【アメリカ合衆国連邦議会下院規則】
ここでは2021年に始まった第117議会において、ナンシー・ペロシ下院議長が提出し、賛成多数で可決した「性別語を排除する」議会規則を指す。
内容はいわゆる「言葉狩り」で、性別を前提とする主に血縁関係に関する用語をジェンダー的に「ニュートラルな」表現に置き換えるもの。
ターゲットとなった言葉は、「父」「母」「息子」「娘」「兄弟」「姉妹」「おじ」「おば」「いとこ」「おい」「めい」「夫」「妻」「義父」「義母」「義理の息子」「義理の娘」「義兄弟」「義姉妹」「継父」「継母」「継息子」「継娘」「継兄弟」「継姉妹」「異母兄弟」「異母姉妹」「(男の)孫」「孫娘」といった家族用語。
これらの用語は性別を排除した表現に変更され、たとえば父や母は「子供の親」などになる。
なお男性にも女性にも使えるはずのfirst cousin(いとこ)が禁止語に含まれている理由は不明。
そのほか、seamen(海員)がseafarersに、chairman(議長)はchairなど、manを含む職業・役職名などが変更される。
さらにhe、sheを含む代名詞も排除している。
これは性別が分からないのに勝手に he を充てるのがよくないというだけにとどまらず、たとえ he or she の形でも使われなくなるようである。
実際に挙げられている例でいうと"submit his or her resignation"(彼または彼女の辞表を提出する)という表現は”resign”(単に「辞職する」)になる。
アメリカの連邦議会では、民主党のエマニュエル・クリーバー議員が「祈りの言葉」の締め括りに、【アーメン・アンド・ア・ウーマン】と放言して失笑を買ったエピソードでも知られる。
参考リンク・資料:
「父・母」を削除。米下院、行動規範にジェンダーニュートラルな言葉を採用
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