見出し画像

 2015年2月~2019年6月に週刊少年ジャンプに連載された、原作:附田祐斗、作画:佐伯俊によるいわゆる料理対決漫画。アニメ版は2015年から2020年にかけて飛び飛びに全5期放送されている。

 海外のTikTokユーザーがアニメ版の映像を引用しながらその【乳袋】描写を叩いた。それを叉引きして叩いたのがプラスサイズモデルの【藤井美穂】である。

 この藤井氏は本作の他にも2020年2月に話題になったラブライブみかんポスターなど、アニメ系の色っぽいヒロインに対してやたらとつっかかるのだが、「太った女性をヒロインにした色モノアニメ」に対しては乳袋表現があっても絶賛している。
 つまり実際のところ性表現がどうのとか子どもへの影響がとかは全て言い訳で、早い話が「自分とかけ離れた正統モデル体型の女性が華々しくヒロインをやっており、その身体つきが多くの人に好まれているのが気に入らない」ということに過ぎないようである。

(太った女性が主人公の作品を持ちあげる呟きをRTする藤井美穂)

 太った人を侮辱的に描いた作品を批判するならまだ分かるが、そうでない人が褒められているのが嫌だというのでは、完全にただの醜い嫉妬である。

 なお本作、実際には「男女平等」とか「女性の自立」という面ではかなり申し分のない作品である。
 まず登場する料理人のうち、敵味方問わず女性が非常に多い。大抵の女性キャラは男性と同じく何らかの料理ジャンルの達人であり、自信の料理道を極めんと努力している。
 また本作には料理を食べた人が「おいしさのあまり服が脱げる」という演出が高頻度で入るのだが、この演出も脱ぐ人物の性別にかかわらず挿入される。この演出と関係なくしょっちゅう脱いでいる男性キャラクターもいる。

(原作のワンシーン)

 さらに件の動画で「乳袋」をバッシングされた「薙切えりな」というヒロインの物語に至っては、父親の野心のために道具として利用されていたが、それを友人たちの助力を得て拒むというストーリーであり、作品後半での彼女は舞台である料理学校の総帥となっている。
 そんな彼女をフェミニストが攻撃するというのは、実に本末転倒な事態であった。
 同じジャンプ作品である【鬼滅の刃】の甘露寺蜜璃の描写もそうであったが、このように「女性の自立・解放」の積極的な描写をされたキャラクターが、ただそのキャラクターが美しいというだけでフェミニストの攻撃に遭うというケースは多い。

 つまり、フェミニズムのために作品内容に気を遣う必要は無いのだ。
 なぜなら、たとえ作品が男女平等や女性の解放に叶う内容だったとしても、どうせフェミニストにそのような描写を見る目などないのだから。
 本作はそんな悲しい事実を浮き彫りにした作品でもあった。

参考リンク・資料:

 資料収集等、編纂費用捻出のための投げ銭をお願いします!↓

ここから先は

14字
この記事のみ ¥ 100

ライター業、連絡はDMでどうぞ。匿名・別名義での依頼も相談に乗ります。 一般コラム・ブログ・映画等レビュー・特撮好き。