もしも人生をやりなおせるなら
おすすめしたいものをひとつに絞るのは難しい。
そのくらいこの世界にはいい本や映画・アニメ・ドラマが溢れている。私の知らないものだらけで、一生かかっても見切れない。そう考えれば、この1分1秒がかけがえないと思えるから不思議だ。
さて考え抜いた末、今回ご紹介するのは小さな絵本だ。
サラッと読めるけど、嫌なことがあった時、意味もなく沈んでいる時、踏み出す勇気が出ない時、いつも心を軽くしてくれる絵本。
お守りのようにそばにあって、必要な時は本棚の中のこの本といつも目が合った。
それが、こちら。
「もしも人生をやり直せるなら」
文 ナディーン・ステア
絵 こがらしパレード
訳 かみひこうき
ある外国の詩を絵本にしたものだ。
その題名の通り、もしもやり直せるならこんなことがしたい、という内容が年老いてからの目線で書かれている。
内容はとてもシンプルで、わかりやすい。
その直球さが心地よくて、そして直球が故に心に響く。まるで年老いた自分が、あと少しの人生を前に過去をふりかえって書いてるような気分に陥るのだ。
中でも1番好きな部分を引用する。
こんな瞬間が確かに私の短い人生にもある。
ひとつやふたつだけでも、思い浮かぶ人が多いのではないかと思う。
でもそれを、今一番大切に生きているだろうか。
日々のやらねばいけないこと、考えなければいけないことに追われて後回しにしていないだろうか。
夢中になったこと、心から何かとの繋がりを感じたこと、人を愛したこと。
宝物のようにきらきらしたそれを大切に拾い集めるように生きてみたい。
そんな大事なことを思い出させてくれるこの一節が大好きだ。
まるで自分が思ったことかのように読めるのは、この詩を書いたのが作家でもない極平凡な85歳の女性であるのも理由だろう。
その詩が今や世界中で読まれている。
このことにも私は元気づけられた。今自分が書いてるこのnoteは誰も読んでくれないかもしれないけれど、もしかすると誰かには届くかもしれない。
「これは自分のために書かれた、と思わせるのがいい詩だ」という、どこかで聞いた言葉がある。ボヘミアン・ラプソディでのセリフだったかな。
誰か一人にでも響いたのなら、表現者としては願ったり叶ったりだ。
実際、本当にその人のために書いたようなものなのだ。
とあるおばあちゃんの独り言に近いものなのに、そっと背中を押してくれるような暖かさがある絵本。
そんなに深刻にならなくても大丈夫。もっと自分の時間を楽しんでねって笑いかけてくれる、優しいぬくもりをそばに感じられる絵本。
是非、その手に取ってみて欲しいです。
そしてできるなら、感想を聞かせて欲しい。
もっとわがままを言うのなら、そのあとはあなたのおすすめの本や映画を知りたい。
「誰かにおすすめしたい本・映画・アニメ・ドラマ」#1ヶ月チャレンジ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?