパスとも取れる一方で、それっぽいことをそれっぽく大きめの声で言うことで意外と物事は進んでしまう、っていうことも感じました。

『フロントランナー』(映画/劇場鑑賞)

若き政治家ゲイリー・ハートの選挙戦を描いた実話物映画。
個人的にジェイソン・ライトマン監督好きなので初日に劇場で鑑賞しました。予告にもある通り、ゲイリー・ハートは自身のスキャンダルが原因で、選挙戦で苦戦を余儀なくされます。もちろんゲイリー・ハートは、やらかしたわけですが、この作品では単純にゲイリー・ハートの失敗を中心に描くのではなく、加熱する報道合戦、世論の熱狂など今日にも通じる課題としっかり向き合ってると思いました。個人的に脇を固める若手キャストの起用(特に、ママドゥ・アティエさんとか)は好感でした。

『ファースト・マン』(映画/劇場鑑賞)

やっぱり、ゴズリング氏は静かな演技のほうが好きだな~。
『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督&主演ライアン・ゴズリングが再タッグで作ったのは全く雰囲気の違う実話物映画。ドルビーシネマで観たのですが、宇宙のシーンは圧巻の一言。宇宙飛行士として愚直に、そして静かに挑戦し続けるニール・アームストロングの繊細さを表現したライアン・ゴズリングもとても良かったです。ラストのカットが特に好きな映画でした。

『アクアマン』(映画/劇場鑑賞)

いつかまたドルビーシネマで観たい爆笑映画!
DC最新作。主人公が海の王アクアマンになるまでの物語。久しぶりにこんなに楽しいゴージャスなエンタメ映画観た!と思うくらい2時間笑いっぱなしでしたし、完全に海のゲーム・オブ・スローンズでした。真剣なシーンになり、ちょっとダルイな・・・と思うと必ず爆発する流れしかり、パトリック・ウィルソンの大声を活かしたわかってらっしゃる演出しかり(笑)とにかく楽しかったです。

『リマスター:サム・クック』(短編映画/Netflix)

モダンソウルミュージックの父サム・クックを知らない人はぜひ
伝説のシンガーソングライター、サム・クックのドキュメンタリー。サム・クックの曲は大好きなんですが、こういう歴史的背景は全然知らなかったな・・・と。アメリカにおける黒人さんの歴史の1ページとしてぜひ見ておくことをオススメいたします。

『ビール・ストリートの恋人たち』(映画/劇場鑑賞)

美しく悲しく憤るストーリーに涙
『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督最新作。ジェームズ・ボールドウィンの小説を映画化した本作の原題は『If beale street could talk』(もし、ビール通りが話すことができたなら)。ビール通りはいつもそこにあって、人々の日常を見つめてきたから、もし話せたなら、劇中におこる悲劇も、悲劇にならなかったのではないかと思うとラストは涙が止まりませんでしたね。映像と音楽も美しく、バリー・ジェンキンス監督の才能に終結した豪華俳優陣も魅力。併せてジェームズ・ボールドウィンの『私はあなたのニグロではない』を観ることを強くお勧めします。

『グリーンブック』(映画/劇場鑑賞)

アカデミー賞作品賞受賞で日本でも結構話題になった作品。
1960年代を舞台にした、粗野なイタリア系用心棒と黒人ピアニストの実話を基にしたバディ映画。今にも通じる黒人差別の背景を描きつつ、用心棒とピアニストの心の交流を描くストーリーで、ピーター・ファレリーってこんな映画撮るんだな~という思いと、ああ、ピーター・ファレリーだな~という思いと(語彙力)。先ほども紹介したドキュメンタリー映画「私はあなたのニグロではない」やNetflixドキュメンタリー「アグリー・デリシャス」のフライドチキンの回なんか見ると、複雑な心境になります。とはいえ、最近大活躍のリンダ・カーデリーニは素敵だった。

『運び屋』(映画/劇場鑑賞)

ご年配の方が車を運転してるだけでドキドキハラハラする
クリント・イーストウッド監督&主演最新作。タイトル通り、ひょんなことからお金が必要になり、麻薬の運び屋になる老齢の男性を描いた作品で、思った以上に途中コミカルというかほのぼのしてしまうシーンも。明らかに悪事を働いているのに、溌溂としたおじいさんの顔をみるとなぜだか憎めなくなってしまう絶妙な塩梅でした。元妻との関係の描き方も何ともほろ苦くて、最後の終わり方も、なるほど…と余韻が深い感じでさすが。

『シンプル・フェイバー』(映画/劇場鑑賞)

途中ブレイクが言う「謝らなくていい」の一言に救われる人、めっちゃいるんじゃないかな(かくいう私も)
ママ友が突然失踪、子どものお守を頼まれていた主人公は、ママ友の夫と事件の真相を探る・・・。アナ・ケンドリックは暴走系キャラさせたらやっぱり最高だし、ブレイク・ライブリーのゴージャスさはひれ伏すレベルだし、ヘンリー・ゴールディングはかっこいいけど頼りない(かっこよさだけ)な感じがハマってたし、さすがポール・フェイグ監督は私の好きなものをてんこ盛りにしてくるね!と心躍った映画でした。

『キャプテン・マーベル』(映画/劇場鑑賞)

今のMCUならもう二歩深くできたような気もする
マーベル・シネマティック・ユニバース第21作品目。『アベンジャーズ/エンド・ゲーム』を前に、満を持して登場した女性の新ヒーロー。2017年DCの『ワンダーウーマン』のヒットの後、マーベルはどうやって女性のヒーローを描くのかな~と期待してみました。垣間見えるミソジニー描写に、わかるわ~と唸り、努めて冷静に対処するキャプテンマーベルはこれまで描かれてきたどの女性ヒーローとも違うなと感じました。なんとなくハマれない部分も個人的にあるのですが、それが何なのかはまだ言語化できなかったりします。もしかしたら、『ワンダーウーマン』以後、私自身も変わったのかもしれないです。今『ワンダーウーマン』を観たら当時と同じ気持ちを持てるかも、ちょっとわからないです。難しい。

『ビリーブ 未来への大逆転』(映画/劇場鑑賞)

なんというかアーミー・ハマーのいい男感は何なんだ(褒めてる)
アメリカ最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)の半生を描いた実話物映画。大学時代から、弁護士として裁判に勝利するまでの間に、女性として生きることでの障壁を、何度となく「障壁」として世に認知させ、それを解体してきたRBGは、確かに強い女性だったと思うけれど、ただ彼女が強いだけではどうしようもなく、周りの助けがあったからこそでもあるなと感じました。でもその助けも、彼女だったからこそ得られたものだと思うと、RBGの功績はやはりものすごいもので、心からかっこいいなと思いました。

『RBG 最強の85才』(映画/劇場鑑賞)

着てるTシャツがすごくいい(笑)
先ほど紹介した『ビリーブ 未来への大逆転』の元となったルース・ベイダー・ギンズバーグのドキュメンタリー映画。CNNフィルムとして初めてアカデミー賞ノミーネートした作品でもあります。今も精力的に最高裁判事として活躍する彼女の裏側に迫るお話。夫マーティンとのこと、学生時代、家庭のこと、仕事のこと、これからのこと、趣味などを通して見えてくるRBGのストイックさと静かな信念は今を生きる多くの人にとってのリアルなヒーロであり、そういわれるにふさわしい行動をしているからだな~とまざまざと感じました。というか、筋トレしているとかほんとヤバイ。

