見出し画像

 2019年6月、立憲民主党の足立区議会議員・小椋修平氏が日本の教育を憂うツイートを行った。
 内容は、小学4年生の漢字ドリルに「軍国主義」的な内容の漢字が教えられていたというもので、3000いいね以上を獲得している。

同調者たちのツイート。

 もちろん、漢字ドリルが子供たちに軍国主義教育をしようとしているのではない。

 漢字ドリルというのは教科書準拠の場合、国語の教科書に採用されている作品の文例が使われるのが普通である。そして小中学校の教科書にはしばしば戦争文学・反戦文学と呼ばれる、第二次大戦中の生活の困窮や戦災の悲惨さが描かれる作品が採用される。『ちいちゃんのかげおくり』などはその代表的な作品だ。
 このドリルもおそらくそれだけの話だろうというツッコミが、同調者以上に数多く殺到した。

 果たしてこの漢字ドリルの例文も同様に、今西祐行による代表的な戦争文学作品『一つの花』から採られたものであった。

 つまりこの立憲民主党議員およびその同調者たちは、戦争アレルギーをこじらせるあまり、愚かにも反戦文学に使われる熟語にすら「言葉狩り」の刃を向けてしまったのである。

資料収集等、編纂費用捻出のための投げ銭をお願いします!↓

ここから先は

13字
この記事のみ ¥ 100

ライター業、連絡はDMでどうぞ。匿名・別名義での依頼も相談に乗ります。 一般コラム・ブログ・映画等レビュー・特撮好き。