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【千葉麗子『くたばれパヨク』出版記念サイン会】

 2017年1月12日、東京堂書店で開催が予定されていた標記書籍の著者サイン会。千葉麗子氏は1992年の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』でプテラレンジャー・メイ役などを演じた元アイドル女優。

 同氏は2011年の東日本大震災を機に、福島県出身という縁もあり反原発運動に傾倒するようになったが、その後左翼活動に失望して決別した。『くたばれパヨク』は前著『さよならパヨク』に続いてその経緯を語ったエッセイである。
 なお「パヨク」とはいわゆる左翼に対する蔑称として流通しているネットスラングであるが、この言葉そのものを作り出したのも千葉氏であり、彼女に対して別の左翼活動家があいさつ代わりに用いていた「ぱよぱよちーん」という言葉と「左翼」を組み合わせて作り出したものとのことである。
 
 しかし会場の東京堂書店に対し、「わかってやっているのか?」と店員に恐怖を与えるような電話が相次いだため、中止となった。
 開催1週間前となった1月5日、出版元である青林堂および千葉氏が、それぞれ下記ツイートでサイン会の中止を伝えた。

 産経新聞記事は「青林堂によると、サイン会を知ったとみられる人物の「抗議しよう」という趣旨のツイートがあった直後から、サイン会を開くことに抗議する電話やファクスが殺到」したと報じている。
 また東京堂書店は「書店を利用している方から『ヘイトスピーチにあたる本のサイン会が開催されるのは残念だ』という趣旨のファクスがあり、5日午後に中止を決め、千葉さんサイドに知らせた」と同紙取材に回答している。
 本件について国会議員の和田政宗氏は「言論弾圧ともいうべきひどい話」、杉田水脈氏は「充分脅迫事件だと思うのですが」とそれぞれコメントした一方で、有田芳生氏は「常識的な判断」と正当化するツイートをおこなっている。
 なお有田氏はのちに、あいちトリエンナーレ2019が抗議で一時中止になった件については「抗議に屈してはなりません」とツイートしている。

 なお、この騒動によって注目が高まったためか『くたばれパヨク』はAmazonの政治部門で1位を獲得した。
 また千葉氏は同年末の12月20日に、リベンジとも呼ぶべきイベント『パヨクニュース2018』出版記念講演会~今度は邪魔しないでね~』を開催している。


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