『ブラック・クランズマン』(映画/劇場鑑賞)

事前にKKKとは?っていうのはざっくり知っておいた方がいいかも
黒人警察官とコンビを組んだ白人警察官がKKKに潜入調査した実話物映画。白人っぽい喋り方でKKKの重要人物に電話し、メンバーシップの手続きを進める感じは何とも皮肉。実際にKKKに会いに行く白人の相棒も、同じ白人であっても全く異なる価値観を持つ人間たちと対峙し、戸惑う様子もまた人種や見た目で判断することへの皮肉というか。スパイク・リーの憤りを超えた怒りも感じた映画でした。いずれにしてもKKKの歴史についても、少し知っていた方がいいと思うので、事前知識もやはり必要だなとも。また一つ、新しい側面を知れた映画でもありました。

『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』(映画/劇場鑑賞)

ジャーナリズムが機能するとは
イラク戦争の大義名分であった大量破壊兵器が実はなかった、とする真実を報道するために奔走した小さな新聞社の記者たちを描く実話物映画。地味な映画かもしれませんが、報道の真髄というか、こういうことのためにジャーナリストはいるんだろうなと改めて感じた作品でもありました。きちんと裏をとることがもちろん大事で、スクープをスクープとして機能させるための努力も尋常じゃないよなと。その裏をきちんと取らないと『ニュースの真相』のようにもなるのだろうと。

『バイス』(映画/劇場鑑賞)

エンドクレジットシーン(一般市民の討論シーン)が何よりも大好き
『マネー・ショート華麗なる大逆転』のアダム・マッケイ監督最新作。先ほどの『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』と併せて観ていただきたい映画ですね。史上最悪の副大統領とされるディック・チェイニーをクリスチャン・ベールがまたしても体を張って演じています。ほんと、声質から喋り方からディック・チェイニーそのものでびっくりです。我が推しサム・ロックウェルも隠し切れないアホさが滲み出てしまうブッシュ大統領を演じていて、なんとも痛快。政治の私的利用の実話を映画化してしまうアメリカの底力凄いなとも思いました。

『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』(映画/Netflix)

配信ならではなのお行儀悪い描写がすごい
1980年代を代表するアメリカのメタルバンド、モトリー・クルーの自叙伝をももとに作られた伝記映画。まぁとにかく冒頭からお行儀が悪い、いや、ほんと音楽の才能以外はクズな描写がてんこ盛り!(笑)本人たちがプロデュースしてるのでだいたい本当なんだと思いますが、メタルな彼らなんで納得するけどほんと最低。ただ、それでも仲間とともにトップを目指し、一時下火になるも再起を図るその姿には胸アツになります。ドルビーアトモス対応映画なので、ぜひ音質の良い環境で観ることをお勧めします。ライブシーンは一緒に歌っちゃうくらいボルテージ上がります。

『トリプルフロンティア』(映画/Netflix)

冒頭のアクションシーンからミリタリー萌
世界最凶の麻薬カルテルを相手に強奪ミッションに挑むアクションサスペンス。とにかく主要キャストが、ベン・アフレック、オスカー・アイザック、チャーリー・ハナム、ギャレット・ヘドランド、ペドロ・パスカルと超豪華!特に、チャーリー・ハナムとギャレット・ヘドランドはいつも似てる似てるといわれて、ついに兄弟役してるところは、もうわかっていらっしゃるとしか言いようがないキャスティング(ありがとうございました)。こちらもドルビーアトモス対応映画なので、ぜひ音響の良い環境で観ていただきたい一品。爆破音とかめちゃくちゃ凄いです。こういう映画ってあまり作ってくれなくなっちゃってますが、私はなかなか好きでした。ミリタリー萌えする人にもいいかも。

『ビューティフル・ボーイ』(映画/劇場鑑賞)

ティモシー・シャラメ君は本当に凄い(語彙力)
Netflixドラマ『13の理由』の脚本家としても活躍したニック・シェフとその父デヴィッド・シェフがニューヨークタイムズに寄稿した回顧録を映画化した作品。重度の薬物中毒に陥ったニックと、彼を何とか救おうとする父との絶望と再生の物語です。ニックを演じるティモシー・シャラメの脆く儚い演技は脱帽。スティーブ・カレルとのケミストリーが素晴らしく、何度も震えて涙出るほどでした。薬物中毒への理解と、もし愛する人がそうなった時に家族はどうしたらいいのか・・・。薬物に手を出すことは自業自得といわれることもありますが、それには愛する人への多大な犠牲も伴うことも、併せて知っておくべきだと感じました。

『ベン・イズ・バック』(映画/劇場鑑賞)

本人も家族も…
先ほど「ある少年の告白」ではゲイの青年を演じたルーカス・ヘッジズ君が、今度は薬物中毒に苦しむ青年を演じた人間ドラマ。あるクリスマスにリハビリ施設から抜け出して帰ってきた息子のベンとその母親の一晩の家族模様を描いた作品で、監督はなんとルーカス君のお父さん。ルーカス君は親の作品には絶対出ないと決めていたそうですが、ジュリア・ロバーツが絶対ルーカス君が良いと口説いて実現したんだとか。その経緯もあってか、ジュリアの演技もものすごく気合が入ってたし、何よりこっちの映画でもルーカス君は素晴らしかった・・・。『ビューティフル・ボーイ』よ同様に薬物中毒者本人だけでなく、家族もしっかりと描いた秀作です。

『Homecoming:A Film By Beyonce』(映画/Netflix)

何回観てもディスチャ登場シーンで泣ける…
ビヨンセのコーチェラの伝説のステージを収録し、ビヨンセ自ら監督し製作したドキュメンタリー映画。当時YouTubeで全世界にライブ配信されたビヨンセ様のステージは、私は自宅で小さい画面で観ていたのに、あまりの興奮でちょっと寝込みました・・・(大マジです)。細部に至るまで完璧なステージをどのように作り上げたのか、ビヨンセのこだわりと信念を追う作品で、ファンとしては感謝しかない作品です。

『ある少年の告白』(映画/劇場鑑賞)

最後に語られる後日談にちょっとびっくりしましたね。
敬虔なカトリック教会の牧師を父に持つ主人公は、同性愛を「治す」ために矯正施設に通うことに。自分のアイデンティティとの葛藤と、家族との関係に悩む主人公を切実に演じたルーカス・ヘッジズ君が素晴らしい。スポーツマンで成績も問題なく「普通の高校生」として親の期待にも応えようと生きてきた彼が、自分のことを見つめ、初めて親にカミングアウトするとき、そして大学で起きた出来事・・・事実は事実として存在する中で、それを周りがどう受け取るかで、こんなにも関係が揺れ崩れていくのかとまざまざと感じたというか。さすが、ジョエル・エジャトン監督作品というか。

『シャザム!』(映画/劇場鑑賞)

DCやるじゃん!!!
久しぶりにこんなにエンタメ性溢れるヒーロものをみたな!と感激したのがこちらの映画。どうしても複雑な物語が絡み合うのがはやりになってますが、単純明快なストーリー展開と、グッと怖がらせるホラー描写もありながら、それでも結末のハッピーさに向けて全力疾走する映画でもあり。ひょんなことからスーパーパワーを手に入れたティーン男子が、ヘタこきながらヒーローになっていくこと、あの日あの時ヒーローになりたかった視聴者を楽しませてくれる後半の展開、エンタメ映画として素晴らしい!あー楽しかった!

