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【巨大フジ隊員VSキングギドラ】

会田誠作(1993年)。実質上のデビュー作とも呼ばれる。

 今でいうリョナ絵であるが、あくまで着衣の状態でありエロよりもグロ要素のほうが強い。そのためか2012~13年に森美術館で開催された【会田誠展:天才でごめんなさい】では「18禁の部屋」外に配置されていた。
 フェミニズム団体PAPSが同展を攻撃した際に抗議文でやり玉に挙げた作品のひとつ。

 襲われている女性=フジ隊員は『ウルトラマン』のレギュラー登場人物で、科学特捜隊の仲間の一人である。実際に第33話「禁じられた言葉」で敵のメフィラス星人によって巨大化させられてしまうエピソードを下敷きにしたもの。
 その状態で2体のキングギドラに襲撃されているのがこの作品である。なおキングギドラは『ゴジラ』シリーズなどに登場するいわゆる東宝怪獣であり、本来は一切『ウルトラマン』に登場しない。
 またモチーフになっているのは葛飾北斎の春画『蛸と海女』で、同作を現代SF作品のキャラクターを用いてパロディにしたものといえる。

 なお会田誠作品では凄惨な負傷をしているにもかかわらず少女が無表情であることが多いが、このフジ隊員に関してはメフィラス星人に操られているため原作の時点で無表情である。

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