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 本来は、性犯罪の刑事手続段階において、被害者がさらに受ける苦痛のことを言う。調書の録取や証人尋問などで、被害者は強姦などの被害の状況をまざまざと思い出し、それを口に出さなければならないからである。
 当然ながら刑事罰は間違いのない真実に基づいて下されねばならない以上、被害者のこのような苦痛を完全に防ぐことは困難であるが、被告人の防御権を保証しながらセカンドレイプの苦痛を軽減するための方法が各種導入されている。

 表現規制にかんする議論においては、「性表現」や「女性差別表現」の規制・撤去を要求する側が、そのような表現によって苦痛を受けると主張する場合がある。
 もし女性に対して、多少ともセクシーなポスターや、書店で並べられているポルノグラフィなどが一般に苦痛を与えるものだとすれば、「女性の悩み相談」系のコンテンツにそのような訴えや、見ずに済む方法を尋ねる質問が日常的に届いていると考えられる。ところがその種のコンテンツをいくら調べても「書店や街を歩いていて、エロ本やセクシーなポスターが目に入るのが辛い、なんとかならないでしょうか?」などという質問は一向に存在しない。
 「性表現が女性を傷つける」とは、それを根拠に表現物を攻撃しようとしている時にだけ主張され、日常には影も形も存在しない苦痛なのである。

 しかし「性表現で女性は傷つく!」と主張したい人びと――すなわちフェミニスト達は、しばしばそのような「実体験」を語ることがある。いわゆる【嘘松】だ。
 そしてその真偽を問われると「セカンドレイプだ!」と攻撃してくるのである。

 この画像は2020年3月、山手線の高輪ゲートウェイ駅で稼働する“AIさくらさん”の応対が「セクハラを助長する」とのフェミニストの言い掛かりを受けたときの、その根拠を問われた某フェミニストのツイートである。
 見てのとおり、「AIがセクハラ発言を受けても愛想よくする(そうでなかったら誤認識したときに何も悪くない客に愛想の悪い返しをしてしまうことになるのだが)」からセクハラを助長すると言っているが、AIさくらさんは何も昨日今日実用化されたAIではなく、何年も前から300以上の施設で稼働している(このフェミニストはそのことを知らなかったのだろう)。それなのにちょうど自分がAIさくらさんを槍玉に挙げた直後に初めて「AIさくらさんに助長されたセクハラ」に遭遇したというわけだ。
 このことを指摘されると本人は「別のSNSで別の日に書いたものを引用した」という無理のある言い訳をしていたが、それをついに一度も示すことのなかった。
 それにしても「愚痴りながらどこかへ行った」とは、身動きすら難しいだろう「満員の山手線」でずいぶん動きが軽いことである。

 この嘘松報告者は、指摘者をセカンドレイプと罵りながらアカウントを消滅させて消えていった。

 こうした「明らかな嘘松に対し、指摘した者をセカンドレイプ呼ばわりする」という用法はフェミニストの常套手段である。
 ちなみに筆者は嘘松を暴くのが好きなので、よくセカンドレイパーにされてしまう。
(注:フェミニストはよく「セカンドレイパー」と言うのだが、レイプ犯人を意味する英語はraperではなくrapistなので、本当はセカンドレイピストと呼ぶべきであろう)

 ネット上だけでなく、たとえば草津温泉で有名な群馬県の草津町は、2019年に女性町議が「町長にレイプされた」と告発しそれが狂言であったことで知られるが、フェミニストに言わせると「セカンドレイプの街草津」にされてしまっている。

 つまりフェミニストの言う「セカンドレイプ」とは要するにこういうことである。

藤子・F・不二雄『ドラえもん』より

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