『サムワン・グレート~輝く人に~』(映画/Netflix)

アラサーにはたまらないロマコメがまたNetflixに降臨!
grow apartを描いた作品で、働いて恋もするけど日々悩める皆さんを抱きしめてくれるような映画でした。grow apartって日本語にしにくいんですが、成長したりライフステージが変わる中でお互い別の道を歩むことになり別れるって感じといえばいいんでしょうか。少しずつのずれが、やがて大きな溝になるけれど、大嫌いになったわけじゃない、でももう一緒にはいられない・・・そういう複雑な働くアラサーの応援歌的な映画です。あと、元カレ役のラキース・スタンフィールドがめちゃ甘い。甘すぎる。もっとこういうのに出てって思いました。

『レボリューションー米国議会に挑んだ女性たちー』(映画/Netflix)

原題はKnock Down The House=「議会を打ち倒す」。
トランプ大統領就任以降、アメリカの人たち自身が困惑することも多い時代に入った中で、それでもアメリカはさすが胆力があるとまざまざと見せつけられたドキュメンタリー映画でした。大統領制なのもあり、政治がより身近にも感じやすいというところもあるんでしょうが、それでもやっぱり凄いなと思うのが「やる!」と決めた後のどうにかする力と行動力が素晴らしいですね。今大注目のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)が、まだNGOとバーテンのダブルワークをしていたころから注目していることも凄い。AOCが一般の労働階級の女性から、政治家へと表情を変えていくさまが痺れます。

『ドント・ウォーリー』(映画/劇場鑑賞)

ホアキンもいいんだけど、なんたって最近のジョナ・ヒルは本当にいい
風刺漫画家ジョン・キャラハンの半生を描いた伝記映画。アル中で交通事故にあったジョンは事故の後遺症から体が思うように動かなくなってしまう。失意の中で酒に明け暮れる日々の中で出会った人々との心の交流と、アル中からの脱却。出てくる中でも、ジョナ・ヒルのキャラクターがめちゃくちゃ良いです。ジョナ・ヒルといえば、コメディキャラ役がものすごく印象が強いかと思いますが、Netflix「マニアック」といい、近年の繊細な演技がとてもとても良いです。

『ダンプリン』(映画/Netflix)

自分に許可を出す、ドリー・パートンの曲に乗せて
ドリー・パートンの曲に乗せて送る「真の自分を見極める」ちょっとほろ苦くてでも楽しくて前向きになれるストーリー。地方のミスコン優勝者を母に持つ主人公ウィローディーンはその体系から母親からダンプリン(餃子とかシュウマイとかの意)といわれる。そんな彼女は母親への反抗からミスコン出場を決め、特訓を始めるなかで、今まで見えなかった世界が見えてくるようになる姿は、誰かの価値観に縛られていた自分とのお別れの話でもあるな~と。誰かが決めたことで勝手に縛られて自分に許可を出せないことって誰しもあるので、ぜひ見てほしい作品です。ちなみに英語がわかる方はぜひこちらのドリー・パートンについてのPodcastを聞いてほしいです。

『魂のゆくえ』(映画/劇場鑑賞)

イーサン・ホークは本当に良い年の重ね方をしてるよね~
息子を戦争で亡くし罪悪感とともに日々を生きるトラー牧師の心の葛藤と信仰心の揺らぎを描いた作品。牧師として生きる中で、人から伝え聞き明らかになるマクロな問題とミクロな問題。社会の大きな課題と、身近な課題がリンクするとき、今まで他人事と思っていたことが急に自分事になることってるあけれど、牧師として生きている中でそれが起こると・・・深いな。

『オーヴァーロード』(映画/劇場鑑賞)

定番っぽいんだけど何だかとっても楽しめたアクション映画
第二次世界大戦のフランス、あるミッションを課せられた部隊が遭遇したのはナチスの秘密研究所、っていうアクションサスペンス。戦争ものとかあまり見ないんですが、ワイアット・ラッセルとジョン・マガロを観たくてみにいっちゃいました。冒頭の戦闘機のアクションシーンから怒涛の展開でめちゃくちゃ怖面白かったです。家で観る時はヘッドフォンで観たほうがいいかもです。アクションの迫力が増すかも。そして「ゲーム・オブ・スローンズ」のあの人がこちらでも最低なクズ役を演じていてその辺もお気に入りポイントになりました。何か新しい展開が起きるような映画では正直ないし、何となく結末も読めちゃうんですが、なんせアクションがよいです。

『ワイン・カントリー』(映画/Netflix)

とっちらかってるけど、それがいい
アメリカを代表するコメディアンが集結、監督もこれまた超人気コメディ俳優エイミー・ポーラー。親友の50歳の誕生日をお祝いするために久しぶりに仲良し同士で集った女性陣の笑いあり、苦みあり、涙ありのトラベルコメディ。アラフィフの女性のおふざけコメディって今まであまりなかったと思うのでとっても新鮮ですし、やはり、マーヤ・ルドルフは素晴らしいですね。ちょっとやりすぎじゃない?っていうくらいのコメディシーンは好き好き別れると思いますが、私は好きでしたね~。

『ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー』(映画/Netflix)

ビリー・マグヌッセンはクソ野郎やらせたらほんとピカイチ!
『ナイトクローラー』のダン・ギルロイ監督とジェイク・ギレンホールが再タッグ!それだけでめちゃくちゃソソる映画です。ある画家の訳アリの絵を、訳ありと気づかず画商が利益のためにバンバン売りさばくけど、その画家の作品の周りで不可解な事件が起こりまくるっていうサスペンス。アート界隈の皮肉も込めながら描かれる画家と画商と批評家のやり取りは時々わらっちゃいましたね。あと、ジェイク・ギレンホールはやっぱこういう一癖も二癖もある嫌なインテリ役がめっちゃ似合う。こういう役もっとやってほし日。あと、個人的にはクソ野郎な筋肉白人青年をやらせたらピカイチなビリー・マグヌッセンが安定の仕事っぷりでホクホクしました。

『いつかはマイ・ベイビー』(映画/Netflix)

キアヌ役のキアヌが強烈なキアヌ
たぶん、上半期一番流行ったNetflixラブコメじゃないでしょうかね。昨年くらいから良質なラブコメを世に送り込んでいるNetflixが、新たに作ったのはアジア系アメリカ人のラブコメ。ダブル主演を務めるのは今ノリに乗っているコメディアンのアリ・ウォンと、映画やドラマで気づいたら出ている脇役コメディ俳優ランドール・パク。幼馴染の格差恋を描いたストーリーの中でも超話題になったのは、キアヌ・リーブスの強烈なカメオ出演です。ダメもとでキアヌにオファーしたら、アリ・ウォンのスタンドアップコメディが大好きという理由で出演を快諾してくれたキアヌ!(いい人すぎる)気軽に観れるラブコメなので未見の方はぜひ。途中のランドールさんが歌うラップも最高です(笑)

『誰もがそれを知っている』(映画/劇場鑑賞)

アスガー・ファルハディ監督による家族残酷物語です。
凄惨なシーンとかは一切ありませんが、人の嫌な部分がどんどん出てくるストーリー展開が本当に意地悪でそこがめちゃくちゃ好きでした。妹の結婚式のために久しぶりにスペインの片田舎にある故郷にもどった主人公を演じるペネロペ・クルスとその幼馴染役でリアル世界でのペネロペの夫ことハビエル・バルデムが出ているのも面白い!とにかく、ペネロペが美しくてたまらない・・・。可哀想な展開なんだけど、いちいち美しい(褒めてる)。

