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【スティーブン・スタック】

【社会学】者。ウェイン州立大学教授。
 自殺の研究者であり、様々な音楽ジャンルが自殺に与える影響について調査した実績がある。
 1992年の発表論文『自殺に対するカントリー・ミュージックの影響』に対して2004年イグノーベル賞を受賞(ジェイムス・グンドラックとの共同受賞)している。

 上記の研究を皮切りに、様々な音楽ジャンルが自殺に与える影響を調べたことで知られる。
 カントリーはアメリカ南部の貧困層を悲哀を歌うことが多く、失業・アルコール・家庭的なトラブルがテーマになっていることが多い。スタック教授はこの傾向の自殺との関連性に注目し、各都市の地元ラジオ局のカントリー音楽放送量を比較し、相関関係を明らかにした。
 スタック教授は「カントリーは愛好者の自殺率を上昇させる傾向があるが、カントリーを禁止しなければならないほどではない」と結論している。

 のちにスタック教授はヘヴィメタル、ブルース、オペラについてもそれぞれ研究している。ヘヴィメタルの歌詞は退廃的かつ攻撃的であり、ブルースの歌詞は悲しみに満ちていて、オペラ劇には自殺シーンが非常に多いという特徴があり、これらは自殺との相関を伺わせるためだ。
 その結果、ヘヴィメタルとオペラについては自殺との相関性があり、ブルースにはなかったとしている。
 論文「オペラ文化と名誉のための自殺」(2002)によると、オペラ愛好者の自殺容認率はそれ以外の人の2.37倍に昇った。

 ただしヘヴィメタルについてスタック教授は、自殺増加の原因と結論するのに慎重な態度を採っている。
 彼はファンに無宗教者が多いことに注目し、自殺とヘヴィメタルの相関の真の原因が、音楽自体ではなくファン層の宗教的抑制の欠如である可能性にきちんと注意を促しているのだ。

 キャンセルカルチャーを擁護するジェンダー系社会学者の愚かしさを見なれた目からすると、スタック教授の姿勢はなんとまっとうな学問的態度ではないだろうか。

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