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【ドラゴンボール超】

 鳥山明原作の大ヒット作品『ドラゴンボール』『ドラゴンボールZ』の後日談を綴るテレビアニメ。2015年7月~2018年3月までフジテレビ系で全131話が放映され、アニメ終了後のエピソードも漫画版が続刊中である。
 同じく原作後日談のオリジナルアニメで、本作より先に放映された『ドラゴンボールGT』(1996~1997)の展開はリセットされ、まったく異なる物語が展開されている。

 2021年、本作がアルゼンチンのCartoon Networkで放映された際「成人男性による児童・未成年者への性的虐待」が描かれていると糾弾された。

 該当回は第91話『勝ち残るのはどの宇宙!?集う最強の戦士たち!』。
 宇宙同士の対抗戦「力の大会」に参加することとなった亀仙人が、自身のスケベ心を克服するための練習台として、プーアル(変身能力を持った空飛ぶ猫のような生物)に頼んで女性に変身してもらうというエピソード。
 結局、いやいやながらも変身したプーアルが、興奮した亀仙人に追いかけ回されるギャグシーンとなっている(なお結構反撃している)。

 首都ブエノスアイレスの女性・ジェンダー・多様性政策省は「亀仙人に閉じ込められた未成年女性が繰り返し『触らないで』『いや』と言いながら逃げようとしており、合意がないことは明白ながら、亀仙人は止まることがなかった」「病的な描写」と批判。
 
苦情受付機関であるDefensoría del Públicoは、調査の結果「成人男性による児童・未成年者への性的虐待」としたという。
迫る指導者が若い女性の拒絶を無視するシーンで、他のキャラは苦悶の表情で虐待を黙認している。少年少女の権利を侵害し、ジェンダーに基づく暴力の根絶に向けた規則と矛盾する」と当局は発表。Cartoon Networkはこれを受け、該当回だけでなくシリーズ全体の修正を行うとした。

 不可解なのは、このシーンでのプーアルが「未成年者」と見なされているらしいことである。プーアルが何歳相当の女性に変身したのかについては作中には一言も言及がないし、見た目では「若い女性」に変身したという程度のことしか分からない。
 ではプーアル自身の年齢から言っているのかというと、彼らの登場した初期から『超』の時代まで、作中では何十年も経過している。
 それほど注意して作中の経過時間を計算したことがない視聴者にとっても、子供だった主人公の孫悟空に孫ができるほどの時間が過ぎているのである。プーアルが未成年者であるはずがない。

 なお子細に検討した場合、このときプーアルは40歳程度であるという。 

参考リンク・資料:

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