『マーダー・ミステリー』(映画/Netflix)

これについてはこちらに書きましたので良ければ。

『ANIMA』(ミュージックビデオ?/Netflix)

ポール・トーマス・アンダーソン監督とトム・ヨークがNetflixに突然配信した映像作品。ミュージックビデオのようで、でもただのミュージックビデオではない感じ。とにかく見てください、の一言に尽きる作品でした。

『ザ・ロンリー・アイランド:バッシュ・ブラザーズを歌ってみた!』(映画?ミュージックビデオ?なにこれ?/Netflix)

相変わらずほんとぶっとんでるわ、ロンリー・アイランド(笑)
80年代に活躍したホセ・カンセコとマーク・マグワイアっていう有名野球選手を元ネタに音楽パロディを作ったのは、ザ・ロンリー・アイランド!これも突然Netflixで配信開始して、何かな?と思って観たけど、よくわからなかったです(笑)でもとりあえず面白かった。ただ元ネタ知らな過ぎてたぶん理解できてないところもたくさんある気も。豪華カメオ出演も見逃せない作品です。

『グラス・イズ・グリーナー:大麻が見たアメリカ』(映画/Netflix)

大麻は誰にも迷惑かけないけどアルコールは周りに迷惑かけるbyスヌープ先生
大麻の合法化が広がり大麻ビジネスが勢いを増すアメリカの大麻にまつわる歴史を追うドキュメンタリー映画。映画とかドラマとかで吸っている様子をただ観たことあるだけで、その背景とかを全く知らなかった私にとってはとても勉強になりましたねぇ。そもそも大麻って?みたいな方にオススメなドキュメンタリーです。途中スヌープ・ドッグ先生が大麻について熱く語るところとかものすごく面白いです。スヌープ先生の大麻論。

『COLD WAR (コールド・ウォー)あの歌、2つの心』(映画/劇場鑑賞)

熱烈に誰かを愛すること
1時間半というコンパクトな時間ながら、美しく濃厚で切ない溢れんばかりのラブストーリー。全編白黒でこんなにも躍動的で綺麗で・・・思わずうっとりしてしまいます。冷戦時代に翻弄されながらも、どうしても惹かれ合うふたり。特にズーラを演じたヨアンナ・クーリクさんが本当に素晴らしい。まだ少女だったころから終盤の成熟した女性までの変化がものすごい。彼女の強く、どこかもろくて、不自由な中でも見失わない自由さみたいなところもとても魅力的。彼女、この作品きっかけで映画「ラ・ラ・ランド」のダミアン・チャゼル監督のNetflixシリーズに出演が決まっているそうで。今後もめちゃくちゃ楽しみ。

『ハイ・フライング・バードー目指せバスケの頂点ー』(映画/Netflix)

全編iphoneで撮影されたスティーブン・ソダーバーグ監督新作映画です。
撮影方法も斬新ですが、何よりもストーリーがものすごく面白くて、最後のオチなんて思わず見ながら「くうううーーーー!!」って言っちゃう爽快感でした。バスケの試合の話ではなく、バスケ界のスポーツビジネスの話です。映画「ムーンライト」の脚本家さんが手掛けるストーリーに、ソダーバーグ先生の手腕が加わり、NBAにメスを入れるエージェントの活躍+それをNetflixで観てることによる、視聴者を巻き込む感じとか・・・してやられた感がありました。モキュメンタリーではないんですけど、ちょっとモキュメンタリーっぽいというか。お勧めです。

『アベンジャーズ/エンドケーム』(映画/劇場鑑賞)

アッセンブル…!(号泣)
日本でもめちゃくちゃヒットした、マーベル・シネマティック・ユニバース映画でありアベンジャーズ最終章。これまで20作品以上追ってきたファンにとって最高の幕引きとなったアベンジャーズ映画でした。私は日本最速上映に行ってきたんですが、0時から上映開始し3時間近く観て、終わった後福岡のドルビーシネマでは自然と拍手が起きるほどファンにとって大満足の出来上がり。すべての作品を追ってきたからこそ味わえる領域も存在する映画で、さすが長年ドラマシリーズで鍛えてきたルッソ兄弟が監督しただけあると感動しました。ルッソ兄弟は「ブル~ス一家は大暴走!」(日本では今はもう観れません…)というドラマで監督を経験し、その時も10人以上の主要キャラを登場させて、全員にそれぞれ見どころを惜しみなく作り決められた時間(ドラマだと30分)でしっかり着地させる技の持ち主です。とにかく今回もそのお家芸が生かされた感じ。感謝しかないですね。

『ブルーイグアナ 500万ポンドの獲物』(映画/レンタル)

長年のファンとして、アカデミー賞獲ってもサム・ロックウェルはこういう凡作に定期的に出続けて欲しいと切に願います。
2人の冴えないアメリカ人の盗人がなんやかんやで、イギリスでブルーイグアナっていうでっかい青いダイヤモンド(これがまた安っぽくみえるw)を盗もうとするコメディアクション映画。映画としては凡作かな~と思うんですが、サム・ロックウェルとベン・シュワルツのイチャイチャワチャワチャが可愛いのなんの。こちらのインタビューでも仲良しが溢れててしんどいです。サム氏にはこれから年取りながら、飄々としたテキトーおじさんを引き続き演じ続けてほしいなと思います。

『ポイント・ブランクーこの愛のために撃てー』(映画/Netflix)

グリロおじさんはこれからも筋肉全開で行って欲しい
フランク・グリロとアンソニー・マッキーが贈るサクションサスペンス。突然ワイフを誘拐された看護師さんと重症で運ばれてきた怪しいタフガイが事件解決に挑むストーリー。個人的にはあまりハマらなかったんですが、アクションは見事。この映画で製作から関わってるフランク・グリロおじさんといえば、同じくNetflix映画『ホイールマン』もお勧め。

『さらば愛しきアウトロー』(映画/劇場鑑賞)

シシー・スペイセクみたいなおばあちゃんに私はなりたい
実在した、生涯強盗を貫いたある男性のお話をロバート・レッドフォードが引退作として演じていらっしゃり。自分のやりたいことを貫くには、ちょっとどうかしてる感じじゃないと難しいよね、と感じつつも、晩年も強盗に走る紳士な老人を見るともはや愛おしささえ感じるというか。夫に先立たれ、農場を一人で切り盛りするシシー・スペイセクの前に現れたロバート・レッドフォード。デートのシーンとかさ、強盗のクズ野郎なのになでかキュンキュンしちゃう。私は、シシー・スペイセクみたいなおばあちゃんになりたいとこころから思いました。しかしまあ、監督のデヴィッド・ロウリーは作風の幅が広いですね~。次回作も楽しみ。

『Girl/ガール』(映画/劇場鑑賞)

この監督の作品はまた観てみたい。バレエの躍動感と葛藤。
トランスジェンダーとして、バレリーナとしての葛藤バレリーナを夢見る高校生のララ。バレリーナの養成学校に入学するも、今のスキルだと誰よりも努力する必要があると告げられ練習に励む姿は痛々しくもあり…。セクシュアリティへの葛藤とバレリーナの夢への葛藤は、曲がりなりにも「わかる」とは言えないなと個人的に思いました。察することはできても、きっと「わかる」ことはできないレベルでの思いがあるのだろうなと…。

