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【岩波書店 2021年国際女性デーのツイート】

 2021年3月8日の「国際女性デー」にあたって、Twitter上で岩波書店の公式アカウントが呟いた発言で、フェミニストによるバッシングを受けた。

 岩波書店は戦前から続く歴史ある出版社であり、学術系の書籍を多く出版している。そしてリベラル・左翼系へ親和性はむしろ強い。同書店の『日本資本主義発達史講座』という書籍の執筆者が中心となったことからそう呼ばれる「講座派」という共産主義一派があったほどである。、
 現在にあっても同書店のサイトで「女性」を検索するとフェミニズムや従軍慰安婦関連の書籍が多数ヒットする。

 本ツイートにしても、別段「男女平等」「女性の社会進出」に逆らうような発言をしたわけではない。むしろ推進する内容であった。
 しかし「男性のためでもあります」というこの一句がフェミニスト達の本音を刺戟し、逆鱗に触れてしまったのである。

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 なぜこんなことが起こったのだろうか。

 実はこの「フェミニズムは男性のためでもある」というのはフェミニスト達がつく定番の嘘でもある。

 有名なのは『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役で知られる女優エマ・ワトソンの演説であり、現在もネット上のフェミニスト達はしばしば「男性のためにもなる」「フェミニズムと弱者男性は手を取り合える」としきりに言っている。

 なぜならフェミニストの世界観によれば、この社会は「強者男性」という何やら大魔王的なものによって支配されており、自分達フェミニストはそれを倒す勇者様であるからだ。一種の陰謀論に近い。陰謀論者があらゆるものから暗号を見出すように、フェミニストもまた社会のあらゆるところから【性的消費】や「家父長制」「女性差別」を「発見」し、攻撃する。

 その結果フェミニスト達は、【宇崎ちゃん献血ポスター事件】に代表されるような何の罪もないポスターのイラストや、【お母さん食堂】【#TOKYO女子けんこう部】に食って掛かり、周囲から距離を置かれるようになってしまう。

 しかし、フェミニストはその状況を正しく認識することに耐えられない。自分達に非があって嫌われているのではない。自分達は仲間外れなんかじゃない。そうじゃないんだ。非モテ・オタク・弱者男性といった「醜いアイツら」が一方的に頑なになってフェミニストを拒んでいるんだ……と頬かむりすることになって、現在に至るのである。

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 ここで滑稽なのは、フェミを嫌っていることになっている主体が、自分達が倒す敵だと口では言っている「強者男性」ではなく、なぜか「弱者男性」にすり替わっていることだ。これは実は女性の本能を勘案すれば自明の理で、女性とは威張っていて暴力的で金持ちな「強者男性」が好きなのであって、「弱者男性」こそ本当の嫌悪・攻撃――【負の性欲】――の対象だからなのである。

 しかし、そんな欲求が自分にあるとは「道徳的に」受け入れられないので、「私達フェミニストは、強者男性の支配を倒すために(弱者)男性と協力の手を差し伸べてあげているが、あっちが拒んでいるのだ。私達じゃない」と主張せざるを得ない。事実は弱者男性にしてみれば、フェミニストが罪もないイラストやポスター、物の名前などなどに攻撃を仕掛けて来さえしなければ、何も嫌ったりしなかったのだが。

 このようにフェミニスト女性たちは、対外的な偽りの『協調性』と、弱者男性に対する強烈な【負の性欲】を日常的に使い分けているのである。

 ここにフェミニスト女性たちと岩波書店の感覚のズレがあった。
「#国際女性デー」のハッシュタグは、フェミニストが仲間内できゃいきゃいと連帯を確かめ合うためのもの、つまりは内部向けのメッセージを発するのが主要な使われ方のタグだからだ。

 岩波書店は冒頭で述べたように高度に学問寄りの出版社であるが、おそらくその「学者肌」ゆえに、フェミニスト女性たちの卑しい空気を読むことができなかった。そのために彼女らが「外づらの建前」で述べている嘘を、本当の信念だと思い込んで内部向けでまで発信してしまったのである。

 いわば慈善団体を装っている詐欺集団のメンバーが、仲間の嘘を本気にして、儲けた金を勝手に本当に寄付しようとしてしまったようなものだ。

 これがフェミニスト女性たちには許せず、このたびの岩波叩きに至ったのである。


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