[読書メモ]『インテリジェンス読書術』(中島孝志)

p28
どんなに頭がよくても、心が優しくなければいけない。心が優しくないと人の欠点がよく目につく。しかも、頭がよければよいほどよく目につく。

pp33-34
じつは、キンセラが耳にしたあの囁きは、空耳でもシューレス・ジョーの声でもなく、キンセラ自身の内なる声=心の囁きでした。 ずっと気になっていたことが潜在意識に刷り込まれ、とうとう彼自身に囁きかけてきたのです。/読書はこの「囁き」に似ている、とわたしは思います。だれにでも内なる声が囁いています。じっと耳を澄ませば必ず聞こえるのです。そして、その一行に出会ったときに、はたと気づくのです。自分の内なる声の囁きに。自分が本当に必要としているものに。読めば気づくのです。

p35
おもしろいことに、「留学したい」という夢を持てば、留学に関する情報が急激に集まりだします。

p36
夢とは、いい換えれば、「テーマ」とか「目標」「問題意識」です。 そして曖昧でほんやりしたものではなく、より鮮明で具体的なものになればなるほど、多種多様で有用な情報=インテリジェンスが集まりやすく、そして求めるものを手に入れやすくなるのです。

p39
自己啓発系の本には、願望達成へのさまざまな方法が書かれています。 乱暴ですが、古今東西、こうした系統に属するすべての本をまとめてしまえば、/①目標を設定する/②それに向かってベストを尽くす/書いてあることの要点は、つまるところこの二つしかありません。

p53
ポイントは、視野を広くすることです。部分にとらわれず、広く、大きく、全体を見るのです。すると、文章を点から線、線から面へと広く読みとれるようになります。

p54
テーマが明確かつ具体的であり、ほんとうに困っているとき、脳は解決策を求めて自動的に三六五日二四時間態勢の「検索モード」に入ります。そして、寝ていようが遊んでいようが関係なく、ヒントになりそうな情報を見たり聞いたりすると、突然、 動き出すのです。

pp58-59
ずばりいえば、冒頭部分は概して内容が薄いからです。 「薄い」というのは、ポイントやエッセンスを出し惜しみしているせいなのか、本のいちばんの重要点(キモ)が冒頭にはなかなかないからです。経験上、結論やエッセンス、ポイントは、どちらかというと後半部分、とくにラスト部分に集中している傾向にあります。[...]今日から「一ページ目から読む」という思い込みを、さっさと捨ててしまいましょう。

p59
速く読むうえで大切なポイントは、だらだら読まず、集中して読むことにあります。つまり、単位時間あたりの密度を濃くします。というのも、人間は記憶力より忘却力のほうが断然強いからです。一気呵成に読んでしまうほうがスピードも速くなるし、自然と、インプットできる量(記憶に残る量)も増えるのです。/わたしの場合、一週間で一冊ずつ読むというようなパターンをとることはほぼ皆無で、全部を読む本でも、三時間でざっと一冊読み切ってしまいます。そして、もう一回二時間で、さらに一時間でもう一回読んでしまうという「マシンガン・リーディング」をすすめています。

p63
稀代の読書家である井上ひさしさんのモットーを聞いたことがありますか? 「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことをおもしろく」というものです。すばらしいですよね。ところが、頭の悪い人=性格の悪い人はこの逆に書いてしまうのです。すなわち、「易しいことを難しく、深いことを浅く、おもしろいことをつまらなく」です。

pp65-66
速読していても気づく人は気づきます。一方、熟読しようが遅読だろうが、わからない人にはわかりません。なぜか? その人が蓄積している情報=インテリジェンスの質と量に違いがあるからです。

p66
制限時間を設けると速くなる

p111-112
経営者、ビジネスパーソンは学者のような読み方はしません。 歴史を研究するために読んでいるわけではありません。 史実の細部が正しいかどうかよりも、そこから自分の会社がどうすれば繁栄し、どうすれば衰亡から逃れられるのかを探究するために読んでいるのです。

p119
執筆という作業では、「勢い」や「乗り」がことのほか重要です。勢いがなければ、筆はなかなか進みません。 「仕事だから」と、義務感や使命感で進むものではないのです。

p120
「五人が五人、おもしろくもつまらなくもないと評価するドラマはウケない。一人でもめちゃくちゃおもしろいというドラマがウケる」

p126
わたしたちは、感動する本でも、映画でもいいですが、「へえ、そうなんだ。よかったね。でたしめでたし」で終わらせてはいけないのです。 「そうか、愚直か。手を抜かないでがんばるといいことがあるんだな」と勉強したら、即、あなたの生活に導入しなければならないのです。

p144
情報を活用することを云々いう前に、これからは本を開いた瞬間、「さあ、どう活かそうか?」とライオンが獲物を狙うような気持ちで臨んでみてください。きっとヒーローモード、ヒロインモードにスイッチオンすると思います。

p148
「忘れてしまうようなアイデアなら、しょせんたいしたことはないよ」という人がいますが、それは間違いです。ちょっとしたアイデアがいかに重要なことか。

p151
最終的に残った付箋の部分だけをわたしはパソコンにインプットします。

p169
発見とは、みなと同じものを見ながら違うことを考えることです。読むことと書くことは、似ているようでまったく異なります。じつは、読んでいるだけでは、ほんとうは十分に理解できていません。 わたし自身の体験としても、第三者に伝えるように書いてはじめて、自分自身が「そうだったのか!」と気づくことが少なくありません。

p177
無条件に理解してくれる人が一人でもいることが、子どもにとって、いや大人にとってもどれだけ力強いことか。自分の人生は自分が責任を持つものです。アドバイスは求めても、判断は自分でしなければなりません。それを放棄して他人の意のままになるのでは、ただの操り人形にほかなりません。


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