『ロケットマン』(映画/劇場鑑賞)

リチャード・マッデンのウインクに私の全細胞がやられました
大ヒットしたエルトン・ジョンの伝記映画。これミュージカル映画と呼んでいいんですよねっていうくらい音楽シーンがたのしいたのしい!エルトン・ジョンの大好きな曲のオンパレードでたまらなかった。個人的にはHonkey Catのシーンが大好きで。公式もアップしてるこの動画の1:17あたりで放たれるリチャード・マッデンのウインクがもうね、、、けしからんですよ。なりたい自分になること、でもその「なりたい自分」とは一体何なのか、華やかな世界の裏で苦悩するエルトンをタロン君が熱演。ほぼぶっ通しで踊ったり歌ったりしてるので、さぞ準備大変だっただろうなと思うと、タロン君の才能にも脱帽です。

『ディア・ファミリー~あなたを忘れない~』(映画/レンタル)

いつか自分もこういう人生のステージが来るんだと思うと切ない
弟からの1本の電話で故郷に帰省する主人公。高齢の父親はアルツハイマー型認知症の妻と二人暮らし。老々介護状態でも、それでも施設に入れずに一緒にいようとする姿も、ケアしたいけど自分の人生も行き詰っている弟の姿も、実家のことをすべて弟に任せてきた主人公の姿も、とてもとても切ない。監督の実体験をもとに描かれたそうですが、なかでもマイケル・シャノンという俳優さんは本当にこういう役が似合うというか。涙なしには観れない、地味だけどでも素晴らしい映画でした。劇場公開されないのもったいない。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッッド』(映画/劇場鑑賞)

レオナルド・ディカプリオは恐ろしい
クウェンティン・タランティーノ監督の第9作目。私、映画は好きですがタランティーノ監督作品はあまり見たことなく(デス・プルーフしか見たことない)。初めて映画館でタランティーノ監督作品を今回見た感じでした。ハマらなかったらどうしよ~とか思ってたんですが、これはめちゃくちゃ面白かった。特に、シャロン・テートについて事前に知っているととても味わい深いというか。1964年のハリウッッドが舞台、当時の時代考証とかも細かいんだろうな~と思う、作り込まれた映画だったなと素人ながらに思います。ブラピは本作で初のアカデミー賞獲得となりましたけども、個人的にはレオナルド・ディカプリオが強烈だったなと思います。予告にもありますが、トレーラーの中で怒りまくるシーンはすべてアドリブだそうで。恐ろしいひと・・・。

『アス』(映画/劇場鑑賞)

アレクサ的なやつのシーンが大好きで大好きで…
『ゲット・アウト』のジョーダン・ピールの最新監督作品。アカデミー賞受賞後のお仕事ぶりが物凄いジョーダン・ピール。売れっ子過ぎて、次から次へ関わってる作品が世の中に送り込まれています。精力的。で、今回もホラー。バケーションで別荘に来た家族に瓜二つの謎の人間たちが襲い掛かってくるホラー。色々背景知らないと…?ってなる作品だな~と思いつつ、私自身も全部理解できてるかは謎です。でもそれでもホラーサスペンスとして十分に楽しめる作品だったのも、ルピタ・ニョンゴとエリザベス・モスの演技力ゆえかも。そういえば、ジョーダン・ピールの作家性とまでは言えませんが、こういう記事も書いてるので良ければ。

『トイ・ストーリー4』(映画/劇場鑑賞)

私はこの終わり方好きだしダッキー&バニーのスピンオフはよ
完璧だった3から数年、続編は必要なのか?と思いましたが、私的には大好きでした。気軽な気持ちで観に言ったら、最後号泣でもう大変。よりオモチャたちの存在、彼ら自身の気持ちに寄り添ったストーリーは賛否両論あるようですが本当に良かった。見に行く前に1~3を見直しましたけれども、CGのクオリティも格段にあがり、冒頭の雨のシーンからボーの陶器感、タッキー&バニーのふわふわさなど凄い。そうそう、タッキー&バニーは最高でしたね。中の人、でKey&Peeleがはまり役!!公開前のこの動画も超楽しくていまだに何回も観ちゃいます。もとになったのはKey & Peeleのこのコントでこれもまた爆笑する(笑)

『荒野の誓い』(映画/劇場鑑賞)

最近のロザムンド・パイクは凄い
過去に敵対していたアメリカンインディアンを故郷へ護送することになった軍人をクリスチャン・ベイルが演じてます。日本語の予告だと感動推しなんですけど、それよりも原題『Hostiles』(=敵対)の意味をよく考えてみるととても色々と思考を巡らせたくなる作品でした。アメリカンインディアンの土地に押し入ったのは白人たちで、自分たちの土地として住まうことが正義ととらえていた軍人、田舎で細々と暮らしていたのに家族を殺された女性、余命わずかでずっと囚われの身だったアメリカンインディアン…それぞれが旅をする中で交流というよりも衝突しながら、お互いの心の鎖が何だったのかを感じていくのがとても良いです。終わりはあまり好きじゃないですが、ロザムンド・パイクの演技はほんと凄い。

『アド・アストラ』(映画/劇場鑑賞)

ブラピが演じる男性が追うのは父か、父が体現する男性性か
個人的にこれを観に行った時、父親の検査入院(結果問題なかった)の一報が飛び込んできたので観ている間気が気がじゃなかったのが変に思い出に残っている一作。調査で宇宙の果てに行方不明になった父親を、ある一件から探しに行くことを命に受けたブラピの葛藤の旅のお話。ものすごくパーソナルな映画だった。ブラピ、トミー・リージョーンズ、リヴ・タイラーときたらもう90年代のお涙頂戴系SFか?と思ったら、全然違うテイストで。あくまで主人公が心の奥底で縛られている何か、について問う映画。自分探しの旅と言えば聞こえはいいけれど、その自分探しは果たして…。潜在的に刷り込まれている何かにあらがうこととは。

『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』(映画/劇場鑑賞)

アメリカらしい実話もの。そこまでやるか映画。
他社よりもちょっとでも早い通信環境を提供し、投資を優位に進めようとする考え方をこの映画を観て初めて知った。新しい通信環境を提供するため、一直線のケーブルを通す、そのためにはなんだってやるし、山だって掘る!みたいな気概はいかにもアメリカ的。相変わらずジェシー・アイゼンバーグは早口でインテリ&サイコな役がはまってる。すごく印象的だったのは、ジェシー演じる主人公との共同プロジェクト運営者で、通信をいかに早くするかを考え研究する学者を演じたアレクサンダー・スカルツガルド。他の映画やドラマではいかにもなイケメンを演じる彼が、図体のでかい剥げたちょっと冴えない(けど頭脳は抜群)な学者を演じてる。運動神経悪い感じも素晴らしい。この映画の見どころの一つはダサイおっさんな彼です。

『ジョーカー』(映画/劇場鑑賞)

凄そうで、凄くなさそうで、やっぱり凄いのか…?と思えるのは音楽と映像ゆえか。
映画好きと公言してたからか、方々で感想を求められたのがこの映画だった。とにかく普段映画館にそんないかない人からも「ジョーカーはどうだった?」と聞かれまくった。申し訳ないけれど、観た直後はすげーと思ったけどあまり心にずっと残らない映画と個人的には思ったので、聞いてくる人の期待に沿えない回答しかできない苦い思い出もあり(笑)ホアキンの演技と、ヒドゥルさんの音楽と、キレッキレの映像が、ある種ミュージカル的というか、思考を停止させるような迫力は見事。でも私の中でそれ以上にはならなかったところは何だろうかとずっと考えている。個人的にはジョーカーになりたかったある男性の話として捉えたからだろうか。そこがもうあと数歩描かれてたらハマってたかも。

『ジョン・ウィック:パラベラム』(映画/劇場鑑賞)

馬登場が割と序盤で、それ以上のものが待ってる展開最高オブ最高
キアヌ無双第三弾!ジョン・ウィックは2でその世界観が爆発したと思うのですが、今回はそこをさらに進化させて「もはや犬の復讐どうでもよくね?」感が強まったところがもう最高。予告で見せる馬のシーンなんて序の口で、アクションのプロたちがやりたいことやりまくったぜコノヤローっていう流れも◎調停人の設定も、ジョンさんお手合わせ願います!見たいなファンボーイモーメントも、なんだかよくわからないくらいデカイ弾をぶっ放すフロントマネージャーさんもすべてが、クリエーター愛を感じた映画だった。第1作目から思ってたけど、ジョン・ウィックは笑う映画だと確信。すべてのシーンがちょっとどうかしてて笑った。

『ビトウィーン・トゥー・ファーンズ・ザ・ムービー』(Netflix映画)

ザ・ムービーにする必要は1ミリもなかった(でもそれがいい)
Between Two FernsというFunny or Dieの人気シリーズがなぜかNetflixで映画化した。Between Two Ferns(例えばオバマ大統領ゲスト回)を観たことがある人はわかると思うけど、そもそも映画化する必要もないし、映画化ってどうやって映画にするの?と思うし、Netflixはお金のかけどころが間違ってる気さえするけど、それがまたBetween Two Fernsっぽくてよい。失礼なことしか言わないBetween Two Fernsというトーク番組の司会ザック・ガリフィアナキスが番組存続をかけて奔走するだけの映画。やっぱり失礼なことしか言わないモキュメンタリー作品に仕上がってて、もはやこういう映画は絶対劇場公開もしないし、スタジオも作らないだろうからNetflixあっての映画だなと。

『イエスタデイ』(映画/劇場鑑賞)

主演の彼がとにかくいい。良すぎる。いろんな作品に出てほしい。
ある日突然、自分以外がビートルズを知らない世界になり、ビートルズの曲を自分の曲としてスターにのし上がってく売れないシンガーの物語。ビートルズがいないとなるとその後の音楽が成り立たない&ゲスト出演してるエド・シーランも生まれたのかどうか…と思っちゃいつつも、主演のヒメーシュ・パテルを知るために観るには十分な映画。ヒメーシュ・パテルと言えばこちらの書籍を併せてオススメします。彼がこの規模の映画に主演することの大事さ。リズ・アーメッドも寄稿してます。

『プライベート・ウォー』(劇場鑑賞)

ロザムンド・パイク演じる戦場記者が命を賭して伝えたいこと
実在の戦場記者をロザムンド・パイクが熱演。数々の戦場に自ら赴き惨状を伝えたメリー・コルビンの人生を描いた映画で、ロザムンド・パイクはこれでもアカデミー賞にかすりもしないの…と残念に思うくらいの素晴らしい演技。戦場記者としてPTSDを抱えながら、それでも彼女が伝えようとしたシリアの現状に胸が張り裂けそうになった。容赦ない戦場シーン、繰り返される人間の業…日本に住んでいると感じることができない、同じ地球で起きている現実に、自分はなすすべなくただただ映画をみるという情けない感じ。まずは知ることから始まる、そのために戦場記者の方々ががいるのかもしれない。

『ガーンジー島の読書会の秘密』(劇場鑑賞)

お?ありがちなラブコメか?ちがう、サスペンスだ。
日本以外はNetflix映画として配信された映画。第二次世界大戦後のロンドンで作家を目指す主人公のもとに届いた一通の手紙から紐解かれる悲劇。人々が守ろうとした尊厳とは。少しずつ明らかになる過去のストーリーと、取材と言う名目以上に好奇心と、相手を理解しようとする行動力に突き動かされる、一心不乱なリリー・ジェームズが非常によかったですね。その他の役者さんたちの演技がとてもすごくて、特にメガネのマシュー・グードがずるい(結局そこ)。

『ガリーボーイ』(劇場鑑賞)

主人公が貫録ありすぎますが、彼だからこその終盤の盛り上がり
スラムからヒップホップで成り上がる実話。わたし、あまりインド映画観たことないんですが、これはねすっごくよかった。最初、ただのヒップホップ好きだった今の状況にくすぶる青年が、次第にうまくなってコンテストを勝ち上がる様子とか、MV撮影シーンでさすがインドのスターと言わんばかりのキレキレのダンスとか(笑)主人公をサポートする親友MCシェールがまたくっそかっこいいんですよ。彼は本格的な出演、今回が初の様ですが今後も見届けていきたいイケメンさ。主人公に喝を入れるアグレッシブな彼女もとってもよい。インド映画なのでやや長いですが飽きない!なんなら最後テンションぶちあげのまま終わります。最高。

『シュガーランドの亡霊たち』(Netflix)

ある日、仲の良かった友達がISISに加担した
アメリカのシュガーランドという街にいた一人の青年がISISに参加。そうなってしまうまでの様子を友人たちの証言から迫る。便宜上「マーク」と作品上語られるその青年が、なぜそのような行為に至ったのか、友人たちの証言から見える真実とは。そもそも真実なんて誰もわからなくて、ただ小さな要素一つ一つが不可抗力的に影響したのかもしれないです。突然の出来事ではなく、そうなるまでの布石はきっとあって、それに対し一体周りは何ができるのだろうと考えされられる短編ドキュメンタリーです。

『本当の僕を教えて』(Netflix)

兄弟のためを想って伏せてきた真実とがんじがらめの苦しみ
双子の兄弟が事故で記憶喪失に。それから、兄弟を守るために、ウソをつく…。嘘をついてまで隠そうとした過去の真実はかなりつらくて、心が元気な時に見ることをお勧めします。仮に自分が兄弟を守るならどうすれば正しかったのだろうかと答えは出ない内容でした。過去との和解とか簡単に一言では片づけられない、心にギュッと絡み合った鎖。それをどうにかするにもまた時間をかけなければいけないのかもしれないです。なんにしても、守ろうとする愛に正しさを求めてはいけなくて、その時の自分なりのベストしか時間は許してくれないのかも。

『グレイト・ハック:SNS史上最悪のスキャンダル』(Netflix)

とりあえず、SNS(特にFacebook)辞めたくなる
これは私の周りでもかなり注目度高かったドキュメンタリーです。Fyreフェスティバルはある意味他人事でみれちゃいますが、こっちは自分事になりすぎで辛い。私たちが気軽に触れているSNSが政治的扇動の温床になっていたこと、意図して人々の思考を誘導することをアシストしていたケンブリッジ・アナリティカというイギリスの会社。当時ニュースにはなっていましたが、いまいちキャッチアップできていなかったので、このドキュメンタリーで遅ればせながら事の重大さに気づいた感じです。オバマ大統領もNetflixの番組でアルゴリズムに影響されることへの危惧について語っていましたが、2020年に入っても違う形で絶対行われてるんだろうなこういうこと…。辛いけど、必見のドキュメンタリーです。私たちに自由意志なんてないのかもしれない。

『ルディ・レイ・ムーア』(Netflix)

黒人向けの娯楽がなかった時代のパイオニア
エディ・マーフィって最近なんかいい映画あったかしら…?というくらいなんというか個人的には90年代の俳優さんなイメージだったんですが、一気に2010年代に乱入してきたなという感想で。売れないコメディアンが、ドールマイトっていう名前で、ポン引きの恰好をしスタンドアップコメディを披露する。これが黒人コミュニティ中心に大ヒット!地上波ではとても放送できないような卑猥で下品な内容だけど、彼のレコードは飛ぶように売れて一躍大スターに。その背景には、今にも通じる黒人アメリカ人のエンタメ産業に蔓延る課題があるんですよね。今を時めく若手俳優も積極的に起用して伝えたかったことは最後に凝縮されてて思わずガッツポーズしたくなる軽快な一作です。オススメ。

『アメリカン・ファクトリー』(Netflix)

中国資本=悪なのか
オバマ前大統領夫妻のプロダクション会社が買い付け、Netflixと提携し配信した作品の第一弾。アメリカ、オハイオ州のGMの工場が閉鎖し、数か月後中国系の企業が工場を買収。車のフロントガラスなどを手掛ける工場に代わり、地元の雇用を創出したが中国的経営方針と地元は対立してしまう。こういった話題によくある「文化の違いによる軋轢」だけでは済まない背景を、丁寧に取材しながら努めてフェアに製作されたドキュメンタリーです。アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門も受賞。監督にオバマ夫妻がインタビューする特別コンテンツも配信中ですので併せてぜひ。

『ゾンビランド:ダブルタップ』(劇場鑑賞)

ゾーイ・ドゥイッチがオールスターを完全に食ってる(最高だ)
今となってはアカデミー賞ノミーネート俳優となったメインキャストが10年の時を経て再集合!それだけでも胸アツなのに、内容も10年前から良い意味でそのままの路線を貫いていて最高。新しいキャラクターの中でも一番はゾーイ・ドゥイッチ演じるチャライ女の子。いかにも序盤で死にそうなオーラを全開に出しながら他の俳優は食う強烈なキャラクターを演じてて痛快です。彼女の出演作はほんとあたりが多い。1作目を事前に見ておくと味わい深い描写も結構あるので、ぜひセットで鑑賞してみてください。

『パーフェクトデート』(Netflix)

インターネット上のみんなの彼氏、ノア・センティネオ君主演
ノア・センティネオ君と言えばNetflix「好きだった君へのラブレター」でSNS上で爆発的な人気を得た若手俳優。その後チャーリーズエンジェルのリブートにも抜擢されてましたね。そんな彼の主演作です。作品としては、面白い<ノア・センティネオ君を堪能する時間という印象が強いですが(笑)学費を稼ぐためにフェイク彼氏役を買って出る役。ノア・センティネオ君とデートとか…(心爆発)

『Guava Island』(映画?/Amazonプライムビデオ)

映画といっていいのか、ミュージックビデオといっていいのか、本当に良い意味でカテゴリーわけに困る作品。それがまた、ドナルド・グローバーらしいというか。注目の映像作家ヒロ・ムライが監督を務め、ドナルド・グローバ-が主演といえば、エミー賞ドラマ「アトランタ」組の作品です。少しレトロな雰囲気の漂う映像と、オフビートながらしれっと、そしてしっかり今の社会への皮肉もこもった作品。チャイルディッシュ・ガンビーノ(ドナルド・グローバー)のファンにはたまらないミュージックシーンに大満足でした。やっぱり、彼らの作品好きだな~と実感!

『荒野にて』(映画/劇場鑑賞)

今ここに生きること、誰かと歩むこと、それでも一人であること
所謂レッドネック(アメリカの田舎に住む労働階級の白人男性)を父に持ち、貧しいながら街を転々としながら仲良く日々暮らしていた主人公のチャーリー。ある日突然父を亡くし、孤独に生きていくことを強いられた彼の唯一のよりどころは競走馬のピート。原題のLean on Peteは、この競走馬の名前であり、Lean onとは「寄りかかる」とか「すがる」という意味。チャーリーとピートはお互いの行く末に無くてはならない存在となり、ともに果てしない荒野へと旅にでるストーリーの中で直面するさらなるつらい現実と、わずかな希望を繊細に描いた映画で、観た後何とも言葉にできない気持ちになりました。広大で美しい自然の中にいる自分が、何かを求めようとすることさえあまりにちっぽけに思えるけれど、それでも生きていかなきゃいけない、今この瞬間との対比が素晴らしかったです。

『THE GUILTY/ギルティ』(映画/劇場鑑賞)

敏腕コールセンターの人が華麗に解決!とかじゃない驚きの展開
88分のほとんどが警察のコールセンターを舞台に描かれるサスペンス。あることがきっかけでコールセンターに異動となり勤務している主人公。彼が受電した電話は窃盗からいたずら電話までさまざまで、そんな中誘拐事件と思われる電話がかかってくる…その応対を通して事件の行方を見届ける映画なんですが、緊迫感が凄かったです。そして、最後のオチが素晴らしかったですね。単なるサスペンスだけでは済ませない、社会的課題も織り込む展開に痺れました。

『アメリカン・アニマルズ』(映画/劇場鑑賞)

いまだに何かにならないと、と思う自分にぶっ刺さった
大学生4人組が起こした強盗事件をドキュメンタリーのようなタッチで描いた実話物映画。ある大学の図書館にある数千万ドル以上する画集を盗もうと企てた大学生4人の計画からその顛末までを追うストーリーの中で、時折ご本人が登場する斬新な作りが新しくもあり示唆的というか。何者にかなりたかった若者の物語であり、それだけではなく、誰かが何者かになろうとする中で起きる犠牲もしっかりと描いていて秀逸でした。何者かになろうとすることは決して悪いことでもないですが、それはあくまで自分の価値を達成する手段でしかないこと。それを思うと、なんとも・・・止められなかったのかなとも思うし、同世代としては、なんというか気持ちがわかる気もするなと。

『Don't Think Twice』(Netflix)

もう、日本では観れない悲しみ。Netflixさん再配信よろしくお願い致します。
コメディアン、マイク・バーグビリア(Netflixにスタンドアップコメディあります)が手掛けるコメディ映画。小さな劇場で即興劇を上演してる劇団のメンバーたちの成長と、葛藤を描いた秀作です。コメディアンとして売れることを目指すこと、自分の人生のビジョン、仲間でありライバルであることへの複雑な感情を、軽快なトーンで描きながらも、心かき乱してきます。ほんと、いい映画で、青春映画のような家族映画のような味わいも。もうNetflixでは観れないので、また配信してほしいです。頼む・・・

『ホワイト・ボイス』(Amazonプライム)

Black Lives Matter映画として必見
原題は『Sorry To Bother You』。『ホワイト・ボイス』って全然違うやんけ、ってなりますが、日本語だとこの題の方が伝わるかと。ジリ貧の黒人青年が稼ぐために飛び込んだのはテレマーケティング会社。電話営業で商品をガツガツ売ってインセンティブ稼いでいく怪しい業界で、彼は周りの黒人の先輩から「白人の喋り方を真似してやれ」と言われ素直に実行し一躍トップ営業マンに。社会のシステムに組み込まれ、その中でのみしか生きられない怖さと、最後のワンカットまで見逃せない展開が最高に苦くて面白い。ポップな展開の中で見え隠れする、黒人アメリカ人の人生。主演のラキース・スタンフィールドの出演作は本当に秀逸なのばかり。必見です。

『インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~』(映画/レンタル)

あんまり期待せずに観たら想像以上の出来映えで滝のように泣いた
マーク・ウォルバーグのコメディといえば、面白いけど絶賛!とまではいかないイメージでしたがこれは大変に素晴らしい映画でした。監督自身の体験談をもとに映画化された里子と里親のお話。子どもは持たないと決めていた夫婦。仕事も夫婦仲も順風満帆で、ひょんなことから里子を迎えることに。ただ子供を迎えるだけでなく、初めての子育てと、里親をたらい回しにされてきた3兄弟がなんとかやっていけるようになるまでのドラマはさすが体験談だけにとても切実な場面も多々あり。最後はもう溜まらず滝のように涙があふれてしまいました。しばらくゴリ押しすると思いますこの映画。Netflixに入ってる人は『デヴィッド・レターマン今日のゲストは大スター』のティファニー・ハディッシュの回も併せて観てください。里子として生きた過去があるティファニーの赤裸々な語りは必見です。

『ホテル・ムンバイ』(映画/劇場鑑賞)

映画観てる間8割くらい泣いてましたね、ええ(号泣)
2008年に起きたムンバイのテロ事件を描いた実話物映画。あまりに突然始まる銃乱射と爆撃、武器を持たない一般市民の無力さ、その中で何とか生きようとする人々、全編常に緊迫感が強く、ステイサムみたいなヒーローも当然出てこない。なんて無力なんだろう…って苦しくなるし、銃撃シーンも凄まじいし、ホテルの人達の懸命に人命を守ろうとするシーンも辛くて、もうやめてくれと何回も思いながら泣きながら観た映画でした。かなりキツイシーンもあるので、心が元気な時に観るのをオススメいたします。

『ハイ・ライフ』(映画/劇場鑑賞)

私は一体何を観たんだろうか…(超褒めてる)
ある実験のため宇宙でミッションを続ける囚人たちの人間ドラマを描いたSF作品。宇宙漂流ものって今までいろいろあったと思うんですが、この作品はその中でもSFなのにちょっとSFっぽくないリアルさというか、人間としての生々しい感じがあって、凄く(いい意味で)嫌な映画でしたし、今自分は何を見せられているんだろう・・?と映像一つ一つに込められた意味を手探りで探すような映画でもありました。宇宙船っていう狭い世界、いつもと同じメンバーでの途方もない長旅の中での日常、そしてそこにいるのは全員囚人。もはや、宇宙に出れば囚人かどうかさえどうでも良くなる中で彼らが求めるものとは…みたいなことを延々と悶々と考えてしまう作品でした。

『ブリタニー・ランズ・ア・マラソン』(Amazonプライム)

ただのダイエット映画でもないしラブコメでもない、それがいい
予告だけ観ると、太った女性がきれいになって、自尊心上って彼氏もできるみたいなペラい映画を思い浮かべがちなんですが、この映画はその一歩も二歩も先を描いていて好感。自分を磨くことは一体、何を意味するのか。よく「自分らしさ」と一言で片づけられる中で起きる心の葛藤や、疑問、苛立ちをよく描いていて、中盤以降ボロボロ泣いてしまった。何か自分にコンプレックスを抱えている人への応援歌というか。自分の課題は自分にしか解決できないのかもしれないけど、その時の周りのサポートと、そこから見えてくる新たな一歩の描き方がとても良い。順調に見える人も実は何かを抱えてる。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(映画/劇場鑑賞)

ジョン・ワッツ監督作品ホント好き
まさか、「スパイダーマン:スパイダーバース」だけでなく、こっちのスパイダーマンも上半期TOP10にいれちゃうくらい気に入るとは思いませんでした。正直「アベンジャーズ:エンドゲーム」以上に、今私が見たかったアメコミ要素が盛沢山でした。個人的に、ジョン・ワッツ監督の描くヴィランが大好きで。前作「スパイダーマン:ホームカミング」の時のヴァルチャー(演:マイケル・キートン)しかり、今回しかり、舐めてた大人に全力で大人げなく報復された若者が、その大人を踏み台にして成長するストーリーは安定のジョン・ワッツ感。ギラついた悪い大人の描き方も「コップ・カー」時代からある意味変わらずで、もうニヤニヤしてしまいました。そして何よりアメコミファンに疑問を問いかける流れも最高。ありがとう、ジョン・ワッツ監督、ありがとうケヴィン・ファイギ・・・!

『スパイダーマン:スパイダーバース』(映画/劇場鑑賞)

アメコミファンもそうでない人も多くの人に見ていただきたい珠玉のアニメ
昨年ベスト3の映画。アカデミー賞を受賞したマーベルの新作アニメ映画で、アメリカでも爆発的に人気だったのでさぞ・・・さぞ素晴らしいんだろうなと思って観にったら、終わった後泣きながら拍手する自分がいました。スパイダーマンを知らない人でも楽しめるし、知っている人でも楽しめる十分すぎるてんこ盛りのアニメ映画で、コミックを呼んでいるような、アニメを観ているような、実写映画のような不思議な世界観は、自分の脳内の妄想を全部作品に投影してくれたようにも思えました。1度でもヒーローに憧れた人、何かになりたいけど進めない人、過去の経験から抜け出せないい人・・・いろんな人に見てほしい今年最高の1本です。

『ホテル・エルロワイヤル』(映画/レンタル)

最後まで見逃せない展開と役者陣の演技アンサンブルのすばらしさ
昨年ベスト2の映画。1960年代?70年代?、ネバダ州とカリフォルニア州の州境にある「ホテル・エルロワイヤル」に訪れた訳ありの7人の群像サスペンス。7人それぞれに短編小説のようなストーリーがあり、それが少しずつから意味合い最後の結末に至るその流れが、2時間20分もあるのでだらっとするのかなと思いきや全然そんなことはなく。次々に事件は起こるけど、いい意味で起こりすぎないというか。今の時代にも通じる社会問題も織り込みながら帰結する感じもたまらなく良いし、丁寧に回収された伏線も見事。映画館で上映しないのがもったいないくらい個人的には大好きな映画です。是非見てほしい。

『ブラインドスポッティング』(映画/劇場鑑賞)

昨年ナンバーワン映画。観て。いいから観て。
オークランドにずっと住む幼馴染のコリンとマイルズ。オークランドの変化を肌で感じ、適応しながら生きてきたはずだった。でも、コリンがある事件に遭遇してから、実は本当に理解し合えているようで実はできていなかった大きな溝が明るみに出る。それは二人の人間関係以上に、社会がそうさせてしまっているんですよね。主演の二人が脚本・製作を手掛けて、10年以上の構想期間を経て製作された本作は、10年の時を経ても「今」を描いているという辛い現実と、その「今」をミクロな視点で切実に捉えていて、ラストは本当に震える…。ぜひ、観る前に公式ページで色々と知識を入れてから観ることをお勧めします。

ちなみに、ラッパーでもある二人は、それぞれのキャラクターでアルバムも製作してます。こちらもぜひ。

よろしければサポートを何卒…!貯まったら親とおいしいご飯に行こうと思います。